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《afterstory #02》砂糖菓子のように甘いひと眠り
6.起きないとキスするぞ〈水都〉
しおりを挟む【恋人達に睡眠で6のお題︎︎】お借りしています。
サイト名:TOY/管理人:遊
サイトアドレス:http://toy.ohuda.com/
■■■
「蒼夜ー…って、まだ寝てる…」
ある休日のお昼前。
昨日は夜遅くまで仕事だったらしく、いつも早起きな蒼夜にしては珍しくこんな時間になっても起きてくる気配がない。
気になって蒼夜の部屋を覗いてみると、広々としたダブルベッドの片隅ですやすやと眠るあどけない顔。
きっちり一人分のスペースが空いてるのは、オレがいつでも隣に潜り込めるように、だろう。
穏やかな寝顔と静かな寝室の空気に、蒼夜の隣のスペースがとてつもなく魅力的に見えてくる。
誘惑に負けそうになる自分の気持ちを叱責して、気持ちよさそうに眠る蒼夜に近づいた。
今日は午後から一緒に出かける予定だから、ここは心を鬼にして起こさなくては。
「蒼夜ー?そーうーやー?」
肩を揺すっても、耳元で声をかけても、起きる気配がない。
こんなに目を覚さないだなんて、珍しいこともある。
けれど、そろそろ起こさないと、色々と間に合わない気がする。
「…起きないとチューするぞ」
とろりと甘いチョコレートみたいな瞳がみたくて、思わず呟いた一言。
その途端にいきなり腕を引かれて、眠ってる蒼夜の上に倒れ込んだ。
慌てて起きあがろうともがくけれど、なぜか蒼夜の腕の中から逃れられず…はっと気付いて眠っているはずの蒼夜を見た。
そこには、あの甘い瞳がキラキラと輝いていて。
蒼夜の罠にかかったことを今更ながらに気付いた。
「寝たふりなんてずるい」
逃げられずに悔しいと思いつつ、その甘い瞳がオレだけに向いてることが嬉しくなって、持て余した気持ちのままに拗ねた声がこぼれた。
そんなオレを面白そうに見つめてくる蒼夜。
この男に敵うことなんて一生ないんだろう。
半分寝ぼけたような眼差しととろけるように甘い「おはよう」。
オレの大好きな瞬間。
結局、オレから「おはようのキス」をするまで、蒼夜がベッドから出てくることはなかった。
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