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第一話
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「どうしたらいいのかしら······」
「お嬢様、なにかお探しですか?」
手帳を手に取りながら、つい独り言が漏れてしまったわたくしに、いつもの店員さんが人の良さそうな笑顔で声をかけてくれました。
「また重厚なミステリをお探しですか? それとももう一冊手帳を買ってくださるので?」
「ええと」
ここはローズリー書店。王都でも一番の敷地面積を誇る本屋さんで、その一区間に趣味の良い文具などが置かれていることでも人気ですわ。
わたくしは無類の本好き。特に良質なミステリには目がないのです。
少し前までは女性がミステリを読むなんて野蛮という風潮があったのですが、なんとなんと今通っている学院では、一部の女子生徒の中でミステリブームになっているのです。
さらに学院では推理小説愛好会という素敵な会によるお仲間に出会いまして、日夜語り合うことが出来る環境に身を置いています。
今手に取っていた金猫印の手帳には、偽りが書けないという制約がついていて、主には帳簿だとか日記帳として愛用されています。
とある小説内にこの手帳が使われたことで、このように大型書店にも置かれるようになったのでしょう。そこから利用幅が広がり、中にはこの手帳のおかげで、急に亡くなられた貴族家の後継争いに終止符が打たれたなんてことも聞きます。
その効果を使って、わたくしの問題も解決できないかしらと思ったのですが。
「新しいミステリはいつも読みたいのですけれど、今日はこの手帳の使い方について、相談できればと思うのです」
「ええ、ええ! ご利用方法についてですね! それではカフェスペースの方で承りますよ」
「お嬢様、なにかお探しですか?」
手帳を手に取りながら、つい独り言が漏れてしまったわたくしに、いつもの店員さんが人の良さそうな笑顔で声をかけてくれました。
「また重厚なミステリをお探しですか? それとももう一冊手帳を買ってくださるので?」
「ええと」
ここはローズリー書店。王都でも一番の敷地面積を誇る本屋さんで、その一区間に趣味の良い文具などが置かれていることでも人気ですわ。
わたくしは無類の本好き。特に良質なミステリには目がないのです。
少し前までは女性がミステリを読むなんて野蛮という風潮があったのですが、なんとなんと今通っている学院では、一部の女子生徒の中でミステリブームになっているのです。
さらに学院では推理小説愛好会という素敵な会によるお仲間に出会いまして、日夜語り合うことが出来る環境に身を置いています。
今手に取っていた金猫印の手帳には、偽りが書けないという制約がついていて、主には帳簿だとか日記帳として愛用されています。
とある小説内にこの手帳が使われたことで、このように大型書店にも置かれるようになったのでしょう。そこから利用幅が広がり、中にはこの手帳のおかげで、急に亡くなられた貴族家の後継争いに終止符が打たれたなんてことも聞きます。
その効果を使って、わたくしの問題も解決できないかしらと思ったのですが。
「新しいミステリはいつも読みたいのですけれど、今日はこの手帳の使い方について、相談できればと思うのです」
「ええ、ええ! ご利用方法についてですね! それではカフェスペースの方で承りますよ」
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