幸せの方法を

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1章

日常? 3

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あの後馬車で家まで帰った俺はいつもより早めにベットに入った。

今日はもう脳の限界だ。
考えることが多すぎる。 いっその事気にしないで過ごそうと思ったのだがぐるぐると頭を駆け回る「好き」と「初恋」の言葉。
前世の俺には恋など無縁もいいところだったし、今世だって前よりモテるとはいえ公爵家の長男だ。
家のための政略結婚だろう思っていたから恋などしようともしたことがない。いやだろうというかそうなのだけれど。しかも男だし。

そんなことを考えまくって気づいたらいつもより早めにベットに来たはずなのにいつもの寝る時間をすぎてしまっていた。
どんだけ考えたって答えが出ないならと諦めて俺は寝ることにした。
目を瞑ると疲れていたのかすぐに夢の中へと入っていった。


次の日
いつもどうりの朝を迎えいつもどうり学園に行く支度を済ませ馬車に乗る。
いつもどうりのはずなのに頭の中にあるのは昨日の出来事ばかりだった。

そういえば。昨日俺は食堂で告白?をされた気がしたのだが周りにいた人には聞こえていたのだろうか。
昨日は目の前で起きるイレギュラーなことにいっぱいいっぱいで気が付かなかった。
全員でなくとも貴族は噂話が広まるのが早い。
だとしたら相当やばいことになっているのではないか?
誰にも聞かれていませんようにと祈るばかりである。

そんなことに今更気づいたところで学園に到着である。
いつもどうり御者にお礼をいい馬車をおりる。

するとやっぱりこっちをチラチラと見る視線が多くあった。
あぁ。やっぱり。めんどくさい事になった。
生徒が知っているということはつまりその親にも話が行っていると考えるのが普通だろう。
俺の家は俺が言っていないから誰も昨日のことを知らないが、他の家と関わることがあればきっとすぐにバレる。
公爵家の長男が第三『王子』に告白されたとなれば問題できるところだらけすぎるのだ。

また1つ考えないといけないことが増えたなと思いながら教室に向かって足を踏み出そうとしたところで
ふと目の前で揺れている綺麗な金髪の後ろ姿が見えた。

思わず数秒止まって見ていると、こちらを振り返った瞳と目が合う。
やっぱり間違いなくセドリック殿下だった。

近くに馬車がないのでたまたま時間が被ったという訳では無さそうだ。
だとしたら考えられるのは…

「アラン。おはよう待っていた!」

予想的中だった。もう全てが夢であってくれと思う。
というか皇族を待たせるというのは意図してなくともまずいのではなかろうか。

「おはようございます。セドリック殿下。
すみません。約束していましたでしょうか?」
考え事が多すぎて約束をすっぽかしてしまったのかと俺は少し慌て謝る。
「いや大丈夫だ。約束はしていないよ。私がアランと一緒に教室に行きたかっただけだ。」
なるほど。皇族との約束をすっぽかした訳ではなくてよかった。
だとしてもまたとんでもないことを言われた気がする。
たかが門から教室までの短い移動一緒にする為だけに待っているのは勘弁していただきたい。
ため息が出そうなのをグッとこらえていると
「それとアラン。殿下ではなくて?」

そういえば昨日様で呼ぶ約束をしたんだっけか。
「セドリック…様。」
「よろしい!行くぞ!」
セドリック殿下は満足そうに笑うと元気にそう言った。


門から教室に行くまでの間何を話したらいいのか全く思い浮かばない。
あっちから振られるのかと思いきや一緒に歩けているだけで満足と言わんばかりにルンルンで隣を歩いているだけで話しかけられる様子もない。

それならば気になることを全て聞いてしまおうと自分から話題を振ることにした。
「セドリック様。今日はなぜ門のところにいたのでしょう。」
「さっきも言っただろう?アランと教室に行きたかったからだ。」
「それはなぜ「好きだからだ。」…でしょう。」
1度言ってしまえばもう恥ずかしいとかはないのか食い気味に言ってきた。これまたニコニコである。
1度目も恥ずかしがっていたかと言われるとそんな感じもしなかったが。

「…。好きというのはなにかの勘違いではないでしょうか。」
「勘違い…?そんなことはない。俺はアランと初めて会った時から好きなのだから。」
「男同士です。」
「好きに性別なんか関係ないだろう?」
「いや。私たちは貴族ですよ?」
「貴族は同性を好きになっては行けないという法律はない。」
「法律はなくとも暗黙の了解はあります。」
「そんなものあってないようなものだ。」
「嫌だからそうではなく…。」
「ほらもう着いたぞ。」
話の内容が少し変わればカップルの痴話喧嘩にもなりそうなテンポで言い合いをしていたらあっという間に教室に着いた。


ガラガラと教室の後ろ側の扉を開けて2人で教室に入っていく。
教室には既にアレクとナイツがいて二人で話していた。
今日は早かったらしい。

そしてなんと言っても今日は昨日とは違い教室からの視線が痛いほど俺に突き刺さった。


教室までの道で散々見られたしもう気にしててキリがないので気にせずスタスタ歩いていく。

セドリック殿下の席は度々家の都合で授業を抜けるということもありみんなに迷惑をかけないようにと1番後ろのドア側で固定されている。
対して俺の席は1番前窓側で殿下席とは対極に位置する。

「それではセドリックさ…ま?」
だからすぐに解散のはずだった。
しかし殿下は当たり前のように俺の机の方に歩いていく。
俺も恐る恐るついて行き席に着くと
「一緒に来れて楽しかった。次はまたお昼にな!」
「いや。ちょっ…。」
お礼の言葉とあろうことかお昼の約束まで強制的に取り付けて去っていった。

思わずポカーンとして固まってしまっていたら
「やっぱりセドリック様アランのこと待ってたのか。」
「そうみたいだね。」
少し呆れた様子のアレクとふふっと少し笑いながらナイツが席に来た。
「やっぱり…?」
「いやぁ。俺なんか今日早く起きちまったからどうせなら早めに学校行くかーって来たらさ。門のところにセドリック様が立ってるんだよ。」
「は?」
「挨拶した時に誰か待ってんのかって聞いたら 「まぁそんなとこかな」って少し照れた感じで言うからさ、昨日のこともあったしアランだろうなと思ったらビンゴだったってことよ。」
「いやそこで止めろよ。」
「なんでよいーじゃん。」
イタズラ笑うアレクに小さくため息をつく。
でもアレク話を聞いた感じアレクは俺より結構前に学園に着いたみたいだったしもう少し早めにくるべきだったか。

嫌なんであっちが勝手に待っていたのに俺が悪いみたいな気分になっているのか。

「私も門のとこにいるセドリック様を見つけた時はアランの顔が頭に浮かんだなぁ。」
「いやいや浮かべなくていし思い浮かんだのならば止めろ。」
強めにツッコむ。

「で?どうだった?」
「そうだよ。聞かせてくれていいんだよ?」
「お前らほんとに。2人して楽しんでるだろ。」
昨日はからかってこなかったくせして頭の整理がつき始めたら全力でこの状況を楽しむつもりらしい。
2人していい性格をしている。

ならば
「あ、そうだちなみに。今日のお昼もセドリック様は一緒にとるつもりらしい。もちろんお前らもだからな?」
「いやえっっと。」
「僕は遠慮しておくよ。」
2人も巻き込んでやろうと俺はお昼の約束を2人に教える。
「2人して今の俺の状況を面白がっているんだろう?
「いや面白がってるわけじゃ…」
「そしてどんな感じか知りたがっているならばいい機会だ。」
「ちょっと落ち着いt…」
「絶対に一緒にお昼食べような?」
俺は絶対にNOを言わせないとばかりに早口で言葉をかぶせまくり社交の場で見せるとびっきりの笑顔を貼りつけて2人を見る。

「わ、わかった。」
「はい…。」
そして2人の道ずれが決定したのである。



o,+:。☆.*・+。o,+:。☆.*・+。o,+:。☆.*・+。o,+:。☆.*・+。

ちなみにちなむとセドリックの席以外はたまぁに先生の気まぐれで席替えがあるという設定です。


ちなみにアレクの席は窓側の一番後ろでナイツはその斜め前くらいです。
アランとは少し離れたけど2人は近めの席かなって感じです。
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