幸せの方法を

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1章

パーティー 1

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パーティー当日。

「屋敷とフィートたちを頼んだ。行ってくる。」
「2人ともいい子に待っていてね。それでは行ってきます。」
「行ってきます。」
「行ってらっしゃいませ。旦那様、奥様、アラン様。」

貴族みんなでのパーティーらしいので父と母と俺の3人で出席する。
フィートとフィーナはまだ学園に入っていないので今回はお留守番だ。

「それにしても。ふふっ。アラン似合ってるわよ。」
ガタガタと揺れる馬車の中。不意に母が俺の胸らへんを見てそう言う。
父は母の言葉を聞いて俺へと目線を向けると目線の先にあるものに対しての感想を言ってきた。

「あぁほんとに。とっても似合ってるよ。」
「…。ほんとですか。ありがとう…ございます。」
俺は2人の言葉に何故だか落ち着かなくなりながら感謝を返す。

俺はセドリック殿下からのプレゼントをつけることにした。
理由は皇族からのものを断るのは少し気が引けるというのもあったが、つけて言った時のセドリック殿下の反応が見てみたいという好奇心もあった。
だけど2人にあまりにも微笑ましそうな顔で褒められることは予想しておらず今すぐにでも外したくなった。

会場について中に入る。
さすがは陛下だ、思いつきとはいえとても広い会場に豪華な料理、装飾が用意されていた。

しばらくすると陛下が現れて挨拶をする。
その横には陛下の王太子妃様とディアン様、ナディア様にセドリック殿下がたっていた。

「今日は私の思いつきのパーティーに来ていただけたこと感謝する。
いつものように気を張らず楽しんで欲しい。」

パチパチパチパチ

陛下の言葉にみんなの拍手が終わるとほんとにパーティーが始まった。
というかほんとに思いつきかよ。という言葉は心に閉まっておく。

「アラン!」
「あ、アレクにナイツお前らも親から離れてきたのか。」
声をかけられた方を見ると2人が親から離れて俺の方に来ていた。

「あったりまえよ。親といると変に婚約はどうだとかの話になりかねない。」
「貴族的なお付き合いは疲れるから離れていい時は離れないと。何せ思いつきパーティーだしね。」
「ほんとにな。」
ナイツが俺が思っていたことをすっごくマイルドにして言ってくれたので頷いた。

そのまま3人でたわいもない話をしつつ、たまに話しかけてくるご令嬢をサラーっとかわしつつ過ごしていると周りが少しざわざわとし出す。

周りを見回してみるとさっき陛下たちがいたところからセドリック殿下とそのお兄様達がこっちに向かって歩いてきていた。

「アランにアレクにナイツ。来てくれたんだねありがとう。」
「はい。招待していただきありがとうございます。」
セドリック殿下の言葉に3人で礼をしながら言う。

「アランくんたちは礼儀正しいね。さすが公爵家だ。
でも今日は楽にしてて大丈夫だよ。父上の騒ぎたがりだからさ。」
「そうそう。父上は楽しいことが好きすぎるんだよ~。」
楽にしていいよという言葉が出るまで礼を辞めない俺たちにディアン様とナディア様が優しく声掛けをしてくれたので礼とく。

さすがは公爵家。という言葉はきっとここに来るまでに気楽なパーティーだからと軽々しく話しかけてきた者がいたのだろう。後ろで少し震えてる人が見えた。

「このパーティーってそういう。」
小声で俺がつぶやくと
「アランくんは頭の回転が早いらしいね。お気楽なものとはいえどこういう場で礼儀を無くす人は何処かでやらかすからね。有能なものを見分ける場としては有効なんだよ。」
有能なものを見分けるというのは同時に無能を炙り出しやすいとも言えるだろう。
ディアン様が少しいや、結構悪そうな顔でそういうと周りの空気が少しビシッとした。
ナディア様はそんな空気を楽しむように笑っていた。

俺とアレク、ナイツに関しては何時どんな時でも許しを直接得るまで態度を緩めるなと散々両親に言われてきているのでそこら辺はわきまえているため可哀想だなぁと思いながら2人に愛想笑いを浮かべている。

「アラン。」
「はい。」
不意にセドリック殿下に呼ばれる。

「胸のバッチつけてきてくれたんだ。」
「…はい。」
セドリック殿下の言葉に少し間を置いて返事をする。
何故かすごくムズムズする。
この後殿下はなんて言うんだろう。

「嬉しい。ありがとう。」
「っっ!!ど、どういたしまして。」
いつもとは違う噛み締めたような少し落ち着いた反応に全身が熱くなる。

「あ~あのバッチか。つけて貰えたんだ。セドリック良かったね。」
「ほんとだお揃いだぁ!可愛い!」
この熱をどうにか外に出そうとしているとディアン様と、ナディア様も胸のバッチ見みてそう言った。
アレクとナイツに関しては後ろでニヤニヤしてるのが見なくてもわかる。

「それでは私たちは後にしよう。また後で話せたら嬉しい。」
「じゃあ俺らもあっちの方行ってるわ!なんかあったら声掛けて。」
そしていつの間にかセドリック殿下と二人っきりになっていた。

「照れてる?」
「照れてません。少し暑いだけです。」
多分俺は照れてるんだろう。もう自分でも自覚がないでは通せないほどに火照ってきている。

「それを照れてると言うと思うんだけど…。まぁいいか。ねぇアラン。」
「はい。」
「このパーティー俺と2人でいてくれませんか。」
ただパーティーで一緒にいたいと言うだけの申し出だ。
何も特別なことはない。だけどその言葉が今の俺には告白みたいに聞こえる。
多分前なら断っていた。男同士だし。恋なんて分からないしめんどくさい。政略結婚するのならそんなものいらないのだから。

少し迷っている俺を見る真っ直ぐな殿下と目が合う。
俺の事だけを見てくれているその目に俺は捕まってみたくなった。

「はい。私でよければ。」
「アランがいいんだ。」

そうしてただただ二人で過ごすパーティーが始まった。


°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆

お疲れ様です。
最近寒いですね!皆様体調お気をつけくださいませ。

ちょっとづつセドリックのおかげでアランの感情表現が増えていっているのが書いてて嬉しいです!

そんな2人のパーティーはあともう少し続きます!
楽しいものになるといいなぁ!
それでは皆様またね次で!
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