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一章 降って湧いた災難
俺の俺だけのお姫様… 四
しおりを挟む───実はこの時、例の変態行為もあまりにも強いられるので、厳しく叱ってから聞いてみた。
どうやら僕と出会った頃からΩとしても目覚めかけていたらしい。
その以前からも偶にどうしようもなく肌寂しく、抱かれてみたい欲求もかなりあったそうだ。
αがそんな事を考えるのは、いくら性に寛容な鬼でも普通ならありえないが、こいつは貞操観念がぶっ壊れているのはご存知の通りだ。
それで興味本位から、とりあえず自分の周りで力の強いオス(「弱いオスになど組敷かれたくない」なんてワガママ言ってた)である、四童子たちに頼んでみたらしいのだが…………
いくら頼んでも誰もそんなことはしてくれず、とても辛かったそうだ。
『爺たちは頭が堅い』
『【華】で強制しようとしたら泣かれた』
なんて恐ろしい事を言うんだお前は………
それはお前がおかしいからな?
四童子のおっちゃんたちみんなに、なに滅茶苦茶なことしてんだよっ!
可哀想だろうがッ!!
『……茨木はあれの性質がメスだから向かぬ』
お前な!いい加減にしろよな!!
Ωとして目覚めた僕はその辛さが良く分かるし…本当に可哀想に思うが……
お前みたいなそんなごっつい体格で、そのうえ側にいるだけで滅茶苦茶怖くて…
ほら見ろこの鳥肌!
こんなにも肌がチリチリして粟立つくらいに恐ろしい力を持つΩ…………
そりゃあとんでもなく怖いから、誰に頼んでも無理だろうがッ!!!
『か様なΩも存在した』
それは僕の母のことだろうか?
僕の母はこいつの母親である后陛下並みに強かった。強すぎたΩだった。
至ってなかったから死んでしまったが。
混乱して頭を抱える僕に、こいつはそれはしつこくそれを強請った。
この後のこと?
……僕はこの時はオトナのオスにならなかったとだけ言っておく───
◇◇◇
…なかなか恥ずかしいものだな。私になってからは、そんな経験がないのでわからないが、初恋を知った時なんかがきっとこんな感じなんだろうな。
《凄くドラマティックな話に聞こえるが、初恋のピュアなものからは程遠く、二人の関係は爛れすぎているぞ》
《なんだろうか…最初から聞いていたものとしては、なんとも言えない気持ちになったな》
わかっているよ!
始まりからあれだから仕方ないだろう。
《シュテンがなんか可愛く感じるようにもなってきた気がする》
そうだろう!あれは色々と頭が痛いやつだがなんか可愛いんだよ!
《いや、それは気のせいだろ》
《ストックホルム症候群というのを知っているよな?》
失礼な!私だって医者の端くれだ!専門外でもそれくらいの知識はある。
《彼、そういう意味で言ったんじゃないと思うんだけど?》
《マリーも大分できあがってきているからなぁ》
さて、もうそろそろ山場を過ぎたあたりかな?
私が体験した災難はもう少しで一先ずは終わりだ。
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