幸せの方法を

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1章

イレギュラー 3

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ガタガタと揺れる馬車に揺られてしばらくすると家に着いた。

玄関から中へ入るといつもと同じように執事とメイドが出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ。アラン坊ちゃん。」
「おかえりなさいませ。」
「ただいま。」
そしていつものようにメイドに荷物を預け自分の部屋に向かおうと足を踏み出した時。
「アラン坊ちゃん。旦那様がお呼びです。」
そう執事がゆうと俺は父のいる書斎へ案内された。

コンコン
「失礼します。旦那様アラン坊ちゃんを連れてまいりました。」
「入れ。」

「失礼します。お呼びでしょうか。」
「外してくれるか。」
そう言うと父は執事を部屋から出して書斎は2人だけになった。

「アラン。昨日学園でセドリック殿下と何かあったみたいだね。」
貴族の噂は早く回るとはいえここまで早く伝わってしまうとは。昨日の今日である。
「はい。少しだけありました。」
「そうか。今日ドラン陛下に呼ばれて王城に行ったんだよ。」
「はい…。」
ドラン・ルナ・シャイル
シャイル帝国の国王陛下でセドリック殿下と同じ美しい金髪を持っている。

「昨日あったことを話された。まず大変だったな。アラン。」
「はい。ありがとうございます。」
「それでだな。昨日の今日でこんなものを渡してきた。」
そう言って父が渡してきた紙を見ると
「サリオン公爵家長男。アラン・ベル・サリオンとセドリック・ルナ・シャイルの婚約を求める…。はぁ!?」
そこには俺とセドリック殿下との婚約のお申し込みが丁寧に書かれてた。思わず大声が出る。
たしかに昨日告白?をされた。しかし次の日に婚約の申し込みが来るとは思わない。
あ、そういえば今日の帰り「また月曜!」と言って帰っていくセドリック殿下が俺にだけまた明日と小さい声で言ってきていた。
どうやらセドリック殿下にしてやられたらしい。

「陛下が面白いことが始まると言わんばかりの笑顔で近ずいてきたから嫌な予感がしたんだよ。はぁ。」
王城で色々あったのだろうため息とともに顔の疲れがピークだった。

「でも私はアランの気持ちを聞きたくて一旦保留ということにさせてもらったんだ。王家からとはいえそこは安心して欲しい。」
「ありがとうございます。いや、というか保留も何も無理ですよね?俺長男ですよ。跡取りとか。」
そうこの世界は前世によくある男同士でも妊娠できる!みたいな世界ではない。
男と女でしか子供はできないし、同性婚など聞いたことがないのだ。

「そうなんだが。なぜだか王家がノリノリなんだよ。我が息子に春が来た!…と。」
「は、はぁ。」
息子に好きな子ができそれが男でも気にせず全力応援とは陛下もなかなかに親バカみたいだ。

「それと急で悪いんだが明日一緒に王城に行くことになった。話し合いの場を儲けようとか。」
「はい分かりました。父様ありがとうございます。色々。」
「いやいいんだよ、
私はアランの気持ちが1番大事だからね。」
「はい。それではおやすみなさい。」
「あぁおやすみ。ゆっくり休んで。」
俺は本当にいい父を持った。息子の気持ちを第一にと言ってくれる親は普通に見えてとても少ない。
きっと父はもしありもしない未来俺がセドリック殿下と一緒にありたいといっても応援してくれるのだろう。

とはいえ今日も疲れた。
でも今日は少しいつもとは違った。
イレギュラー続きだったのはそうなのだけれど、
久しぶりに声を出して笑った。
帰り道が少し寂しかった。
久しぶりに自分の感情が少し動いた。
多分それはきっとセドリック殿下〈イレギュラー〉のおかげなのだろう。

そう。俺はこの世界に来てからあまり感情が動かない。
誰かに褒められても、怒られても、悲しいことがあっても、面白いことがあっても。
それがそういう感情を持つのだろうと分かりはするけど自分で感じ取れないのだ。

そのせいで小さい頃は少し苦労して、あんまりにも笑わないものだから病気なのでは!?と心配した両親に医者を呼ばれたこともある。
自分で感じれなくとも場面場面での喜怒哀楽は前世の人間観察を経て何となくわかっていた俺はその日から感情を作るようになった。
それでも自分で自分の感情を感じれたことはあまりなくて。

だから今日は自分が笑えたことが、寂しいと感じれたことが嬉しかった。

明日は今日より疲れるだろう。
セドリック殿下に振り回されそうな明日の自分に少しだけ同情して俺はベットで目を閉じる。


明日もセドリック殿下に会えることが少しだけ本当に少しだけ楽しみだなと思いながら。



°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆

今日はもう1話あげたい!
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