14 / 15
二人が気になる猫
しおりを挟む
えっちゃんの家は農家で、色んな野菜を作っている。中でも北海道といえばなんと言ってもジャガイモ、なわけで、えっちゃんは今日、沢山のジャガイモを持って来てくれた。
「おばあちゃん、ジャガイモで何を作るの?」
と、ぼくが聞くと、おばあちゃんは、
「スコップコロッケだよ」と答えた。
「スコップコロッケ!?」
みんな、どんな物だか分かっていない。まぁ、ジャガイモだし、コロッケだし、不味くはならないだろうと期待を込めて、みんな準備を進めていった。
ぼくたちは、まず石けんで手を洗った。「指の間もちゃんと洗ってね」と路代おばさんのチェックが入る。川口そらちゃんは今日が料理デビューだそうで、とても緊張していた。
ジャガイモを最初に水洗いして土を落とすのは、そらちゃんが担当になった。双子の藤田姉妹が、そらちゃんのサポートにまわっている。
「そうそう、そらちゃん上手いよ」
「そうそう、そらちゃん上手いよ」
相変わらず、藤田姉妹のハモりはすごいな。
洗い終わったジャガイモの皮をピーラーで剥くのは、ぼく・川口君・永野君が担当する。「ピーラーで指を怪我しないようにね」と、またまた路代おばさんのチェックが入る。ジャガイモの窪んだ芽の所は毒があるので、ちゃんと取り除くようにした。
皮を剥いたジャガイモを包丁で角切りにしていくのは、山田さんとえっちゃんだ。山田さんは一人暮らしで自炊をしているらしく、包丁を使い慣れており、えっちゃんが感心していた。
「山田さん、手慣れてますね」
「いやぁ、それ程でも」と、山田さんは照れていた。おっ、二人はなかなかいい感じだ。
角切りにしたジャガイモを水に数分浸けてさらした後、耐熱容器にジャガイモを入れて電子レンジでチンした。そのあとジャガイモをつぶす作業は、ぼくたち高学年男子が担当した。ちょっと力がいるんだよね。
それと同時進行で、玉ねぎのみじん切りを山田さんとえっちゃんが担当。みじん切りって難しそうだな、と遠目から眺めていた。だって近づくと、涙が出て来そうだったから。みじん切りは玉ねぎを縦横に切り込みを入れ、最後にタタタタと、えっちゃんが素早く切っていく。
「すごくスピーディーですね」
今度は、山田さんが、えっちゃんに感心していた。
「いえ、それ程でも」
今度は、えっちゃんが照れている。この二人、もしかしてもしかすると、もしかするかもしれないなぁ。
「次は、フライパンでパン粉を炒めてもらいます。簡単だから、そらちゃん、やってみようか?」と、路代おばさん。
そらちゃんは、無言で頷く。フライパンに油を引き、パン粉を投入する。そらちゃんは、慎重にパン粉を炒めている。
「そらちゃんは丁寧に作るねぇ」と、おばあちゃん。
「じゃあ、パン粉は一旦お皿に乗せて、次は挽き肉と、みじん切りにした玉ねぎを炒めます。では、レジェンド」
路代おばさんが、おばあちゃんを呼ぶ。
「何よ、レジェンドって。恥ずかしいじゃない」
と、おばあちゃんは言って、使い慣れたフライパンに塩コショウした挽き肉を炒めた。玉ねぎも一緒に炒めながら、よくテレビで見る中華料理のシェフがやるように、フライパンを前後に揺すって具材が宙を舞う、あの芸当をしてみせた。
「おぉーっ」
「すごい、おばあちゃん!」
なんて歓声が上がって、おばあちゃんはかなり得意気になっている。
炒めた挽き肉と玉ねぎは、潰したジャガイモと混ぜて、深皿に敷き詰められた。その上に、先ほどそらちゃんが炒めてくれたパン粉を乗せ、上からウスターソースがかけられた。
「完成で~す」
「わーい!」
「みんな、食堂に運んでね」
ぼくたちは、食器やお箸、そして、出来たてのスコップコロッケをテーブルまで運んだ。
ちょうどいいタイミングで、タンタンが食堂に入って来た。
「あんたは、こっちよ」
と、おばあちゃんはタンタンのごはんの準備をし始めた。
食卓に座る位置は、路代おばさんが半ば強制的に決めていった。山田さんの隣には当然の事ながら、えっちゃんが座らされた。あれ?でも二人も満更でもないと言うか、話が弾んでる!?
タンタンも猫背の背筋を伸ばして、二人の動向を伺っている。
「えっ!山田さん、彼女いないんですか!?」
えっちゃんは、直球の質問を山田さんに投げかけていた。
何だ、打ち合わせなんて必要なかったじゃないか。やっぱり会話なんて自然が一番なんじゃないの?
ぼくは路代おばさんと目が合った。路代おばさんは、自分のことのように楽しそうに微笑んでいた。
「おばあちゃん、ジャガイモで何を作るの?」
と、ぼくが聞くと、おばあちゃんは、
「スコップコロッケだよ」と答えた。
「スコップコロッケ!?」
みんな、どんな物だか分かっていない。まぁ、ジャガイモだし、コロッケだし、不味くはならないだろうと期待を込めて、みんな準備を進めていった。
ぼくたちは、まず石けんで手を洗った。「指の間もちゃんと洗ってね」と路代おばさんのチェックが入る。川口そらちゃんは今日が料理デビューだそうで、とても緊張していた。
ジャガイモを最初に水洗いして土を落とすのは、そらちゃんが担当になった。双子の藤田姉妹が、そらちゃんのサポートにまわっている。
「そうそう、そらちゃん上手いよ」
「そうそう、そらちゃん上手いよ」
相変わらず、藤田姉妹のハモりはすごいな。
洗い終わったジャガイモの皮をピーラーで剥くのは、ぼく・川口君・永野君が担当する。「ピーラーで指を怪我しないようにね」と、またまた路代おばさんのチェックが入る。ジャガイモの窪んだ芽の所は毒があるので、ちゃんと取り除くようにした。
皮を剥いたジャガイモを包丁で角切りにしていくのは、山田さんとえっちゃんだ。山田さんは一人暮らしで自炊をしているらしく、包丁を使い慣れており、えっちゃんが感心していた。
「山田さん、手慣れてますね」
「いやぁ、それ程でも」と、山田さんは照れていた。おっ、二人はなかなかいい感じだ。
角切りにしたジャガイモを水に数分浸けてさらした後、耐熱容器にジャガイモを入れて電子レンジでチンした。そのあとジャガイモをつぶす作業は、ぼくたち高学年男子が担当した。ちょっと力がいるんだよね。
それと同時進行で、玉ねぎのみじん切りを山田さんとえっちゃんが担当。みじん切りって難しそうだな、と遠目から眺めていた。だって近づくと、涙が出て来そうだったから。みじん切りは玉ねぎを縦横に切り込みを入れ、最後にタタタタと、えっちゃんが素早く切っていく。
「すごくスピーディーですね」
今度は、山田さんが、えっちゃんに感心していた。
「いえ、それ程でも」
今度は、えっちゃんが照れている。この二人、もしかしてもしかすると、もしかするかもしれないなぁ。
「次は、フライパンでパン粉を炒めてもらいます。簡単だから、そらちゃん、やってみようか?」と、路代おばさん。
そらちゃんは、無言で頷く。フライパンに油を引き、パン粉を投入する。そらちゃんは、慎重にパン粉を炒めている。
「そらちゃんは丁寧に作るねぇ」と、おばあちゃん。
「じゃあ、パン粉は一旦お皿に乗せて、次は挽き肉と、みじん切りにした玉ねぎを炒めます。では、レジェンド」
路代おばさんが、おばあちゃんを呼ぶ。
「何よ、レジェンドって。恥ずかしいじゃない」
と、おばあちゃんは言って、使い慣れたフライパンに塩コショウした挽き肉を炒めた。玉ねぎも一緒に炒めながら、よくテレビで見る中華料理のシェフがやるように、フライパンを前後に揺すって具材が宙を舞う、あの芸当をしてみせた。
「おぉーっ」
「すごい、おばあちゃん!」
なんて歓声が上がって、おばあちゃんはかなり得意気になっている。
炒めた挽き肉と玉ねぎは、潰したジャガイモと混ぜて、深皿に敷き詰められた。その上に、先ほどそらちゃんが炒めてくれたパン粉を乗せ、上からウスターソースがかけられた。
「完成で~す」
「わーい!」
「みんな、食堂に運んでね」
ぼくたちは、食器やお箸、そして、出来たてのスコップコロッケをテーブルまで運んだ。
ちょうどいいタイミングで、タンタンが食堂に入って来た。
「あんたは、こっちよ」
と、おばあちゃんはタンタンのごはんの準備をし始めた。
食卓に座る位置は、路代おばさんが半ば強制的に決めていった。山田さんの隣には当然の事ながら、えっちゃんが座らされた。あれ?でも二人も満更でもないと言うか、話が弾んでる!?
タンタンも猫背の背筋を伸ばして、二人の動向を伺っている。
「えっ!山田さん、彼女いないんですか!?」
えっちゃんは、直球の質問を山田さんに投げかけていた。
何だ、打ち合わせなんて必要なかったじゃないか。やっぱり会話なんて自然が一番なんじゃないの?
ぼくは路代おばさんと目が合った。路代おばさんは、自分のことのように楽しそうに微笑んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる