猫の魔術師〜その猫がいずれ最強になるまでの話〜

翡翠由

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閑話 真実の一ピース目

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 外は曇天の曇り空が広がり、そしてアメリアの心も晴れずにいた。静寂が世界を支配するその空間において、一切の身動きを取らずにただ一点を見つめていた。

 感傷的な心がただただ自身の弟子についての記憶と思い出を呼び起こす。だが、それは虚しくも儚く、手の届きそうで届かない。思考を止めれば一瞬で消え去るものだった。空高くに位置するその場所で、アメリアは暇を持て余していた。

 することは山のようにあり、ただそれでも起きぬやる気と視界を起こそうと何度も思ったが、どうにもやる気がわかない。

「今、あの子はどうしているのでしょう」

 生意気なまでに可愛いでしは今頃どんなことをしているだろう。私がいなくてもやっていけているだろうか?グレン以外の特級魔術師には出会っただろうか?

「一応特級魔術師全員にお世話の依頼をしておいたのですが、そろそろ鈍臭い人たちも動き始める頃合いです」

 世情に疎いや、管理の杜撰さといった意味合いではない。ただただ単純に、その個人の中での時間の感覚がずれているのだ。時間とは平等に流れて、不平等に終わる。

 百年以上を生き続ける大半の特級魔術師たちは特にそうだ。一年や二年などほんの一瞬の出来事に過ぎない。だからか、頼み事をしても本格的に動こうと考え始めるのはたいていが一年たった後のことだった。

「嫌ですね、早くレインに会いたい」

 まさか自分の方が根を上げるとは思わなんだが、実際にアメリアは根を上げていた。あまりにも過酷な環境の中に身を置いているからだろうか?世間では『異常現象』なるものが起きているとも聞く。

 最近の仕事はもっぱらそれの解決だ。

「さて、今日も仕事を終わらせますか」

 アメリアが帰国できるのはまだまだ先の話であった。
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