12 / 25
12
しおりを挟む
オルフェウスは困っていた。
アリシアの話を聞き、問題はやはりリリーだと、これまたやはり自分のことを棚に上げて、改めてそう思ったからだ。
だけどまずはメイドとのことを分かってもらわなければならない。
城では疑われたショックと慌てたのとでああなったが、ここでしっかり誤解を解かなければと、こっそり気合いを入れる。
実際にメイドとは本当に何もない。
メイドからオルフェウス宛の手紙を受け取る際に、メイドが転びかけたのを支えたところをタイミング悪くアリシアに見られただけだ。
恋愛小説でよくあるすれ違いの鉄板のような事件は、現実にも適用されるらしい。
まぁ、日頃からオルフェウスがきちんとアリシアに気持ちを伝えていればまた違ったのだろうが。
こうしてオルフェウスはメイドとのことを再び説明した。
ーーやっぱりそんなことか。
フェンデル公爵をはじめ、使用人も護衛騎士もそう思い呆れ顔から複雑そうな顔にフェイスチェンジをした。
が、アリシアはやはりそれを信じようとはしない。
アリシアもまた片想いを拗らせ過ぎているのだ。
そして
「仮にそれが真実だとして、それなら例の噂はどのようにご説明されるのですか?それともサリバン伯爵令嬢がいらっしゃるからメイドとそのようなことにはなり得ないとでもおっしゃる気ですか?」
と冷たく言い放った。
オルフェウスは再びのやり取りにまた頭を抱えて口をつぐんだ。
どうやってもリリーのことを口にするわけにはいかず、だからといってこのままでは本当にまずいことになる。
オルフェウスの背中を嫌な汗がつたう。
アリシアの目は鋭くオルフェウスを捉えていた。
どのくらいそうしていたか…
ーーリリーのことは王家の機密だが、それでも!!
何としてでもアリシアの誤解を解きたいオルフェウスが覚悟を決めて顔を上げた。
その時。
意外なことに助け船が出された。
それはアリシアの父、フェンデル公爵だった。
フェンデル公爵は宰相をしている為、リリーの事情を知っている。
その上、オルフェウスが城を飛び出した後、屋敷から早馬が来た時に国王から帰宅の許可と同時にオルフェウスのことを頼まれていたのだ。
なんだかんだ国王も息子を心配する一人の親で、フェンデル公爵もまた娘を心配する親なのである。
フェンデル公爵はアリシアに
「アリシア!殿下になんという物言い!それこそ不敬ではないか!殿下はきちんと説明されておられるではないか!お前が殿下を信じないことも、その噂とやらに振り回されているのも、殿下お一人の責任だとでも言うのか?」
と言い厳しく叱責した。
娘とオルフェウス、両方の気持ちを知るフェンデル公爵なりの親心である。
アリシアの話を聞き、問題はやはりリリーだと、これまたやはり自分のことを棚に上げて、改めてそう思ったからだ。
だけどまずはメイドとのことを分かってもらわなければならない。
城では疑われたショックと慌てたのとでああなったが、ここでしっかり誤解を解かなければと、こっそり気合いを入れる。
実際にメイドとは本当に何もない。
メイドからオルフェウス宛の手紙を受け取る際に、メイドが転びかけたのを支えたところをタイミング悪くアリシアに見られただけだ。
恋愛小説でよくあるすれ違いの鉄板のような事件は、現実にも適用されるらしい。
まぁ、日頃からオルフェウスがきちんとアリシアに気持ちを伝えていればまた違ったのだろうが。
こうしてオルフェウスはメイドとのことを再び説明した。
ーーやっぱりそんなことか。
フェンデル公爵をはじめ、使用人も護衛騎士もそう思い呆れ顔から複雑そうな顔にフェイスチェンジをした。
が、アリシアはやはりそれを信じようとはしない。
アリシアもまた片想いを拗らせ過ぎているのだ。
そして
「仮にそれが真実だとして、それなら例の噂はどのようにご説明されるのですか?それともサリバン伯爵令嬢がいらっしゃるからメイドとそのようなことにはなり得ないとでもおっしゃる気ですか?」
と冷たく言い放った。
オルフェウスは再びのやり取りにまた頭を抱えて口をつぐんだ。
どうやってもリリーのことを口にするわけにはいかず、だからといってこのままでは本当にまずいことになる。
オルフェウスの背中を嫌な汗がつたう。
アリシアの目は鋭くオルフェウスを捉えていた。
どのくらいそうしていたか…
ーーリリーのことは王家の機密だが、それでも!!
何としてでもアリシアの誤解を解きたいオルフェウスが覚悟を決めて顔を上げた。
その時。
意外なことに助け船が出された。
それはアリシアの父、フェンデル公爵だった。
フェンデル公爵は宰相をしている為、リリーの事情を知っている。
その上、オルフェウスが城を飛び出した後、屋敷から早馬が来た時に国王から帰宅の許可と同時にオルフェウスのことを頼まれていたのだ。
なんだかんだ国王も息子を心配する一人の親で、フェンデル公爵もまた娘を心配する親なのである。
フェンデル公爵はアリシアに
「アリシア!殿下になんという物言い!それこそ不敬ではないか!殿下はきちんと説明されておられるではないか!お前が殿下を信じないことも、その噂とやらに振り回されているのも、殿下お一人の責任だとでも言うのか?」
と言い厳しく叱責した。
娘とオルフェウス、両方の気持ちを知るフェンデル公爵なりの親心である。
100
あなたにおすすめの小説
さよなら 大好きな人
小夏 礼
恋愛
女神の娘かもしれない紫の瞳を持つアーリアは、第2王子の婚約者だった。
政略結婚だが、それでもアーリアは第2王子のことが好きだった。
彼にふさわしい女性になるために努力するほど。
しかし、アーリアのそんな気持ちは、
ある日、第2王子によって踏み躙られることになる……
※本編は悲恋です。
※裏話や番外編を読むと本編のイメージが変わりますので、悲恋のままが良い方はご注意ください。
※本編2(+0.5)、裏話1、番外編2の計5(+0.5)話です。
あなたは愛を誓えますか?
縁 遊
恋愛
婚約者と結婚する未来を疑ったことなんて今まで無かった。
だけど、結婚式当日まで私と会話しようとしない婚約者に神様の前で愛は誓えないと思ってしまったのです。
皆さんはこんな感じでも結婚されているんでしょうか?
でも、実は婚約者にも愛を囁けない理由があったのです。
これはすれ違い愛の物語です。
【完結】あなただけがスペアではなくなったから~ある王太子の婚約破棄騒動の顛末~
春風由実
恋愛
「兄上がやらかした──」
その第二王子殿下のお言葉を聞いて、私はもう彼とは過ごせないことを悟りました。
これまで私たちは共にスペアとして学び、そして共にあり続ける未来を描いてきましたけれど。
それは今日で終わり。
彼だけがスペアではなくなってしまったから。
※短編です。完結まで作成済み。
※実験的に一話を短くまとめサクサクと気楽に読めるようにしてみました。逆に読みにくかったら申し訳ない。
※おまけの別視点話は普通の長さです。
あなたへの愛を捨てた日
柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。
しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。
レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。
「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」
エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。
婚約破棄から50年後
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。
そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。
私は愛する人と結婚できなくなったのに、あなたが結婚できると思うの?
あんど もあ
ファンタジー
妹の画策で、第一王子との婚約を解消することになったレイア。
理由は姉への嫌がらせだとしても、妹は王子の結婚を妨害したのだ。
レイアは妹への処罰を伝える。
「あなたも婚約解消しなさい」
幼馴染か私か ~あなたが復縁をお望みなんて驚きですわ~
希猫 ゆうみ
恋愛
ダウエル伯爵家の令嬢レイチェルはコルボーン伯爵家の令息マシューに婚約の延期を言い渡される。
離婚した幼馴染、ブロードベント伯爵家の出戻り令嬢ハリエットの傍に居てあげたいらしい。
反発したレイチェルはその場で婚約を破棄された。
しかも「解放してあげるよ」と何故か上から目線で……
傷付き怒り狂ったレイチェルだったが、評判を聞きつけたメラン伯爵夫人グレース妃から侍女としてのスカウトが舞い込んだ。
メラン伯爵、それは王弟クリストファー殿下である。
伯爵家と言えど王族、格が違う。つまりは王弟妃の侍女だ。
新しい求婚を待つより名誉ある職を選んだレイチェル。
しかし順風満帆な人生を歩み出したレイチェルのもとに『幼馴染思いの優しい(笑止)』マシューが復縁を希望してきて……
【誤字修正のお知らせ】
変換ミスにより重大な誤字がありましたので以下の通り修正いたしました。
ご報告いただきました読者様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
「(誤)主席」→「(正)首席」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる