公爵令嬢の婚約解消宣言

宵闇 月

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まずい、まずい、まずい、まずい!!

どうしたらいいのか…

あれからすぐ我に返ったオルフェウスは父である国王の元に行き、起こったことを話た。

そしてアリシアに真実を話すことを許可して欲しいと願い出た。

が、実際はである。

父王も自身のことはともかく、息子のそれを知らないわけではない。

米神に指先をあて、ハァと一つ深い溜息を吐き、王の顔でオルフェウスの願いを退け、父親の顔で頭を冷やしてよくよく考えるよう助言をした。

父王のその対応に無駄を悟ったオルフェウスは頭を下げて謁見室を出た。

だけどそこからもたらされたのは更なる焦りと悲壮感で…

結果、オルフェウスは父王の助言を無視して、早々に城を飛び出した。

そう、アリシアが帰った先。

フェンデル公爵家に向かったのだった。



一方、その頃、フェンデル公爵家ではーー

遡ること数時間前。

泣きながら帰宅したアリシアに屋敷は騒然としていた。

公爵令嬢として、未来の王族として、徹底教育を受けた完璧令嬢が初めて周りを気にせずに感情露わに王城から泣いて帰ったのだ。

オルフェウスに会う為に何時間もかけて準備し着飾ったのに、ドレスには握りしめられた皺がつき、髪型も乱れていた。

そして泣きすぎて真っ赤に腫れた目に崩れた化粧。

公爵家の面々のこの反応は至極当然である。

家令が慌てて両親を呼びに行き、数人のメイドに支えられ促されソファに座る。

泣きじゃくるアリシアの背中をさすりながら目を冷やすように濡らした布を渡しているのは、幼い頃からアリシアに仕えている専属メイドのマリーだ。

「お嬢様!一体何がおありになったのですか?このマリーにお話くださいませ!!」

主人でありながらも実の妹のように想っているアリシアがこんなにも泣いている。

これはマリーにとっては何が何でも理由を知る必要があった。

そして使用人にできることは少なくとも、アリシアをこんなに泣かせた犯人は絶対に許せない。

マリーは何をしてでも犯人に天誅を下すことを心に誓った。

もちろん他の使用人たちも同じ気持ちである。

まさか犯人がオルフェウスだとも思わずに。

そして現在、アリシアを泣かせた犯人が護衛騎士を振り切るようにして、ものすごい勢いでやって来た。

その姿はまさしく猪突猛進であった。
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