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066 犯罪者認定
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解体主任から渡された査定用紙には、オークキング一体450.000ダーラ。
「アキュラ、あれを討伐したのはお前か? それともパーティーとして討伐したのか?」
パーティーとしてと言おうとしたら、皆無関係を装い素知らぬ顔をしている。
「えーっと、まぁ1人でかな」
「何時、何処でだ」
「そんな事まで申告しなきゃならないの」
「馬鹿! あんなのがこの近くで討伐されたのなら、もっと多くのオークが居るはずだから、警報を出さなくちゃならんのだ」
「なら大丈夫ですよ。フランドル領ハランドの街から西へ10日以上行った森の中でしたから」
「何時だ?」
「一年以上前だよ」
そう言うとほっとした顔になったが、次は冒険者カードを出せと言い出した。
ギルド職員に冒険者カードの提示を求められたら拒否出来ないので、渋々カードを差し出す。
「何だ・・・登録して二年もなるのに未だアイアンか、それでオークキングを持って来るなんて非常識な奴だな。ちょっと待ってろ」
「アキュラはギルマス権限でブロンズだな」
「シルバーでしょう。オークキングとシルバータイガーを討伐しているのよ」
「それも二体とも無傷だからな」
「おまけに模擬戦で、ゴールドランクを二人も叩きのめしたんだ」
帰って来たギルマスが「お前は今日からシルバーランクだ」と言ってカードを返してくれた。
別にランクアップの必要は無いのにね。
アリシアとメリンダには野暮用が出来たので魔法の練習は明日と告げ、草原の牙が収容されている警備隊詰め所へ行く。
・・・・・・
警備隊詰め所で、預けた草原の牙八人から少し聞きたい事が有ると告げる。
ボルヘンの身分証を見ているので、頭ごなしに拒否はしないが渋るので俺の身分証を見せる。
ボルヘンと同じ王家の紋章入りだが王国査察官のもの、貴族も迂闊に逆らえない優れ物。
綺麗な敬礼の後は何も言わずに俺の指示に従ってくれた。
取調室では狭いので別室を借り、八人全員を結界で包み込み車座に座らせるが好き勝手を言っている。
〈おい、勝負に負けて身ぐるみ剥いだら用無しだろうが。俺達が警備隊に捕らえられる謂れは無いぞ!〉
〈兵隊さん達よぉ~、俺達は何故縛られているんだ?〉
〈真面目な冒険者に酷い扱いじゃねえか〉
〈この訳の判らない物はなんだ? 出せよチビ助!〉
剥ぎ取った奴等の衣服をマジックポーチから取り出し、それぞれの前に投げる。
上着を広げ、包み込んだ持ち物の中からマジックポーチを取りだして奴等に見せる。
「稼ぎの悪い冒険者パーティーのくせに、マジックポーチ持ちが五人もいるとはね」
その一言で文句を言っていた奴等がピタリと黙り込む。
俺の言葉の意味は良く判っているようだが、往生際が悪い。
「持ち主は使用者登録を外してもらおうか、素直に従った方が身のためだぞ」
〈よう警備隊の兵隊さんよぉ、マジックポーチの使用者登録を外せって言っているが、あんた等に何の権限が在って言ってるんだ〉
「間違えないでね、俺が外せって言っているんだ。嫌ならこんがりと焼いてやるぞ」
俺を娼館に売ると言った男のバリア内にフレイムを浮かべる。
〈ケッ、こんなちっこいフレイム如きで俺達が・・・おいおい、何だよこれは〉
次々と現れるフレイムに驚いているが、驚くのは未だ早い。
十数個のフレイムに囲まれて汗を流す男の鼻に、フレイムを乗せてやる。
〈うわっちちち〉〈エッ〉〈ギャアァァァ〉一つのフレイムを避けると別のフレイムに接触して火傷を負っていく。
「狭い結界の中だ逃げ場は無いぞ、こんがり焼けたらポーションを飲ませてやるから心配するな。言っておくが俺は鑑定が使えるんだ、お前達を鑑定したが、大した犯罪歴だな」
〈熱い! 止めてくれー、頼む、揶揄ったのは悪かった、許して・・・〉
あらら、気絶しちゃった(鑑定! 症状)〔火傷・重傷〕暫く放置だな。
「次は・・・死に損ないのボスに喋って貰おうかな。聞きたい事が有るから助けたけど、今度は殺してくれと頼むまで痛めつけてやるからな」
〈ベッ〉と唾を吐きかけてきたが、結界に遮られて浮かんでいる。
座った男の周囲にフレイムを八個置き、腰を浮かせたところで尻の下にもフレイムを三つばかり置いておく。
狭い結界の中で中腰になるが、その姿勢でフレイムから避け続けるのは大変だぞー。
冷静沈着でニヒルな二番手には、結界を縮めて身動き出来なくしてから股間にフレイムをそっと乗せてやる。
〈ウオォォォ、止めろ! 熱い止め! 糞ッ・・・殺せ! 嬲り殺しにするなら一気に殺せよ!〉
「えぇ~、お前の趣味に合わせているんだぞ。お前は泣き叫ぶ女や子供をじっくり甚振って殺すのが趣味なんだろう」
〈俺は・・・そんな事を、した事はない! 本当だ止めてくれーぇぇぇ〉
「おかしいなぁ、お前を鑑定すると親殺し,殺人鬼,婦女子への快楽殺人,奴隷狩り,人身売買とか色々出るんだがなぁ。素直になれないのは焼きが甘いからかな?」
此奴も不自然な姿勢に耐えきれず、フレイムの上に座り込み盛大な悲鳴の後白目を剥いて気絶してしまった。
(鑑定! 症状)〔火傷・重傷〕重傷ね、当分死なないから放置して火傷の痛みを楽しんで貰おう。
「おー、顔色が悪いね。少し炙って赤くしてみる?」
其奴の鼻面にフレイムを浮かべると即座に「使用者登録を外します!」と叫んだ。
フレイムの魔力を抜き、結界を解除して戒めを解き使用者登録を外させる。 警備兵に持って来させたシーツの上で、マジックポーチを逆さにすると大量の衣類に刀剣とナイフに複数の革袋。
指輪やネックレスも出て来るが安物で、半分以上はパーティーで使用するキャンプ用品や食料だ。
この男のパーティー内での序列は低そうだ。
様々な品質とサイズの衣服と紋章や屋号入りの革袋は、行方不明者の家族に見せれば被害者の特定が出来るだろう。
警備兵にマジックポーチから出た品物と共に男を引き渡す。
「素直に喋らなかったら言ってよ、よく喋るように炙ってあげるから」
警備兵が満面の笑みで頷き、男を取り調べのために引き摺って行く。
マジックポーチを持たない三人も用無しなので、取り調べに連れて行かせる。
「残るお二人さんはどうする? 無傷じゃボスに顔向け出来ないだろうから」
「外すよ、どのみち外すまで甚振るつもりなんだろう。ど変態糞餓鬼が!」
「ああ、外してやるよ。どうせ犯罪奴隷になるんだ、痛い思いをしてからじゃ馬鹿らしいからな」
「へえー、案外諦めが良いんだな」
「チビのメスガキと侮ったのが運の尽きだぜ、糞ッ!」
結界を解除して拘束を解き使用者登録を外させ様としたら、警備兵を突き飛ばして飛びかかってきた。
甘いね、結界を解除した時にほくそ笑んだのを見ているんだ。
最後の足掻きにしてはしょぼいが、お別れのプレゼントに横っ面を張り飛ばしてやった。
1/2龍人族の全力ビンタだ、くっきりと手形が付き顎が少々ズレている様に見えるが気にしない。
多数の警備兵に飛びかかられて押さえ込まれ、ボコボコに殴られている。
最後の一人は暴れられない様に足を括られ、首にもロープを掛けられて使用者登録を外す事になった。
〈糞ッ馬鹿が! せめてメスガキくらい殺せよ〉
「無理むり、俺が解体場に持ち込んだ物を見ていれば喧嘩なんて売らなかっただろうに」
〈見なくて良かったんじゃない。屑が八人も捕まったんだから〉
〈そうそう、女子供を売り物か慰み者にしか思っていない破落戸だもの。もう少し炙ってあげなさいよ〉
メリンダのリクエストにより、安らかに眠る二人の腹にしっかりと魔力を込めたフレイムを乗せてやる。
〈うわーちちち、止めろ! 判った外す、外すから消してくれーーー〉
〈ギャアァァァ、糞ガキ覚えていろ! 必ず嬲り殺しにしてやるぞ! ウオォォォ〉
あらら、又気絶しやがった。
三度火炙りにしたら鑑定で〔瀕死〕と出たので怪我の回復ポーションを飲ませる。
流石は草原の牙のリーダーだ、ボスの意地からか怪我の回復ポーションを三本飲むまで持ちこたえたが、最後は泣いて詫びを入れてきた。
此奴が一番お宝を溜め込んでいて、パーティー内の序列に従ってマジックポーチの中も色々だった。
持ち物から犯罪者確定、後は警備隊に任せてホテルに帰る事にした。
・・・・・・
夕方から冒険者ギルドで魔法の練習を行う事を約束して、女神教大神殿に向かう。
迎えてくれたザイホフから報告を受けるが、女神教を支配しようとするなと釘を刺しておく。
女神教が、俺やエメンタイル王国を支配しようとしない様にするだけて良い。
宗教が政治に首を突っ込むと碌な事にならないので、それを阻止出来るだけで良いのだ。
どうせ数年もしたらエメンタイル王国と女神教は切り離すつもりだし、適当で良いのよ。
治癒魔法の練習と治療をしている現場に行くと、エンデとシエルが見知らぬ年配の女性と共に治療にあたっている。
俺達に気付いて頭を下げ、年配の女性を鑑定使いだと紹介する。
「聖女様の教えに従い、患者から状態を聞き鑑定して貰ってから治療にあたっています」
「貴方の鑑定レベルと魔力は?」
「鑑定スキルは上級レベルで魔力は94で御座います・・・聖女様」
俺以外の鑑定使いが、病人をどの様に鑑定しているのか興味が有ったので一緒に治療にあたる事にした。
幼い子供を抱えた母親の前でエンデが症状を聞く。
咳が止まらず微熱が続いていたが、前日の夜には痰に血が混じっていたと言っている。
「鑑定結果を教えて貰えますか」
「人族1/2猫人族1/2・女・魔力・・・」
「アキュラ、あれを討伐したのはお前か? それともパーティーとして討伐したのか?」
パーティーとしてと言おうとしたら、皆無関係を装い素知らぬ顔をしている。
「えーっと、まぁ1人でかな」
「何時、何処でだ」
「そんな事まで申告しなきゃならないの」
「馬鹿! あんなのがこの近くで討伐されたのなら、もっと多くのオークが居るはずだから、警報を出さなくちゃならんのだ」
「なら大丈夫ですよ。フランドル領ハランドの街から西へ10日以上行った森の中でしたから」
「何時だ?」
「一年以上前だよ」
そう言うとほっとした顔になったが、次は冒険者カードを出せと言い出した。
ギルド職員に冒険者カードの提示を求められたら拒否出来ないので、渋々カードを差し出す。
「何だ・・・登録して二年もなるのに未だアイアンか、それでオークキングを持って来るなんて非常識な奴だな。ちょっと待ってろ」
「アキュラはギルマス権限でブロンズだな」
「シルバーでしょう。オークキングとシルバータイガーを討伐しているのよ」
「それも二体とも無傷だからな」
「おまけに模擬戦で、ゴールドランクを二人も叩きのめしたんだ」
帰って来たギルマスが「お前は今日からシルバーランクだ」と言ってカードを返してくれた。
別にランクアップの必要は無いのにね。
アリシアとメリンダには野暮用が出来たので魔法の練習は明日と告げ、草原の牙が収容されている警備隊詰め所へ行く。
・・・・・・
警備隊詰め所で、預けた草原の牙八人から少し聞きたい事が有ると告げる。
ボルヘンの身分証を見ているので、頭ごなしに拒否はしないが渋るので俺の身分証を見せる。
ボルヘンと同じ王家の紋章入りだが王国査察官のもの、貴族も迂闊に逆らえない優れ物。
綺麗な敬礼の後は何も言わずに俺の指示に従ってくれた。
取調室では狭いので別室を借り、八人全員を結界で包み込み車座に座らせるが好き勝手を言っている。
〈おい、勝負に負けて身ぐるみ剥いだら用無しだろうが。俺達が警備隊に捕らえられる謂れは無いぞ!〉
〈兵隊さん達よぉ~、俺達は何故縛られているんだ?〉
〈真面目な冒険者に酷い扱いじゃねえか〉
〈この訳の判らない物はなんだ? 出せよチビ助!〉
剥ぎ取った奴等の衣服をマジックポーチから取り出し、それぞれの前に投げる。
上着を広げ、包み込んだ持ち物の中からマジックポーチを取りだして奴等に見せる。
「稼ぎの悪い冒険者パーティーのくせに、マジックポーチ持ちが五人もいるとはね」
その一言で文句を言っていた奴等がピタリと黙り込む。
俺の言葉の意味は良く判っているようだが、往生際が悪い。
「持ち主は使用者登録を外してもらおうか、素直に従った方が身のためだぞ」
〈よう警備隊の兵隊さんよぉ、マジックポーチの使用者登録を外せって言っているが、あんた等に何の権限が在って言ってるんだ〉
「間違えないでね、俺が外せって言っているんだ。嫌ならこんがりと焼いてやるぞ」
俺を娼館に売ると言った男のバリア内にフレイムを浮かべる。
〈ケッ、こんなちっこいフレイム如きで俺達が・・・おいおい、何だよこれは〉
次々と現れるフレイムに驚いているが、驚くのは未だ早い。
十数個のフレイムに囲まれて汗を流す男の鼻に、フレイムを乗せてやる。
〈うわっちちち〉〈エッ〉〈ギャアァァァ〉一つのフレイムを避けると別のフレイムに接触して火傷を負っていく。
「狭い結界の中だ逃げ場は無いぞ、こんがり焼けたらポーションを飲ませてやるから心配するな。言っておくが俺は鑑定が使えるんだ、お前達を鑑定したが、大した犯罪歴だな」
〈熱い! 止めてくれー、頼む、揶揄ったのは悪かった、許して・・・〉
あらら、気絶しちゃった(鑑定! 症状)〔火傷・重傷〕暫く放置だな。
「次は・・・死に損ないのボスに喋って貰おうかな。聞きたい事が有るから助けたけど、今度は殺してくれと頼むまで痛めつけてやるからな」
〈ベッ〉と唾を吐きかけてきたが、結界に遮られて浮かんでいる。
座った男の周囲にフレイムを八個置き、腰を浮かせたところで尻の下にもフレイムを三つばかり置いておく。
狭い結界の中で中腰になるが、その姿勢でフレイムから避け続けるのは大変だぞー。
冷静沈着でニヒルな二番手には、結界を縮めて身動き出来なくしてから股間にフレイムをそっと乗せてやる。
〈ウオォォォ、止めろ! 熱い止め! 糞ッ・・・殺せ! 嬲り殺しにするなら一気に殺せよ!〉
「えぇ~、お前の趣味に合わせているんだぞ。お前は泣き叫ぶ女や子供をじっくり甚振って殺すのが趣味なんだろう」
〈俺は・・・そんな事を、した事はない! 本当だ止めてくれーぇぇぇ〉
「おかしいなぁ、お前を鑑定すると親殺し,殺人鬼,婦女子への快楽殺人,奴隷狩り,人身売買とか色々出るんだがなぁ。素直になれないのは焼きが甘いからかな?」
此奴も不自然な姿勢に耐えきれず、フレイムの上に座り込み盛大な悲鳴の後白目を剥いて気絶してしまった。
(鑑定! 症状)〔火傷・重傷〕重傷ね、当分死なないから放置して火傷の痛みを楽しんで貰おう。
「おー、顔色が悪いね。少し炙って赤くしてみる?」
其奴の鼻面にフレイムを浮かべると即座に「使用者登録を外します!」と叫んだ。
フレイムの魔力を抜き、結界を解除して戒めを解き使用者登録を外させる。 警備兵に持って来させたシーツの上で、マジックポーチを逆さにすると大量の衣類に刀剣とナイフに複数の革袋。
指輪やネックレスも出て来るが安物で、半分以上はパーティーで使用するキャンプ用品や食料だ。
この男のパーティー内での序列は低そうだ。
様々な品質とサイズの衣服と紋章や屋号入りの革袋は、行方不明者の家族に見せれば被害者の特定が出来るだろう。
警備兵にマジックポーチから出た品物と共に男を引き渡す。
「素直に喋らなかったら言ってよ、よく喋るように炙ってあげるから」
警備兵が満面の笑みで頷き、男を取り調べのために引き摺って行く。
マジックポーチを持たない三人も用無しなので、取り調べに連れて行かせる。
「残るお二人さんはどうする? 無傷じゃボスに顔向け出来ないだろうから」
「外すよ、どのみち外すまで甚振るつもりなんだろう。ど変態糞餓鬼が!」
「ああ、外してやるよ。どうせ犯罪奴隷になるんだ、痛い思いをしてからじゃ馬鹿らしいからな」
「へえー、案外諦めが良いんだな」
「チビのメスガキと侮ったのが運の尽きだぜ、糞ッ!」
結界を解除して拘束を解き使用者登録を外させ様としたら、警備兵を突き飛ばして飛びかかってきた。
甘いね、結界を解除した時にほくそ笑んだのを見ているんだ。
最後の足掻きにしてはしょぼいが、お別れのプレゼントに横っ面を張り飛ばしてやった。
1/2龍人族の全力ビンタだ、くっきりと手形が付き顎が少々ズレている様に見えるが気にしない。
多数の警備兵に飛びかかられて押さえ込まれ、ボコボコに殴られている。
最後の一人は暴れられない様に足を括られ、首にもロープを掛けられて使用者登録を外す事になった。
〈糞ッ馬鹿が! せめてメスガキくらい殺せよ〉
「無理むり、俺が解体場に持ち込んだ物を見ていれば喧嘩なんて売らなかっただろうに」
〈見なくて良かったんじゃない。屑が八人も捕まったんだから〉
〈そうそう、女子供を売り物か慰み者にしか思っていない破落戸だもの。もう少し炙ってあげなさいよ〉
メリンダのリクエストにより、安らかに眠る二人の腹にしっかりと魔力を込めたフレイムを乗せてやる。
〈うわーちちち、止めろ! 判った外す、外すから消してくれーーー〉
〈ギャアァァァ、糞ガキ覚えていろ! 必ず嬲り殺しにしてやるぞ! ウオォォォ〉
あらら、又気絶しやがった。
三度火炙りにしたら鑑定で〔瀕死〕と出たので怪我の回復ポーションを飲ませる。
流石は草原の牙のリーダーだ、ボスの意地からか怪我の回復ポーションを三本飲むまで持ちこたえたが、最後は泣いて詫びを入れてきた。
此奴が一番お宝を溜め込んでいて、パーティー内の序列に従ってマジックポーチの中も色々だった。
持ち物から犯罪者確定、後は警備隊に任せてホテルに帰る事にした。
・・・・・・
夕方から冒険者ギルドで魔法の練習を行う事を約束して、女神教大神殿に向かう。
迎えてくれたザイホフから報告を受けるが、女神教を支配しようとするなと釘を刺しておく。
女神教が、俺やエメンタイル王国を支配しようとしない様にするだけて良い。
宗教が政治に首を突っ込むと碌な事にならないので、それを阻止出来るだけで良いのだ。
どうせ数年もしたらエメンタイル王国と女神教は切り離すつもりだし、適当で良いのよ。
治癒魔法の練習と治療をしている現場に行くと、エンデとシエルが見知らぬ年配の女性と共に治療にあたっている。
俺達に気付いて頭を下げ、年配の女性を鑑定使いだと紹介する。
「聖女様の教えに従い、患者から状態を聞き鑑定して貰ってから治療にあたっています」
「貴方の鑑定レベルと魔力は?」
「鑑定スキルは上級レベルで魔力は94で御座います・・・聖女様」
俺以外の鑑定使いが、病人をどの様に鑑定しているのか興味が有ったので一緒に治療にあたる事にした。
幼い子供を抱えた母親の前でエンデが症状を聞く。
咳が止まらず微熱が続いていたが、前日の夜には痰に血が混じっていたと言っている。
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