10 / 16
1章
イレギュラー 3
しおりを挟む
ガタガタと揺れる馬車に揺られてしばらくすると家に着いた。
玄関から中へ入るといつもと同じように執事とメイドが出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ。アラン坊ちゃん。」
「おかえりなさいませ。」
「ただいま。」
そしていつものようにメイドに荷物を預け自分の部屋に向かおうと足を踏み出した時。
「アラン坊ちゃん。旦那様がお呼びです。」
そう執事がゆうと俺は父のいる書斎へ案内された。
コンコン
「失礼します。旦那様アラン坊ちゃんを連れてまいりました。」
「入れ。」
「失礼します。お呼びでしょうか。」
「外してくれるか。」
そう言うと父は執事を部屋から出して書斎は2人だけになった。
「アラン。昨日学園でセドリック殿下と何かあったみたいだね。」
貴族の噂は早く回るとはいえここまで早く伝わってしまうとは。昨日の今日である。
「はい。少しだけありました。」
「そうか。今日ドラン陛下に呼ばれて王城に行ったんだよ。」
「はい…。」
ドラン・ルナ・シャイル
シャイル帝国の国王陛下でセドリック殿下と同じ美しい金髪を持っている。
「昨日あったことを話された。まず大変だったな。アラン。」
「はい。ありがとうございます。」
「それでだな。昨日の今日でこんなものを渡してきた。」
そう言って父が渡してきた紙を見ると
「サリオン公爵家長男。アラン・ベル・サリオンとセドリック・ルナ・シャイルの婚約を求める…。はぁ!?」
そこには俺とセドリック殿下との婚約のお申し込みが丁寧に書かれてた。思わず大声が出る。
たしかに昨日告白?をされた。しかし次の日に婚約の申し込みが来るとは思わない。
あ、そういえば今日の帰り「また月曜!」と言って帰っていくセドリック殿下が俺にだけまた明日と小さい声で言ってきていた。
どうやらセドリック殿下にしてやられたらしい。
「陛下が面白いことが始まると言わんばかりの笑顔で近ずいてきたから嫌な予感がしたんだよ。はぁ。」
王城で色々あったのだろうため息とともに顔の疲れがピークだった。
「でも私はアランの気持ちを聞きたくて一旦保留ということにさせてもらったんだ。王家からとはいえそこは安心して欲しい。」
「ありがとうございます。いや、というか保留も何も無理ですよね?俺長男ですよ。跡取りとか。」
そうこの世界は前世によくある男同士でも妊娠できる!みたいな世界ではない。
男と女でしか子供はできないし、同性婚など聞いたことがないのだ。
「そうなんだが。なぜだか王家がノリノリなんだよ。我が息子に春が来た!…と。」
「は、はぁ。」
息子に好きな子ができそれが男でも気にせず全力応援とは陛下もなかなかに親バカみたいだ。
「それと急で悪いんだが明日一緒に王城に行くことになった。話し合いの場を儲けようとか。」
「はい分かりました。父様ありがとうございます。色々。」
「いやいいんだよ、
私はアランの気持ちが1番大事だからね。」
「はい。それではおやすみなさい。」
「あぁおやすみ。ゆっくり休んで。」
俺は本当にいい父を持った。息子の気持ちを第一にと言ってくれる親は普通に見えてとても少ない。
きっと父はもしありもしない未来俺がセドリック殿下と一緒にありたいといっても応援してくれるのだろう。
とはいえ今日も疲れた。
でも今日は少しいつもとは違った。
イレギュラー続きだったのはそうなのだけれど、
久しぶりに声を出して笑った。
帰り道が少し寂しかった。
久しぶりに自分の感情が少し動いた。
多分それはきっとセドリック殿下〈イレギュラー〉のおかげなのだろう。
そう。俺はこの世界に来てからあまり感情が動かない。
誰かに褒められても、怒られても、悲しいことがあっても、面白いことがあっても。
それがそういう感情を持つのだろうと分かりはするけど自分で感じ取れないのだ。
そのせいで小さい頃は少し苦労して、あんまりにも笑わないものだから病気なのでは!?と心配した両親に医者を呼ばれたこともある。
自分で感じれなくとも場面場面での喜怒哀楽は前世の人間観察を経て何となくわかっていた俺はその日から感情を作るようになった。
それでも自分で自分の感情を感じれたことはあまりなくて。
だから今日は自分が笑えたことが、寂しいと感じれたことが嬉しかった。
明日は今日より疲れるだろう。
セドリック殿下に振り回されそうな明日の自分に少しだけ同情して俺はベットで目を閉じる。
明日もセドリック殿下に会えることが少しだけ本当に少しだけ楽しみだなと思いながら。
°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆
今日はもう1話あげたい!
玄関から中へ入るといつもと同じように執事とメイドが出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ。アラン坊ちゃん。」
「おかえりなさいませ。」
「ただいま。」
そしていつものようにメイドに荷物を預け自分の部屋に向かおうと足を踏み出した時。
「アラン坊ちゃん。旦那様がお呼びです。」
そう執事がゆうと俺は父のいる書斎へ案内された。
コンコン
「失礼します。旦那様アラン坊ちゃんを連れてまいりました。」
「入れ。」
「失礼します。お呼びでしょうか。」
「外してくれるか。」
そう言うと父は執事を部屋から出して書斎は2人だけになった。
「アラン。昨日学園でセドリック殿下と何かあったみたいだね。」
貴族の噂は早く回るとはいえここまで早く伝わってしまうとは。昨日の今日である。
「はい。少しだけありました。」
「そうか。今日ドラン陛下に呼ばれて王城に行ったんだよ。」
「はい…。」
ドラン・ルナ・シャイル
シャイル帝国の国王陛下でセドリック殿下と同じ美しい金髪を持っている。
「昨日あったことを話された。まず大変だったな。アラン。」
「はい。ありがとうございます。」
「それでだな。昨日の今日でこんなものを渡してきた。」
そう言って父が渡してきた紙を見ると
「サリオン公爵家長男。アラン・ベル・サリオンとセドリック・ルナ・シャイルの婚約を求める…。はぁ!?」
そこには俺とセドリック殿下との婚約のお申し込みが丁寧に書かれてた。思わず大声が出る。
たしかに昨日告白?をされた。しかし次の日に婚約の申し込みが来るとは思わない。
あ、そういえば今日の帰り「また月曜!」と言って帰っていくセドリック殿下が俺にだけまた明日と小さい声で言ってきていた。
どうやらセドリック殿下にしてやられたらしい。
「陛下が面白いことが始まると言わんばかりの笑顔で近ずいてきたから嫌な予感がしたんだよ。はぁ。」
王城で色々あったのだろうため息とともに顔の疲れがピークだった。
「でも私はアランの気持ちを聞きたくて一旦保留ということにさせてもらったんだ。王家からとはいえそこは安心して欲しい。」
「ありがとうございます。いや、というか保留も何も無理ですよね?俺長男ですよ。跡取りとか。」
そうこの世界は前世によくある男同士でも妊娠できる!みたいな世界ではない。
男と女でしか子供はできないし、同性婚など聞いたことがないのだ。
「そうなんだが。なぜだか王家がノリノリなんだよ。我が息子に春が来た!…と。」
「は、はぁ。」
息子に好きな子ができそれが男でも気にせず全力応援とは陛下もなかなかに親バカみたいだ。
「それと急で悪いんだが明日一緒に王城に行くことになった。話し合いの場を儲けようとか。」
「はい分かりました。父様ありがとうございます。色々。」
「いやいいんだよ、
私はアランの気持ちが1番大事だからね。」
「はい。それではおやすみなさい。」
「あぁおやすみ。ゆっくり休んで。」
俺は本当にいい父を持った。息子の気持ちを第一にと言ってくれる親は普通に見えてとても少ない。
きっと父はもしありもしない未来俺がセドリック殿下と一緒にありたいといっても応援してくれるのだろう。
とはいえ今日も疲れた。
でも今日は少しいつもとは違った。
イレギュラー続きだったのはそうなのだけれど、
久しぶりに声を出して笑った。
帰り道が少し寂しかった。
久しぶりに自分の感情が少し動いた。
多分それはきっとセドリック殿下〈イレギュラー〉のおかげなのだろう。
そう。俺はこの世界に来てからあまり感情が動かない。
誰かに褒められても、怒られても、悲しいことがあっても、面白いことがあっても。
それがそういう感情を持つのだろうと分かりはするけど自分で感じ取れないのだ。
そのせいで小さい頃は少し苦労して、あんまりにも笑わないものだから病気なのでは!?と心配した両親に医者を呼ばれたこともある。
自分で感じれなくとも場面場面での喜怒哀楽は前世の人間観察を経て何となくわかっていた俺はその日から感情を作るようになった。
それでも自分で自分の感情を感じれたことはあまりなくて。
だから今日は自分が笑えたことが、寂しいと感じれたことが嬉しかった。
明日は今日より疲れるだろう。
セドリック殿下に振り回されそうな明日の自分に少しだけ同情して俺はベットで目を閉じる。
明日もセドリック殿下に会えることが少しだけ本当に少しだけ楽しみだなと思いながら。
°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆
今日はもう1話あげたい!
10
あなたにおすすめの小説
愛して愛して愛して愛してる人
綾瑪東暢
BL
大学生の八重颯(やえはやて)はずっと片想いをしてる相手がいた。それは七宮弘人(しちみやひろと)。高校の時、疎遠になりそれ以来会えなかった。大学1年生の春。街で弘人を見つけた。話しかけようとしたら人混みで見失ってしまった。ずっと好きだった。
2人は再び、出会うことができるのか・・。
※投稿日は、水曜日と土曜日です。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
拗らせ問題児は癒しの君を独占したい
結衣可
BL
前世で限界社畜として心をすり減らした青年は、異世界の貧乏子爵家三男・セナとして転生する。王立貴族学院に奨学生として通う彼は、座学で首席の成績を持ちながらも、目立つことを徹底的に避けて生きていた。期待されることは、壊れる前触れだと知っているからだ。
一方、公爵家次男のアレクシスは、魔法も剣術も学年トップの才能を持ちながら、「何も期待されていない」立場に嫌気がさし、問題児として学院で浮いた存在になっていた。
補習課題のペアとして出会った二人。
セナはアレクシスを特別視せず、恐れも媚びも見せない。その静かな態度と、美しい瞳に、アレクシスは強く惹かれていく。放課後を共に過ごすうち、アレクシスはセナを守りたいと思い始める。
身分差と噂、そしてセナが隠す“癒やしの光魔法”。
期待されることを恐れるセナと、期待されないことに傷つくアレクシスは、すれ違いながらも互いを唯一の居場所として見つけていく。
これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。
異世界でΩを隠してバリスタになりました
花嗚 颺鸕 (かおう あげろ)
BL
絶対に元の世界に戻りたいΩ×絶対に結婚したいαの物語。
Ωを隠して働くことになったバリスタの悟と憲兵団に所属するαのマルファス。珈琲を作る毎日だったが、治癒の力を使い人々を癒す治癒士としての側面も。バリスタ兼治癒士として働く中で、二人は徐々に距離を縮めていく。
アルファ嫌いのヤンキーオメガ
キザキ ケイ
BL
にわか景気の商店街に建つペットショップで働く達真は、男性オメガだ。
オメガなのに美形でも小柄でもなく、金に染めた髪と尖った態度から不良だと敬遠されることが多い達真の首には、オメガであることを嫌でも知られてしまう白い首輪が嵌っている。
ある日、店にアルファの客がやってきた。
過去のトラウマからアルファが大嫌いな達真はぞんざいな態度で接客するが、そのアルファはあろうことか達真を「きれいだ」と称し、いきなりキスしてきて───!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる