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一章 降って湧いた災難
俺のお姫様。お前をずっと愛する。 参
しおりを挟むハイ!ここで鬼族の常識的にアウトな事が二つあります!
《何だ?いきなり》
まずは番契約を一方的に結んだこと。これは知っているよね?
《噛まれたら解消出来ない筈よね?
お互いしかフェロモンの認識をしなくなるなどの利点はあるけれど。》
《どういう事だ?》
《リリィはシュテンしか受け付けない体にされたのよ…一生ね。番を得たオメガが番以外とSEXするのは、物凄い生理的嫌悪を感じる筈よ》
《何だって?!レイプして勝手にそんなことをしたのか?!》
うん…本当にありえないよ。なんて事をしてくれんだよね。発情期もあるのに…
鬼かッ!いや、鬼だけどさ……
次に鬼族の権能の中に【眷属化】もしくは【誕生】と言われるものがあって、言っていた下僕にするやつだね。
それとは違い、伴侶にする【血の伴侶】というものがあります!
《そのへんがマリーの話ではファンタジーよね。オメガバースは現実世界でのお話が多いから。続けて》
あちらの世界では様々な種族がいて、その中でも鬼族の寿命は飛び抜けていてね。力の強い者は不老不死に近いくらいなんだ。
《リリィもか?》
生まれた時はそうだったね。
《何か含みがあるわね》
それはこれから話すことになるかな?
それでだ、番や伴侶に自分と同じ時間を歩んてもらうのがもともとの【誕生】の権能なんだ。
《ヴァンパイアが仲間を創るみたいなものだな?》
そう、それだね。鬼族同士でも結べるんだが、これの酷いところは、相手を任意の条件で縛る。しかも結んだら最後、解除できない。
《はぁ?!》
例えば、鬼のオメガは血を飲まないと死んじゃうんだけど、吸血する相手を伴侶だけと限定して縛れば、生死を握ることもできる。
『自分以外の血を飲めば毒になる』なんて条件付けたら…【伴侶】は離れないよね?
《番契約もそうだけれど、それもまた凄い束縛ね》
伴侶以外の血を飲んだ瞬間『殺す』なんかもやれば出来るけれど。
《え?!》
まぁ…そんな事をするのは流石にないけどね。
ほら、愛を示すものだから。
《モンスターの愛情表現は凄いな…》
普通は『お互いしか吸血しない』くらいとかにするね。
【誓約】とも言って、番契約をした者同士なら殆どが結んでいたね。
伴侶にも条件はナイショってものもいた。
オメガの側からするものは可愛らしいもので、アルファからのものは番を束縛したものが多かったね。
α共はマジに死ねよ!あいつを見習えッ!!
《マ、マリー???》
あ、あはは…ちょっとね。荒ぶっちゃった。
あいつはその条件を後になって教えてくれたけど、それがとんでもなかったんだ。
《浮気したら即、心中するとか?》
いや、悪いものではないよ。
《また、なにか含みのある言い方だな》
ちょっとした惚気、かな?
この事を話すのには、少し時間がかかるから今日では無理かもしれない。
興味があるなら話すけれどね。
…ちょっとした自慢だしね。
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