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066 エルベルト通りの七人
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「お目出度う。其奴に名前を付けてやってよ」
「名前ですか?」
「ああ、名前を付けることによってより結びつきが強くなるそうだよ。俺もそうしている。あっ、ファングは此奴だから他にしてね」
グレイの傍らに控えるグレイウルフのファングを見て頷いているが、困ってそうだ。
フェリスが悩んでいるその隙に、テイムしたウルフの治療を頼んでおいた。
フォレストウルフね、フォレはまんまだしレスはちょっと不味いし、ファレ・・・ファル、短くて呼びやすいので・・・
「それじゃファルにします」
思わずずっこけてしまったが、俺の考えを読んだ訳じゃないよな。
スキルにそんなものは無かったし。
「良いんじゃない。其奴にその名で呼んでやりなよ」
「ファル、今日からあんたはファルであたしの相棒だよ」
フェリスの呼びかけに尻尾を緩く振っているので受け入れた様だ。
「フェリス、ファルの鑑定結果結果を教えておくよ。ファル、♀、7才、フォレストウルフ(フェリスの使役獣)火魔法・雷撃魔法・結界魔法、魔力118だよ」
「えっ、三つも魔法が・・・」
改めて鑑定した結果を教えるとびっくりしている。
「魔力が118って、本当ですか!」
「ああ、でも魔力が多くてもそれが魔法に繋がるとは限らないからね」
首を傾げる彼等に少し待ってもらい、もう一頭をテイムする。
何時もの様に淡い光りの紐が見えた気がしてテイム出来た様なので、此方もグレイに治療してもらう。
皆が驚いているが無視して名前なまえ、思いついた名は先に使われちゃったので悩む。
俺が困っているとイザベルが「ウルファにすればどう」と助け船を出してくれたのでウルファに決定。
「お前はウルファ、忘れるなよ」
《お前はウルファ、忘れるなよ。俺はランディス、呼びにくかったらランディで良いぞ》
《ウルファ・・・ランディ・・・シュ》
《暫く大人しく待っていろ》
ちょっと名前がカッターナイフに似ている気がするが、此の世界には無いので良しとする。
年かさの男が進み出ると「パーティー〔エルベルト通りの七人〕のリーダーアルカンだ」と名乗り、フェリスは妹だと紹介されてファルの礼を言われた。
その他にもバルク、セド、コリング、モーガン、サンデイの七人で、多少歳は離れているが、同じエルベルト通りを挟んだ地域で育ち気心が知れているのでパーティーを組んでいると言った。
20頭のウルフは俺のマジックバッグに放り込み、野営に良さそうな場所へ移動して二頭の魔法の確認だ。
グレイに頼み、ウルファに立木にファイヤーボールを射たせてみたが、威力は有るのだが速度が遅くて的を外れた。
ファルも真似てファイヤーボールを射ったが、此方も似たり寄ったりな感じだ。
フェリスやアルカン達は喜んでいるがちょっと心許ない。
2m位の円内に着弾するので、野生では近距離からの攻撃だと思われるので十分通用するのだろうし、さっき見たホーンボアも倒せていた。
だが冒険者と行動を共にするのなら命中率を上げる事と魔力の使い方を教えておいた方が良さそうだ。
それに雷撃と結界魔法もある程度は使える方が良いだろう。
特に結界魔法はパーティー全体の安全に繋がる重要な魔法だ。
「喜んでいる所を悪いが、雷撃と結界を確認しておく必要があるのでもう少し待ってよ」
「その二つも使えるのかい?」
「今から確かめるよ」
「確かめる?」
「今のはウルファの真似をして射った魔法だけど、今度はフェリスが的を指差して射たせてみて」
俺の言葉にフェリスが困惑している。
そりゃそうだろう、今までにテイムした獣は魔法が使えないしテイムの練習の為だったのだろう。
野獣を思い通りに動かす事は考えていなかったはずだ。
判り易い様にグレイを横に立たせると「グレイ、ファイヤーボールだ」と命じる。
予め《グレイ、ファイヤーボールと言ったら魔力一つで指差した方に射つんだぞ》と言い含めている。
そしてファイヤーボールを射ったら、ウルファにも同じ様に射たせろと。
ファルを連れたフェリスを俺の向かいに立たせて、ウルファがファイヤーボールを射ったら同じ方向を指差して射たせろと言ってから、グレイにファイヤーボールを射たせる。
グレイの指示でウルファも同じ様にファイヤーボールを射ったのをみて、フェリスも俺を真似て的を指差して・・・戸惑っている。
「指差して射て、と命じるんだよ。射ったら当たっても当たらなくても取り敢えず褒める事からだな」
フェリスが俺の言葉に頷き、改めて的を指差して「射て!」と命じるが、ファルが首を捻っている。
「ウルファ、射て!」
俺の言葉をグレイが伝えると、ウルファが的に向かってファイヤーボールを射ち出す。
二度三度同じ様に真似させると、ファルも理解した様でフェリスの指示に従ってファイヤーボールを射ち出す様になった。
魔力操作を教えて三つの魔法をある程度使える様にするには時間が掛かりそうだ。
フェリスがファルに魔力操作を教える事は出来ないだろうし、雷撃や結界の使い方も教える事は無理だろうから暫く付き合う事にした。
サイモン達と相談して依頼は完了したので報告に戻るが、俺はアルカン達と合流してテイムした二頭を訓練すると伝えた。
此処からだとハイムントが一番近いのでハイムントに向かい、ホールデンス公爵様のお屋敷で報告をする事にした。
その間にアルカン達七人には、冒険者ギルドでファルの使役獣登録をしてもらう事にした。
ハイムントに到着するまでの六日間は魔法を射たせず、ファルが常にフェリスの傍らを歩く様に訓練させると同時に、常に話しかけて少しでも意思の疎通を図る様に言っておく。
待ての待機から、伏せ、行け、戻れ等の基本訓練だけをひたすら続けさせた。
夜は彼等には内緒でグレイに命じてウルファとファルに魔力操作の練習をやらせた。
ウルファは俺との繋がりからグレイとも言葉が通じるし、ウルファとファルは同い年でどうも兄弟らしく、意外と意思の疎通が出来ている様だった。
そこはリュークと言葉が通じなかったところと違いやり易い。
* * * * * * *
ハイムントの冒険者ギルドには全員で行ったので、アッシュ達だけでも目立つのに総勢14人は目立つなんてものじゃない。。
わざわざ冒険者ギルドまで付き合ったのは、フェリスが連れているファルがテイム済みを証明する手間が省けるのと、俺達と行動を共にすれば俺との繋がりを冒険者達に知らせて、余計な面倒事を防げるとサイモンに言われてだ。
サイモン曰く、俺の持つ身分証はハイムントでは絶対なので「門番も冒険者達も、アッシュ達を見れば誰も何も言わないさ」と笑って教えてくれた。
そしてハイムントに到着した時、アッシュ達に付けたメダルは王国の紋章入りなので、警備兵もアルカン達も驚いていたが何も言われなかった。
ただアルカン達七人の態度が変わり、俺を上位者として接しようとしたので慌てて止めた。
冒険者ギルドから放り出されたとはいえ、俺としては冒険者気分が抜けていないし威張るつもりもない。
冒険者ギルドに到着した時に思いつき、フェリスが使役獣登録をしている間にアルカン達と共に解体場に向かった。
勿論サイモン達も付いてくるのは俺が抱える獲物に興味があるからだ。
アルカン達が並べる野獣はホーンボアやエルクにシープと比較的草原に近い所の獲物ばかりだった。
彼等の並べた横に、フォレストウルフ10頭とオーク三種六頭にベア類二種七頭を置きアルカン達の獲物だと解体係に告げておく。
慌てる彼等には暫くファルの訓練に付き合って貰うので、その間の稼ぎの代わりだと言っておく。
これはファルの訓練に名を借りた、俺の好奇心を満たすものなので譲れない。
その代金で食料を大量に買っておく様にと言うと、エイダやイザベル達が笑って「確り買い込んで食糧不足にならない様にね」と言っている。
その隣りにフォレストウルフやベア類など、捜索中に討伐した獲物を全て並べて、サイモン達の獲物だと解体係に伝えておく。
サイモン達も貰いすぎだと断ってきたが、二頭の訓練が終わったら森の奥へ行く予定なので、持っていても仕方がないと伝えると察した様で、笑って受け取ってもらえた。
査定が終わるまで食堂でエールを飲んでいたが、サイモン達がエールを一口飲むと渋い顔になる。
「お前のエールを飲んでいると、ギルドのエールが如何に安酒かがよく判るな」
「おお、エールに糞不味いポーションを混ぜているんじゃないかと思ったぜ」
「仕方がないわよ。此が私達とランディスとの稼ぎの差よ」
「違いないわね。時々一緒にやりましょうねランディス」
「美味いエールの樽と一緒なら、森の奥でも喜んで行くぞ!」
酒飲みの本音・・・本能丸出しの言葉に苦笑いが出る。
解体係が査定用紙を持って来たので、アルカン達に明日の朝南門の外で待っていると言って別れた。
* * * * * * *
ハイムントのお屋敷の執事サディアスさんに、ファイヤーボールを使うフォレストウルフの群れ討伐完了を報告。
依頼完了報告はホールデンス公爵様にと言われたが、依頼はヘイラート様から受けたので連絡を頼み、報酬は商業ギルドにとお願いしておく。
サイモン達は報告書を提出するので詳しい話を聞きたいと言われて、サディアスさんの補佐が来るまで待つことになり、俺は一足先に公爵邸をお暇した。
* * * * * * *
ランディスを送り出したサディアスが戻ってくると「お館様がお呼びです」と六人をホールデンス公爵の待つ執務室に案内した。
時たまヘイラートとは面談した経験があるが、ホールデンス公爵に呼ばれたのは初めてなので、ガチガチに緊張してホールデンス公爵の前に跪いた。
「ああ、そう緊張しなくても良い。フォレストウルフ二頭を連れ戻ったと聞いたので、詳しく聞きたくてな」
サイモンが代表して、捜索中のフォレストウルフのものらしきファイヤーボールの破裂音を耳にした時からの一部始終を報告した。
「名前ですか?」
「ああ、名前を付けることによってより結びつきが強くなるそうだよ。俺もそうしている。あっ、ファングは此奴だから他にしてね」
グレイの傍らに控えるグレイウルフのファングを見て頷いているが、困ってそうだ。
フェリスが悩んでいるその隙に、テイムしたウルフの治療を頼んでおいた。
フォレストウルフね、フォレはまんまだしレスはちょっと不味いし、ファレ・・・ファル、短くて呼びやすいので・・・
「それじゃファルにします」
思わずずっこけてしまったが、俺の考えを読んだ訳じゃないよな。
スキルにそんなものは無かったし。
「良いんじゃない。其奴にその名で呼んでやりなよ」
「ファル、今日からあんたはファルであたしの相棒だよ」
フェリスの呼びかけに尻尾を緩く振っているので受け入れた様だ。
「フェリス、ファルの鑑定結果結果を教えておくよ。ファル、♀、7才、フォレストウルフ(フェリスの使役獣)火魔法・雷撃魔法・結界魔法、魔力118だよ」
「えっ、三つも魔法が・・・」
改めて鑑定した結果を教えるとびっくりしている。
「魔力が118って、本当ですか!」
「ああ、でも魔力が多くてもそれが魔法に繋がるとは限らないからね」
首を傾げる彼等に少し待ってもらい、もう一頭をテイムする。
何時もの様に淡い光りの紐が見えた気がしてテイム出来た様なので、此方もグレイに治療してもらう。
皆が驚いているが無視して名前なまえ、思いついた名は先に使われちゃったので悩む。
俺が困っているとイザベルが「ウルファにすればどう」と助け船を出してくれたのでウルファに決定。
「お前はウルファ、忘れるなよ」
《お前はウルファ、忘れるなよ。俺はランディス、呼びにくかったらランディで良いぞ》
《ウルファ・・・ランディ・・・シュ》
《暫く大人しく待っていろ》
ちょっと名前がカッターナイフに似ている気がするが、此の世界には無いので良しとする。
年かさの男が進み出ると「パーティー〔エルベルト通りの七人〕のリーダーアルカンだ」と名乗り、フェリスは妹だと紹介されてファルの礼を言われた。
その他にもバルク、セド、コリング、モーガン、サンデイの七人で、多少歳は離れているが、同じエルベルト通りを挟んだ地域で育ち気心が知れているのでパーティーを組んでいると言った。
20頭のウルフは俺のマジックバッグに放り込み、野営に良さそうな場所へ移動して二頭の魔法の確認だ。
グレイに頼み、ウルファに立木にファイヤーボールを射たせてみたが、威力は有るのだが速度が遅くて的を外れた。
ファルも真似てファイヤーボールを射ったが、此方も似たり寄ったりな感じだ。
フェリスやアルカン達は喜んでいるがちょっと心許ない。
2m位の円内に着弾するので、野生では近距離からの攻撃だと思われるので十分通用するのだろうし、さっき見たホーンボアも倒せていた。
だが冒険者と行動を共にするのなら命中率を上げる事と魔力の使い方を教えておいた方が良さそうだ。
それに雷撃と結界魔法もある程度は使える方が良いだろう。
特に結界魔法はパーティー全体の安全に繋がる重要な魔法だ。
「喜んでいる所を悪いが、雷撃と結界を確認しておく必要があるのでもう少し待ってよ」
「その二つも使えるのかい?」
「今から確かめるよ」
「確かめる?」
「今のはウルファの真似をして射った魔法だけど、今度はフェリスが的を指差して射たせてみて」
俺の言葉にフェリスが困惑している。
そりゃそうだろう、今までにテイムした獣は魔法が使えないしテイムの練習の為だったのだろう。
野獣を思い通りに動かす事は考えていなかったはずだ。
判り易い様にグレイを横に立たせると「グレイ、ファイヤーボールだ」と命じる。
予め《グレイ、ファイヤーボールと言ったら魔力一つで指差した方に射つんだぞ》と言い含めている。
そしてファイヤーボールを射ったら、ウルファにも同じ様に射たせろと。
ファルを連れたフェリスを俺の向かいに立たせて、ウルファがファイヤーボールを射ったら同じ方向を指差して射たせろと言ってから、グレイにファイヤーボールを射たせる。
グレイの指示でウルファも同じ様にファイヤーボールを射ったのをみて、フェリスも俺を真似て的を指差して・・・戸惑っている。
「指差して射て、と命じるんだよ。射ったら当たっても当たらなくても取り敢えず褒める事からだな」
フェリスが俺の言葉に頷き、改めて的を指差して「射て!」と命じるが、ファルが首を捻っている。
「ウルファ、射て!」
俺の言葉をグレイが伝えると、ウルファが的に向かってファイヤーボールを射ち出す。
二度三度同じ様に真似させると、ファルも理解した様でフェリスの指示に従ってファイヤーボールを射ち出す様になった。
魔力操作を教えて三つの魔法をある程度使える様にするには時間が掛かりそうだ。
フェリスがファルに魔力操作を教える事は出来ないだろうし、雷撃や結界の使い方も教える事は無理だろうから暫く付き合う事にした。
サイモン達と相談して依頼は完了したので報告に戻るが、俺はアルカン達と合流してテイムした二頭を訓練すると伝えた。
此処からだとハイムントが一番近いのでハイムントに向かい、ホールデンス公爵様のお屋敷で報告をする事にした。
その間にアルカン達七人には、冒険者ギルドでファルの使役獣登録をしてもらう事にした。
ハイムントに到着するまでの六日間は魔法を射たせず、ファルが常にフェリスの傍らを歩く様に訓練させると同時に、常に話しかけて少しでも意思の疎通を図る様に言っておく。
待ての待機から、伏せ、行け、戻れ等の基本訓練だけをひたすら続けさせた。
夜は彼等には内緒でグレイに命じてウルファとファルに魔力操作の練習をやらせた。
ウルファは俺との繋がりからグレイとも言葉が通じるし、ウルファとファルは同い年でどうも兄弟らしく、意外と意思の疎通が出来ている様だった。
そこはリュークと言葉が通じなかったところと違いやり易い。
* * * * * * *
ハイムントの冒険者ギルドには全員で行ったので、アッシュ達だけでも目立つのに総勢14人は目立つなんてものじゃない。。
わざわざ冒険者ギルドまで付き合ったのは、フェリスが連れているファルがテイム済みを証明する手間が省けるのと、俺達と行動を共にすれば俺との繋がりを冒険者達に知らせて、余計な面倒事を防げるとサイモンに言われてだ。
サイモン曰く、俺の持つ身分証はハイムントでは絶対なので「門番も冒険者達も、アッシュ達を見れば誰も何も言わないさ」と笑って教えてくれた。
そしてハイムントに到着した時、アッシュ達に付けたメダルは王国の紋章入りなので、警備兵もアルカン達も驚いていたが何も言われなかった。
ただアルカン達七人の態度が変わり、俺を上位者として接しようとしたので慌てて止めた。
冒険者ギルドから放り出されたとはいえ、俺としては冒険者気分が抜けていないし威張るつもりもない。
冒険者ギルドに到着した時に思いつき、フェリスが使役獣登録をしている間にアルカン達と共に解体場に向かった。
勿論サイモン達も付いてくるのは俺が抱える獲物に興味があるからだ。
アルカン達が並べる野獣はホーンボアやエルクにシープと比較的草原に近い所の獲物ばかりだった。
彼等の並べた横に、フォレストウルフ10頭とオーク三種六頭にベア類二種七頭を置きアルカン達の獲物だと解体係に告げておく。
慌てる彼等には暫くファルの訓練に付き合って貰うので、その間の稼ぎの代わりだと言っておく。
これはファルの訓練に名を借りた、俺の好奇心を満たすものなので譲れない。
その代金で食料を大量に買っておく様にと言うと、エイダやイザベル達が笑って「確り買い込んで食糧不足にならない様にね」と言っている。
その隣りにフォレストウルフやベア類など、捜索中に討伐した獲物を全て並べて、サイモン達の獲物だと解体係に伝えておく。
サイモン達も貰いすぎだと断ってきたが、二頭の訓練が終わったら森の奥へ行く予定なので、持っていても仕方がないと伝えると察した様で、笑って受け取ってもらえた。
査定が終わるまで食堂でエールを飲んでいたが、サイモン達がエールを一口飲むと渋い顔になる。
「お前のエールを飲んでいると、ギルドのエールが如何に安酒かがよく判るな」
「おお、エールに糞不味いポーションを混ぜているんじゃないかと思ったぜ」
「仕方がないわよ。此が私達とランディスとの稼ぎの差よ」
「違いないわね。時々一緒にやりましょうねランディス」
「美味いエールの樽と一緒なら、森の奥でも喜んで行くぞ!」
酒飲みの本音・・・本能丸出しの言葉に苦笑いが出る。
解体係が査定用紙を持って来たので、アルカン達に明日の朝南門の外で待っていると言って別れた。
* * * * * * *
ハイムントのお屋敷の執事サディアスさんに、ファイヤーボールを使うフォレストウルフの群れ討伐完了を報告。
依頼完了報告はホールデンス公爵様にと言われたが、依頼はヘイラート様から受けたので連絡を頼み、報酬は商業ギルドにとお願いしておく。
サイモン達は報告書を提出するので詳しい話を聞きたいと言われて、サディアスさんの補佐が来るまで待つことになり、俺は一足先に公爵邸をお暇した。
* * * * * * *
ランディスを送り出したサディアスが戻ってくると「お館様がお呼びです」と六人をホールデンス公爵の待つ執務室に案内した。
時たまヘイラートとは面談した経験があるが、ホールデンス公爵に呼ばれたのは初めてなので、ガチガチに緊張してホールデンス公爵の前に跪いた。
「ああ、そう緊張しなくても良い。フォレストウルフ二頭を連れ戻ったと聞いたので、詳しく聞きたくてな」
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