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城の秘密Ⅱ①
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少年が、おもむろに、鈍く光る銀ナイフを取り出す。
ゆっくりと切っ先を、私に向け、
「…あんたが、オヤジを殺したのか?オヤジは、なんで死んだんだ」
鋭く見据え、問い質してくる。
その真っ直ぐさに、目を伏せた。
「……そうだ。私が…、殺したようなものだ…」
「…っ…?」
少年が身じろぐ気配が伝わる。
「…オヤジを殺したように、おれもそのうち殺すつもりなのか?」
「違うっ!!!」
我ながら、大きな声が出た。バルコニーに、獣の咆哮に似た声が、こだまする。
似た…ではない。今の私は、獣そのものだ。
人の体躯に、毛深く、固い、銀の体毛。鼻は尖り、牙を生やした、正真正銘の——怪物。
顔を覆いたくなるのをこらえ、
「…そんなことにはならない。…させない。絶対に」
だから…。
「私を…、信じてくれ…」
絞りだしたのは、なんとも頼りない、願望だった―。
目の前の、苦し気に顔を覆う、そいつに、おれは…。
「…あんたは、親切さ。親なしになったおれを引き取って…、まともな生活をくれた。だけど、何かを隠してる。そうだろう?」
姿を隠し、そのうえ、この城にはまだ、何か秘密がある。
そんな気がしてならない。
人間が狼の姿を模して生まれてきたようなこの城の主が、静かに、意を決したように顔を上げる。
深い眸に触れる。
「…いいだろう」
そういって、おれの脇を通り抜け、部屋のドアの前で振り返る。
ついて来いということらしい。
おれは……従うことにした。
ゆっくりと切っ先を、私に向け、
「…あんたが、オヤジを殺したのか?オヤジは、なんで死んだんだ」
鋭く見据え、問い質してくる。
その真っ直ぐさに、目を伏せた。
「……そうだ。私が…、殺したようなものだ…」
「…っ…?」
少年が身じろぐ気配が伝わる。
「…オヤジを殺したように、おれもそのうち殺すつもりなのか?」
「違うっ!!!」
我ながら、大きな声が出た。バルコニーに、獣の咆哮に似た声が、こだまする。
似た…ではない。今の私は、獣そのものだ。
人の体躯に、毛深く、固い、銀の体毛。鼻は尖り、牙を生やした、正真正銘の——怪物。
顔を覆いたくなるのをこらえ、
「…そんなことにはならない。…させない。絶対に」
だから…。
「私を…、信じてくれ…」
絞りだしたのは、なんとも頼りない、願望だった―。
目の前の、苦し気に顔を覆う、そいつに、おれは…。
「…あんたは、親切さ。親なしになったおれを引き取って…、まともな生活をくれた。だけど、何かを隠してる。そうだろう?」
姿を隠し、そのうえ、この城にはまだ、何か秘密がある。
そんな気がしてならない。
人間が狼の姿を模して生まれてきたようなこの城の主が、静かに、意を決したように顔を上げる。
深い眸に触れる。
「…いいだろう」
そういって、おれの脇を通り抜け、部屋のドアの前で振り返る。
ついて来いということらしい。
おれは……従うことにした。
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