猫探偵と助手のぼく

星野月

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猫に恋愛相談をする

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 サマースクール二日目が終わり、みんな家へ帰って行った。ぼくは1階の突き当たりの和室に向かった。ふすまは開いており、テレビを見ているおばあちゃんと路代おばさん、そしてタンタンの姿が見えた。
 ぼくは部屋に入り、座布団の上へ腰を下ろす。

「路代おばさん、来てたの?」

「うん、今日はお昼ごはんの手伝いに来てたのよ」

 タンタンが動き出した。まず、ぼくに頭をスリスリして、路代おばさんの太ももの上で落ち着くコースだ。

「そういえば、お母さん。だれかいい人いない?」と、路代おばさん。

「何よ、いい人って。あんた結婚してるじゃないの?」

「違うわよ、私じゃなくて。ほら、えっちゃんよ!」

 えっちゃんなら、ぼくも知ってるぞ。「たからのちず」探しでは、大変お世話になりました。

「何?えっちゃん、相手探してるの?」

「そう。ほら、行動範囲が狭いと出会いってないじゃない。えっちゃん、農家の娘だからさぁ」

 路代おばさんは、タンタンの背中を撫でながら、えっちゃん情報を解説する。

「えっちゃんって何歳?」

 失礼ながら、ぼくは今後のリサーチの為に、えっちゃんの年齢を聞くことにした。

「29歳よ」

 ふむ。29歳の女性に釣り合う人で、尚且つ彼女募集中の男性…。

「あの、候補が約一名いるんだけど」

 と言うか、ぼくの知る限り山田さんしか思い浮かばない。

「だれ?だれ?」

「山田さん」

「山田さんって、あのサマースクールの?」

 路代おばさんも、一応山田さんを知っているようだ。

「そう。ぼくが言うのもなんだけど、なかなかの好青年だと思うよ」

「ふぅん、優斗君が言うなら、いい奴かもしれないわね。お母さんはどう思う?」

 路代おばさんは、おばあちゃんに尋ねた。

「うん、いい人だと思うよ。いつも丁寧だし。ごはんもキレイに食べるし」

 食べ方って、かなり大事だ。タンタンもキレイに食べるし。

「それじゃあ、昼ごはんの時にえっちゃんを呼んでみようか。サマースクールのみんなと一緒にごはん食べるのよ」

と、路代おばさんが提案した。

「あっ、それじゃあ、みんなで昼ごはんを作るってのはどうかな?」

 我ながら、いい事を思いついた。みんなで料理しながら、相手のことを知っていく、なかなかいいじゃないか!

「タンタン、どう思う?」

 タンタンは、丸くなっていた姿勢から急に背筋を伸ばし「ニャン」と鳴いた。

「タンタンも賛成してるみたいだし。ぼく、明日、山田さんに提案してみる」

 サマースクール三日目、ぼくは早速山田さんにみんなで一緒に昼ごはんを作るのを提案してみた。

「午後のレクリエーションも兼ねて、どうかな?って思って」

「おー、それはいい。そう言う積極的な意見は大賛成だ。優斗君のおばあちゃんの都合のいい日にお願いしようかな」

 あと、えっちゃんの予定も合わせなきゃ。

「じゃあ、おばあちゃんに伝えておきます」

「そうだな、今日の昼ごはんの時にお願いしておこうか」

 今日の昼ごはんの時に、ぼくたちはおばあちゃん&路代おばさん(なぜか食堂に来ていた!)に、よろしくお願いしますと頼んだ。路代おばさんは、山田さんをじっくり品定めしているようにも見えた。
 日程は、おばあちゃんの都合のいい日(えっちゃんが予定のない日)と言うことで、また改めて報せることになった。
 サマースクール三日目を終えて、部屋に戻ると、部屋の前でタンタンが待ち受けていた。

「入る?」と尋ねると、細く開けたドアから器用にスルリと入り込む。ぼくは学習机の椅子に座っていると、タンタンが机の上に飛び乗ってきた。

「うまくいくかな、料理…お見合い」

 うまくいくといいなぁ。

「タンタンは、どう思う?」

 タンタンは机の上で香箱を作り始めた。おばあちゃん曰く、香箱を作るポーズは猫がリラックスしている証拠らしい。
 ぼくは、タンタンの背中を撫でながら、昼ごはんのメニューは何になるんだろうな、と思いを馳せていた。




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