53 / 91
053 二枚のカード
しおりを挟む
食糧調達を済ませ明日には王都から出ようと思っているところへ、思わぬ訪問者が現れた。
「どうしたのですか、セイオス様」
「アラド殿は今、王都ではちょとした時の人となっていますよ。父からの伝言です、大聖堂の件で明日屋敷までお越し願いたいとの事です」
「あれは王家に丸投げした筈なんだけど・・・」
「父が嘆いてましたよ、後始末が大変だって」
「で、時の人って何の事?」
「冒険者ギルドに、王家の耳が居る事は御存知ですよね」
「王家以外もね」
セイオスが苦笑いしながら肩を竦める。
「噂の元はギルマスなんですが、レッドビーを探しに森の奥へ行った者がいるとね。彼等が帰ってきたのは良いが、ギルマスが騒ぎ立てた事に腹を立てた冒険者が、獲物を何一つ出さなかったと・・・今や王都中の貴族や大商人達が、レッドビーの蜜を求めて右往左往しているそうですよ」
あの馬鹿! だから騒ぐなと言っているのに喚くから知れ渡るんだ、少しは冒険者の事も考えろよと言いたい。
「何せ、ティーカップ一杯のお茶と同じ分量で銀貨7枚と言われてますが、常に品薄で倍以上で購おうって者が多数いますから」
隣でサランが食べているパンに、塗られているのがレッドビーの蜜だとは知らずにセイオスが小声で話す。
サランがパンに塗られた蜜を繁々と見ていたが、お値段よりも食欲に負けて口に入れている。
俺も教えていなかったので、何時も食べている蜜がそれ程高い物とは知らなかったからな。
どのみちお茶に入れる砂糖代わりに収穫した物だし、世間相場がどうであろうと関係ない。
美味しいお茶に入れたり、クッキーやパンに塗るための物だからしーらねっ。
・・・・・・
翌朝、ホテルに横付けされたカリンガル伯爵家の馬車に乗り込む。
ホテルの支配人が、馬車を最敬礼でお見送りしてくれるのがこそばゆい。
中堅ホテルのちょい上クラス、貴族の馬車がお迎えに来るなんてのは支配人にとっては一生一度の出来事だろう。
俺も貴族とは縁なき存在なんだけどなぁ、創造神ウルブァ様にも(健康で安心安全な生活が送れる魔法をお授け下さい)ってお祈りしたのに、安心安全・・・とはちょっと違う生活の様な気がする。
迎えの馬車は貴族街を抜けカリンガル伯爵邸に滑り込んで行くが、正門から入って行く。
又、執事とメイドのお出迎えかと思うと気が重くなってくる。
通されたのはサロンでカリンガル伯爵とセイオスに・・・何でグルマン宰相が居るのよ。
嫌そうな顔の俺を見て、グルマン宰相がソファーを進めて口を開く。
「アラド殿、君の希望通り教会に従属させられていた、治癒魔法師と薬師に鑑定使い全員の解放が終わった。彼等は王国の身分証を貰い王国や貴族に仕える者、故郷や各街に住まう者達と自由に生活出来る様にした。又、授けの儀で有益な魔法を授かった者には、王国の身分証を与え生活と職業の自由を保障する体制を整える事が出来た。王国として深く感謝する」
「それは、良かったですねー」
完璧な棒読みになったが、王家も国政から宗教的な制約を取り払えたのは大きいので、感謝の言葉くらいは寄越すだろう。
「表だって君を貴族に取り立てたり褒美を与える訳にもいかないし、君もそれを望まないのは判っている。何か希望はあるかね」
「何も有りませんから、気にしないで下さい」
「まぁ、そう言うだろうと思ったが一つ受け取って貰いたい物がある。サブラン公爵は隠居の身となり、公爵家は君が治療したオルト・サブランが後を継いだ。彼から公爵家を救って貰った謝礼として、金貨2,000枚と此れを渡して欲しいと預かっている」
グルマン宰相の合図で、宰相の侍従が金貨の袋を乗せたワゴンと、トレーに乗せた2枚のカードを差し出す。
「サブラン公爵家家臣の様な扱いになるが、公爵家の高位家臣の地位を示す身分証だ、自由に使ってくれと言っているので受け取ってやってくれ」
躊躇う俺に、カリンガル伯爵様が、街の出入りやホテルに泊まるときに役立つから持っていなさいと笑って言う。
それに、此れから何かと煩くなるので、虫除けにも役立つだろうと言って自分の執事にも頷いている。
彼も又トレーを捧げ持って俺も前に立つが、此れも2枚のカードが乗せられている。
サブラン公爵家の身分証では使い難い事も有るだろうから、それも自由に使ってくれと言われてゲンナリしてしまった。
有って困る物でもないし、礼を言って貰うことにした。
どうせ食料補給の時の街の出入りにしか役に立たないと思うが、多少はホテルの部屋も良いものが確保できるだろう。
お茶を出されて寛いでいると、伯爵様が咳払いをして一つ頼みが有るのだと切り出された。
「先程グルマン宰相殿も言われた冒険者ギルドでの一件の事だが、レッドビーの蜜を持っているのなら譲って欲しい。と、王家から君に伝えてくれと言われてね。以前、私が払ったと同じ値段で良ければ支払う用意があると言っているのだが、どうかね」
伯爵様、此れから何かと煩くなるって言ったその口で蜜が欲しいって・・・
まぁ、伯爵様は王家の頼みを断れないのだから、伝言係に徹する気の様でそれ以上は何も言わない。
金は腐るほど有るけど、身分証の謝礼代わりに少し渡しておくことにした。
金貨の袋を乗せていたワゴンに寸胴一つと壺を四つ乗せた。
「多少不純物が混じっていますが、大きな容器は王家に、壺は伯爵様とサブラン公爵様へ身分証のお礼です」
そう言って頭を下げたが、寸胴には八分目程レッドビーの蜜が入っていて甘い匂いを振りまいている。
以前伯爵様に渡したのは寸胴に1/3強、四分目程入っていたので今回は丁度倍程度のお値段になる。
「此れほどの量を出して、大丈夫なのかね」
「自分達で使う分は、たっぷり確保していますから大丈夫ですよ」
「後学の為に聞かせて欲しいが、どれ位持っているのかね」
グルマン宰相が興味深げに聞いてくる。
「その寸胴十個分以上ですね。元々蜂自体が大きいので巣もちょっとした小屋以上の大きさですので、蜜も大量に採れます」
そう言ってレッドビーを寸胴の隣に置き、蜂の巨大さを実感させる。
「ほう、大きい蜂とは聞いていたが、レッドビーの由来は翅の色からきているのか」
「私の領地でもレッドビーの蜜を採取していたが、アスフォールの巣は小さかったのかね」
「アスフォールの街の巣も大きかったですよ。あの時は、蜜の採取方法が稚拙でしたので少なかっただけです。巣の場所はアスフォールの冒険者なら皆知ってますが、この大きさの蜂が大量に襲い掛かって来ますから、収穫は困難を極めるんです。蜜採取専用の装備ですと野獣に対応出来ませんので」
「だが、時々冒険者達が蜜を採取してきて、オークションに出品しているではないか」
「寸胴一杯も無いでしょう。巣に辿り着く迄が大変ですし、巣を切り取って蜜の詰まった部分を持ち出しても。万を越える蜂に群がられてはねぇ。専用の装備をもってしても、おいそれとは採取出来ないのですよ」
「君なら専用の装備は要らないから、採取は簡単だと思うが」
冒険者は手の内を晒さないのが基本、肩を竦めてノーコメント。
万を越える蜂に群がられる気持ち悪さを説明しても、判って貰えるとも思えないし。
・・・・・・
少しはマシなホテルに泊まることも出来るので、そんな時の為に冒険者に見えない街着を用意することにした。
こんな時には商業ギルドが便利、王都の商業ギルドは始めてだから冒険者スタイルの俺達への扱いはぞんざいだ。
早速サブラン公爵の身分証と、公爵家の紋章入り金貨の袋を二つほどカウンターに乗せる。
公爵家の身分証より、金貨の袋の方が効き目が有ったね。
即座に態度が変わり、御用命を賜りますと揉み手をせんばかりに聞いてくる。
機織り蜘蛛の生地で服を作りたいと告げると、上客専用と見られる個室に案内された。
係りの者に要望を聞かれ、機織り蜘蛛の生地で服を作り市場や街の商店で買い物をしたり、少しマシなホテルに泊まるのに不都合の無い物が欲しいと告げる。
但し、装飾はなるべく簡素にし目立たないことを優先させ、左右のポケットにはお財布ポーチとマジックポーチを仕込めるようにと頼む。
魔法付与は、魔法攻撃防御,防刃打撃防御に体温調節機能を付与すると注文した。
俺の注文を聞いていて、見本帳を持つ者の目付きが段々と変わってくる。
俺は上下一式と、短靴でなく目立たないブーツを頼み、サランはパンツと裾が長めのチェニック風上着にワンピースと俺と同じ様なブーツを注文する。
俺の物は、上下一式にフード付きローブとブーツで、総額1,800万ダーラ。
サランが、フード付きチェニックにパンツとワンピースにローブとブーツで2,850万ダーラ。
縫製料は二人で400万ダーラ支払ったから、ウインザの街より少し安く仕上がった。
総額50,500,000ダーラ、ウインザを思い出したので支払いはエコライ伯爵の紋章入り革袋五つと金貨五枚で支払う。
サブラン公爵の身分証を見せて、支払いがエコライ伯爵の革袋なのでちょっと怪訝な顔をされたが、金貨に変わりはないのであっさりと受け入れた。
数が多いので引き渡しは二週間後となり、暫く王都に滞在することになってしまった。
サランは食糧補給の合間に嬉々としてお茶や菓子類を仕入れて空間収納にせっせと溜め込んでいるが、俺がサランの弟に見られることには閉口した。
確かにサランより2才年下だし背も低いが、サランは俺の事をアラド様と様付けで呼んでいるのに、何故弟なのか解せぬ。
「どうしたのですか、セイオス様」
「アラド殿は今、王都ではちょとした時の人となっていますよ。父からの伝言です、大聖堂の件で明日屋敷までお越し願いたいとの事です」
「あれは王家に丸投げした筈なんだけど・・・」
「父が嘆いてましたよ、後始末が大変だって」
「で、時の人って何の事?」
「冒険者ギルドに、王家の耳が居る事は御存知ですよね」
「王家以外もね」
セイオスが苦笑いしながら肩を竦める。
「噂の元はギルマスなんですが、レッドビーを探しに森の奥へ行った者がいるとね。彼等が帰ってきたのは良いが、ギルマスが騒ぎ立てた事に腹を立てた冒険者が、獲物を何一つ出さなかったと・・・今や王都中の貴族や大商人達が、レッドビーの蜜を求めて右往左往しているそうですよ」
あの馬鹿! だから騒ぐなと言っているのに喚くから知れ渡るんだ、少しは冒険者の事も考えろよと言いたい。
「何せ、ティーカップ一杯のお茶と同じ分量で銀貨7枚と言われてますが、常に品薄で倍以上で購おうって者が多数いますから」
隣でサランが食べているパンに、塗られているのがレッドビーの蜜だとは知らずにセイオスが小声で話す。
サランがパンに塗られた蜜を繁々と見ていたが、お値段よりも食欲に負けて口に入れている。
俺も教えていなかったので、何時も食べている蜜がそれ程高い物とは知らなかったからな。
どのみちお茶に入れる砂糖代わりに収穫した物だし、世間相場がどうであろうと関係ない。
美味しいお茶に入れたり、クッキーやパンに塗るための物だからしーらねっ。
・・・・・・
翌朝、ホテルに横付けされたカリンガル伯爵家の馬車に乗り込む。
ホテルの支配人が、馬車を最敬礼でお見送りしてくれるのがこそばゆい。
中堅ホテルのちょい上クラス、貴族の馬車がお迎えに来るなんてのは支配人にとっては一生一度の出来事だろう。
俺も貴族とは縁なき存在なんだけどなぁ、創造神ウルブァ様にも(健康で安心安全な生活が送れる魔法をお授け下さい)ってお祈りしたのに、安心安全・・・とはちょっと違う生活の様な気がする。
迎えの馬車は貴族街を抜けカリンガル伯爵邸に滑り込んで行くが、正門から入って行く。
又、執事とメイドのお出迎えかと思うと気が重くなってくる。
通されたのはサロンでカリンガル伯爵とセイオスに・・・何でグルマン宰相が居るのよ。
嫌そうな顔の俺を見て、グルマン宰相がソファーを進めて口を開く。
「アラド殿、君の希望通り教会に従属させられていた、治癒魔法師と薬師に鑑定使い全員の解放が終わった。彼等は王国の身分証を貰い王国や貴族に仕える者、故郷や各街に住まう者達と自由に生活出来る様にした。又、授けの儀で有益な魔法を授かった者には、王国の身分証を与え生活と職業の自由を保障する体制を整える事が出来た。王国として深く感謝する」
「それは、良かったですねー」
完璧な棒読みになったが、王家も国政から宗教的な制約を取り払えたのは大きいので、感謝の言葉くらいは寄越すだろう。
「表だって君を貴族に取り立てたり褒美を与える訳にもいかないし、君もそれを望まないのは判っている。何か希望はあるかね」
「何も有りませんから、気にしないで下さい」
「まぁ、そう言うだろうと思ったが一つ受け取って貰いたい物がある。サブラン公爵は隠居の身となり、公爵家は君が治療したオルト・サブランが後を継いだ。彼から公爵家を救って貰った謝礼として、金貨2,000枚と此れを渡して欲しいと預かっている」
グルマン宰相の合図で、宰相の侍従が金貨の袋を乗せたワゴンと、トレーに乗せた2枚のカードを差し出す。
「サブラン公爵家家臣の様な扱いになるが、公爵家の高位家臣の地位を示す身分証だ、自由に使ってくれと言っているので受け取ってやってくれ」
躊躇う俺に、カリンガル伯爵様が、街の出入りやホテルに泊まるときに役立つから持っていなさいと笑って言う。
それに、此れから何かと煩くなるので、虫除けにも役立つだろうと言って自分の執事にも頷いている。
彼も又トレーを捧げ持って俺も前に立つが、此れも2枚のカードが乗せられている。
サブラン公爵家の身分証では使い難い事も有るだろうから、それも自由に使ってくれと言われてゲンナリしてしまった。
有って困る物でもないし、礼を言って貰うことにした。
どうせ食料補給の時の街の出入りにしか役に立たないと思うが、多少はホテルの部屋も良いものが確保できるだろう。
お茶を出されて寛いでいると、伯爵様が咳払いをして一つ頼みが有るのだと切り出された。
「先程グルマン宰相殿も言われた冒険者ギルドでの一件の事だが、レッドビーの蜜を持っているのなら譲って欲しい。と、王家から君に伝えてくれと言われてね。以前、私が払ったと同じ値段で良ければ支払う用意があると言っているのだが、どうかね」
伯爵様、此れから何かと煩くなるって言ったその口で蜜が欲しいって・・・
まぁ、伯爵様は王家の頼みを断れないのだから、伝言係に徹する気の様でそれ以上は何も言わない。
金は腐るほど有るけど、身分証の謝礼代わりに少し渡しておくことにした。
金貨の袋を乗せていたワゴンに寸胴一つと壺を四つ乗せた。
「多少不純物が混じっていますが、大きな容器は王家に、壺は伯爵様とサブラン公爵様へ身分証のお礼です」
そう言って頭を下げたが、寸胴には八分目程レッドビーの蜜が入っていて甘い匂いを振りまいている。
以前伯爵様に渡したのは寸胴に1/3強、四分目程入っていたので今回は丁度倍程度のお値段になる。
「此れほどの量を出して、大丈夫なのかね」
「自分達で使う分は、たっぷり確保していますから大丈夫ですよ」
「後学の為に聞かせて欲しいが、どれ位持っているのかね」
グルマン宰相が興味深げに聞いてくる。
「その寸胴十個分以上ですね。元々蜂自体が大きいので巣もちょっとした小屋以上の大きさですので、蜜も大量に採れます」
そう言ってレッドビーを寸胴の隣に置き、蜂の巨大さを実感させる。
「ほう、大きい蜂とは聞いていたが、レッドビーの由来は翅の色からきているのか」
「私の領地でもレッドビーの蜜を採取していたが、アスフォールの巣は小さかったのかね」
「アスフォールの街の巣も大きかったですよ。あの時は、蜜の採取方法が稚拙でしたので少なかっただけです。巣の場所はアスフォールの冒険者なら皆知ってますが、この大きさの蜂が大量に襲い掛かって来ますから、収穫は困難を極めるんです。蜜採取専用の装備ですと野獣に対応出来ませんので」
「だが、時々冒険者達が蜜を採取してきて、オークションに出品しているではないか」
「寸胴一杯も無いでしょう。巣に辿り着く迄が大変ですし、巣を切り取って蜜の詰まった部分を持ち出しても。万を越える蜂に群がられてはねぇ。専用の装備をもってしても、おいそれとは採取出来ないのですよ」
「君なら専用の装備は要らないから、採取は簡単だと思うが」
冒険者は手の内を晒さないのが基本、肩を竦めてノーコメント。
万を越える蜂に群がられる気持ち悪さを説明しても、判って貰えるとも思えないし。
・・・・・・
少しはマシなホテルに泊まることも出来るので、そんな時の為に冒険者に見えない街着を用意することにした。
こんな時には商業ギルドが便利、王都の商業ギルドは始めてだから冒険者スタイルの俺達への扱いはぞんざいだ。
早速サブラン公爵の身分証と、公爵家の紋章入り金貨の袋を二つほどカウンターに乗せる。
公爵家の身分証より、金貨の袋の方が効き目が有ったね。
即座に態度が変わり、御用命を賜りますと揉み手をせんばかりに聞いてくる。
機織り蜘蛛の生地で服を作りたいと告げると、上客専用と見られる個室に案内された。
係りの者に要望を聞かれ、機織り蜘蛛の生地で服を作り市場や街の商店で買い物をしたり、少しマシなホテルに泊まるのに不都合の無い物が欲しいと告げる。
但し、装飾はなるべく簡素にし目立たないことを優先させ、左右のポケットにはお財布ポーチとマジックポーチを仕込めるようにと頼む。
魔法付与は、魔法攻撃防御,防刃打撃防御に体温調節機能を付与すると注文した。
俺の注文を聞いていて、見本帳を持つ者の目付きが段々と変わってくる。
俺は上下一式と、短靴でなく目立たないブーツを頼み、サランはパンツと裾が長めのチェニック風上着にワンピースと俺と同じ様なブーツを注文する。
俺の物は、上下一式にフード付きローブとブーツで、総額1,800万ダーラ。
サランが、フード付きチェニックにパンツとワンピースにローブとブーツで2,850万ダーラ。
縫製料は二人で400万ダーラ支払ったから、ウインザの街より少し安く仕上がった。
総額50,500,000ダーラ、ウインザを思い出したので支払いはエコライ伯爵の紋章入り革袋五つと金貨五枚で支払う。
サブラン公爵の身分証を見せて、支払いがエコライ伯爵の革袋なのでちょっと怪訝な顔をされたが、金貨に変わりはないのであっさりと受け入れた。
数が多いので引き渡しは二週間後となり、暫く王都に滞在することになってしまった。
サランは食糧補給の合間に嬉々としてお茶や菓子類を仕入れて空間収納にせっせと溜め込んでいるが、俺がサランの弟に見られることには閉口した。
確かにサランより2才年下だし背も低いが、サランは俺の事をアラド様と様付けで呼んでいるのに、何故弟なのか解せぬ。
157
あなたにおすすめの小説
魔法学校の落ちこぼれ
梨香
ファンタジー
昔、偉大な魔法使いがいた。シラス王国の危機に突然現れて、強力な魔法で国を救った。アシュレイという青年は国王の懇願で十数年を首都で過ごしたが、忽然と姿を消した。数人の弟子が、残された魔法書を基にアシュレイ魔法学校を創立した。それから300年後、貧しい農村の少年フィンは、税金が払えず家を追い出されそうになる。フィンはアシュレイ魔法学校の入学試験の巡回が来るのを知る。「魔法学校に入学できたら、家族は家を追い出されない」魔法使いの素質のある子供を発掘しようと、マキシム王は魔法学校に入学した生徒の家族には免税特権を与えていたのだ。フィンは一か八かで受験する。ギリギリの成績で合格したフィンは「落ちこぼれ」と一部の貴族から馬鹿にされる。
しかし、何人か友人もできて、頑張って魔法学校で勉強に励む。
『落ちこぼれ』と馬鹿にされていたフィンの成長物語です。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる