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第7話 ダレル君、敵と対峙する
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大柄な男達が俺を見下ろしている。
赤目の男達は五名。日に焼け、ところどころ刀傷が肌に残る様は先の紛争にも参戦していたのか。
それに、いやに酒臭い。もう祝杯気分で飲んでいるのだろうか、めいめいが酒瓶を持っている。
俺が来るの遅すぎて、飲み出しちゃったのか?
なんて呑気な!
「ご挨拶、ですか? 五人それぞれに? そもそもあなた達はどなたですか? ブリンソン様のお知り合いですか?」
すっとぼけてアホの子のように話しかけてみるが、男達はさして警戒するでもなく相好を崩しながら、空いている席を示す。
「まあまずは座れ。ダレル君、君の父君は紛争での功労者だな?」
「······はい。それがどうかしましたか?」
「ははは、やはりボンクラというのは本当だな。俺達の目を見ても何も気付かないのか?」
顔に傷のあるリーダー格らしい男が俺を見て嘲笑う。
「······サウール西国の方々でしょうか? それで何故俺は呼び出されたのでしょう? アボット嬢やブリンソン様方と関係あるのですか?」
「君は体の良い駒として使わせてもらう。よろしくな」
「よろしくと言われましても。俺はブリンソン様に呼び出されましたけど、アボット嬢とお先に帰りたいと思います」
「それは出来ないな」
リーダーの男が肩を揺すって笑うが、愉快な笑い声ではない。
「まず、君の言う通り、我々はサウール西国の人間だ。先の紛争では辛酸を舐めさせられたが、あくまでこれは一時撤退だったんだよ。反撃の機会を狙っていたのさ」
「······俺には関係ありません」
「まあそうだな。君の父君をはじめ君達の国の者には迷惑をかけられた。だからお詫びをして欲しいと思っているのさ」
お詫びだと?
俺が訝しそうな表情を浮かべたのを見て、リーダーは嬉しそうに膝を叩いた。
「サウール西国人には赤目が多い。先の紛争で次期首長は亡くなっちまったが、その娘の彼女はここで生き延びていたんだ。
ほら、見てみろ。彼女は直系なんだが、そちらさんの国の血が混じっちまったせいか、濁った目の色になってるが、血筋は確かだ。残りものでもめっけもんってやつだな!」
サンディの瞳を顎でしゃくって大笑いする男達。人の目を濁ってるだなんて何て言い草だよ!
酒も零してるぞ、勿体ないし、臭い。男達のすえた体臭と酒のせいだな。零したまま外に出てみろ、藪蚊にくわれるぞ。
「えー、綺麗な色だと思いますけどね。皆さんの色味とは違いますが、女の子らしくって可愛くないですか? ねえ、ブリンソン様?」
「うるせえ」
怒りと臭さを必死に堪える俺に、リーダーが話を続ける。
「彼女は次の旗印だ。故郷を追われ、お前らの国で迫害されて、再び故郷に戻って敵を討つ。――その筋書きに沿ってダレル君達には動いてもらうよ」
「私、そんなことしないって言ってるでしょ!」
サンディがうんざりしたように言う。
もう何度もこのやり取りさせられたんだろうな。こんな臭いところで。気の毒だ。
「今この国にいることに恨みもないですし、サウール西国に戻って父の後を継ぐっていっても、父は首長ではありませんでしたよ」
「そんな事は些末なことだ。物語が多少粗くとも人々は自分にいいように読み取るものだから」
「どういうことですか? 俺達もう帰れないんですか? 親に何も言わずに来ちゃったんですけど」
敢えて間延びするように言ってみる。
明らかにシスターが目を伏せたが、何だろう?
俺が生きて帰れないことに気付いてるとか?
「いや、ちゃんと帰れるよ。だがその前に俺達のシナリオに沿って動いてもらう」
「シナリオってなんですか?」
「おい、うるさいんだよ! お前は言うことを聞いておけばいいんだ! アホダレルめ!」
顔色は悪いままなのにブリンソン様が緊張に耐えられなくなったように捲し立ててくる。
「そこの貴族の坊っちゃん達も同様だ。では今から説明するから、その通りにするんだぞ?」
リーダーの男は俺達が揉めてるのを楽しげに眺めながら、また酒瓶を煽る。零して腕で拭く。臭さの連鎖が止まらないな。藪蚊も大喜びだ。
俺は黙って話を聞く素振りを見せたので、赤目の男達は盛大に笑い、リーダーは話を続けた。
「ダレル君とこのヨアン君達は、前からいがみ合っていた。原因はダレル君の家が泥棒だからだ」
いきなり黙っていられない話になった。
「はあ?」
「いいから黙って聞けよ、ダレル! 本当のことだろうがよ!!」
「我が家は泥棒なんかじゃありませんけど」
「······話が進まないな。ヨアン君、そうなんだろう?」
「お前らは泥棒なんだよ! 伯父様の家を盗ったり、爵位だってそうだ! 戦場でも死んだ者から追い剥ぎをしたんじゃないのか?」
ブリンソン様がつばを飛ばしながら捲し立てる。
サウール西国との紛争の爪痕は彼の家にも色濃く残ったのかもしれない。だが、俺の父が彼の伯父上を殺めたわけでも追い剥ぎをしたわけでもない。言いがかりだ。
「話を続けるよ。またヨアン君達は、以前から先の紛争にかこつけて多くの泥棒行為が起きていたことに心を痛めていた。
悪辣な行為が横行しているその中で、彼女――サンディが本来はサウール西国の正しい後継者だというのに不当にアルバーティンに略奪され、憎き敵国の貴族家で囚われていることに気付いたんだ。
ヨアン君達は独自のルートで哀れなサンディを探している我々を突き止め、正しき道に返してあげようとした」
ブリンソン様とその取り巻き連も頷いているので、彼らの中ではそれが正義なのだど知れる。
リーダーは瓶に入った酒を飲み、越に入ったようにお説を続ける。
「ところが先の紛争で平然と泥棒行為を繰り返していた家に生まれたダレル君は、やはり生粋の泥棒なのだろうね。ヨアン君達の善意を踏みにじるように、今度はサンディを無理に手籠めにして婚姻しようとした。欲深にも侯爵家の一員になりたかったのだろうね。
『妻には愛人を容認させて、領主の仕事は全て妻任せ、婿の自分は妻に用意させた愛人との別邸で楽に過ごす』――そんな事を前の婚約者には命令したのだろう?」
「そんなわけないじゃないの! シナリオが無理やり過ぎるわ」
サンディが顔を真赤にして怒り狂う。
ありがたいと思いつつも、予想外にここであのやらかしが響いて来ていて、俺は頭を垂れてしまう。
「だが、サンディはあくまで一度勘当された侯爵家令嬢の母から生まれただけの子供だ。正式な侯爵家令嬢なわけでは無い。今の身分は暫定的なものなのではないか? 多くの貴族家からもその正当性に疑義が起きていると言うし、正当性で言うならば、サウールでの身分の方が優先される。
だから、ヨアン君達はサンディを因縁蠢くアルバーティンではなく、輝ける将来が保証されているサウールに戻してあげたいと動いたのに――馬鹿な君に邪魔をされたんだ」
サウール西国の男達が腰の剣に手をやりながら、にやにやと俺を眺める。
空の酒瓶がいくつかテーブルや床下にあることからすでに誰もが酔っているようだ。手練れではあるものの、酒の影響で足元が覚束ない状態ならいいが、それは期待しない方がいいだろう。
「僕はブリンソン様からここに来いという手紙をもらったから来ただけですよ? それが邪魔をしたことになるんですか? あなた達の計画を邪魔したのはブリンソン様達なのではないですか?」
「お前! 口を慎め!」
「平民風情が何を言う!」
ブリンソン様達が俺に煽られ、面白いように怒り出す。
「それと、シスターはもしかしてサウール西国の人なのですか? ······目は赤くないですけど」
「違います! 違いますわ······」
シスターは俺の言葉に傷ついたように、突然泣きそうな顔で崩れていったが、サンディ誘拐に関与しているのは間違いなさそうなので放っておこう。
「彼女は我々の賛同者だ。サウール西国こそが正義なり、というね。
しかし本来の筋書きは、今日孤児院に慰問に来ていたサンディを誘拐したダレル君を追って、ここまで助けに来たヨアン君達と我々が愚かな君を成敗してサウールに連れて行く。という流れだったのだが、······何故かヨアン君が変な小細工をしてしまったからね。多少予定は狂ったが仕方がない。
ヨアン君達と我々に助けを求めたサンディを、愚かな君は追いかけて来たが、無様にもここで討たれてサンディは無事に逃げ延びる。と、そういう風に変更しよう」
何が面白いのか、リーダーは計画を話し終えて手を叩きながら嘲笑を強めた。
「ふーん、随分と杜撰な話ですね」
「なに、愚かな君のことは誰も信じないから、これでいいのさ」
赤目の男達は五名。日に焼け、ところどころ刀傷が肌に残る様は先の紛争にも参戦していたのか。
それに、いやに酒臭い。もう祝杯気分で飲んでいるのだろうか、めいめいが酒瓶を持っている。
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「まあまずは座れ。ダレル君、君の父君は紛争での功労者だな?」
「······はい。それがどうかしましたか?」
「ははは、やはりボンクラというのは本当だな。俺達の目を見ても何も気付かないのか?」
顔に傷のあるリーダー格らしい男が俺を見て嘲笑う。
「······サウール西国の方々でしょうか? それで何故俺は呼び出されたのでしょう? アボット嬢やブリンソン様方と関係あるのですか?」
「君は体の良い駒として使わせてもらう。よろしくな」
「よろしくと言われましても。俺はブリンソン様に呼び出されましたけど、アボット嬢とお先に帰りたいと思います」
「それは出来ないな」
リーダーの男が肩を揺すって笑うが、愉快な笑い声ではない。
「まず、君の言う通り、我々はサウール西国の人間だ。先の紛争では辛酸を舐めさせられたが、あくまでこれは一時撤退だったんだよ。反撃の機会を狙っていたのさ」
「······俺には関係ありません」
「まあそうだな。君の父君をはじめ君達の国の者には迷惑をかけられた。だからお詫びをして欲しいと思っているのさ」
お詫びだと?
俺が訝しそうな表情を浮かべたのを見て、リーダーは嬉しそうに膝を叩いた。
「サウール西国人には赤目が多い。先の紛争で次期首長は亡くなっちまったが、その娘の彼女はここで生き延びていたんだ。
ほら、見てみろ。彼女は直系なんだが、そちらさんの国の血が混じっちまったせいか、濁った目の色になってるが、血筋は確かだ。残りものでもめっけもんってやつだな!」
サンディの瞳を顎でしゃくって大笑いする男達。人の目を濁ってるだなんて何て言い草だよ!
酒も零してるぞ、勿体ないし、臭い。男達のすえた体臭と酒のせいだな。零したまま外に出てみろ、藪蚊にくわれるぞ。
「えー、綺麗な色だと思いますけどね。皆さんの色味とは違いますが、女の子らしくって可愛くないですか? ねえ、ブリンソン様?」
「うるせえ」
怒りと臭さを必死に堪える俺に、リーダーが話を続ける。
「彼女は次の旗印だ。故郷を追われ、お前らの国で迫害されて、再び故郷に戻って敵を討つ。――その筋書きに沿ってダレル君達には動いてもらうよ」
「私、そんなことしないって言ってるでしょ!」
サンディがうんざりしたように言う。
もう何度もこのやり取りさせられたんだろうな。こんな臭いところで。気の毒だ。
「今この国にいることに恨みもないですし、サウール西国に戻って父の後を継ぐっていっても、父は首長ではありませんでしたよ」
「そんな事は些末なことだ。物語が多少粗くとも人々は自分にいいように読み取るものだから」
「どういうことですか? 俺達もう帰れないんですか? 親に何も言わずに来ちゃったんですけど」
敢えて間延びするように言ってみる。
明らかにシスターが目を伏せたが、何だろう?
俺が生きて帰れないことに気付いてるとか?
「いや、ちゃんと帰れるよ。だがその前に俺達のシナリオに沿って動いてもらう」
「シナリオってなんですか?」
「おい、うるさいんだよ! お前は言うことを聞いておけばいいんだ! アホダレルめ!」
顔色は悪いままなのにブリンソン様が緊張に耐えられなくなったように捲し立ててくる。
「そこの貴族の坊っちゃん達も同様だ。では今から説明するから、その通りにするんだぞ?」
リーダーの男は俺達が揉めてるのを楽しげに眺めながら、また酒瓶を煽る。零して腕で拭く。臭さの連鎖が止まらないな。藪蚊も大喜びだ。
俺は黙って話を聞く素振りを見せたので、赤目の男達は盛大に笑い、リーダーは話を続けた。
「ダレル君とこのヨアン君達は、前からいがみ合っていた。原因はダレル君の家が泥棒だからだ」
いきなり黙っていられない話になった。
「はあ?」
「いいから黙って聞けよ、ダレル! 本当のことだろうがよ!!」
「我が家は泥棒なんかじゃありませんけど」
「······話が進まないな。ヨアン君、そうなんだろう?」
「お前らは泥棒なんだよ! 伯父様の家を盗ったり、爵位だってそうだ! 戦場でも死んだ者から追い剥ぎをしたんじゃないのか?」
ブリンソン様がつばを飛ばしながら捲し立てる。
サウール西国との紛争の爪痕は彼の家にも色濃く残ったのかもしれない。だが、俺の父が彼の伯父上を殺めたわけでも追い剥ぎをしたわけでもない。言いがかりだ。
「話を続けるよ。またヨアン君達は、以前から先の紛争にかこつけて多くの泥棒行為が起きていたことに心を痛めていた。
悪辣な行為が横行しているその中で、彼女――サンディが本来はサウール西国の正しい後継者だというのに不当にアルバーティンに略奪され、憎き敵国の貴族家で囚われていることに気付いたんだ。
ヨアン君達は独自のルートで哀れなサンディを探している我々を突き止め、正しき道に返してあげようとした」
ブリンソン様とその取り巻き連も頷いているので、彼らの中ではそれが正義なのだど知れる。
リーダーは瓶に入った酒を飲み、越に入ったようにお説を続ける。
「ところが先の紛争で平然と泥棒行為を繰り返していた家に生まれたダレル君は、やはり生粋の泥棒なのだろうね。ヨアン君達の善意を踏みにじるように、今度はサンディを無理に手籠めにして婚姻しようとした。欲深にも侯爵家の一員になりたかったのだろうね。
『妻には愛人を容認させて、領主の仕事は全て妻任せ、婿の自分は妻に用意させた愛人との別邸で楽に過ごす』――そんな事を前の婚約者には命令したのだろう?」
「そんなわけないじゃないの! シナリオが無理やり過ぎるわ」
サンディが顔を真赤にして怒り狂う。
ありがたいと思いつつも、予想外にここであのやらかしが響いて来ていて、俺は頭を垂れてしまう。
「だが、サンディはあくまで一度勘当された侯爵家令嬢の母から生まれただけの子供だ。正式な侯爵家令嬢なわけでは無い。今の身分は暫定的なものなのではないか? 多くの貴族家からもその正当性に疑義が起きていると言うし、正当性で言うならば、サウールでの身分の方が優先される。
だから、ヨアン君達はサンディを因縁蠢くアルバーティンではなく、輝ける将来が保証されているサウールに戻してあげたいと動いたのに――馬鹿な君に邪魔をされたんだ」
サウール西国の男達が腰の剣に手をやりながら、にやにやと俺を眺める。
空の酒瓶がいくつかテーブルや床下にあることからすでに誰もが酔っているようだ。手練れではあるものの、酒の影響で足元が覚束ない状態ならいいが、それは期待しない方がいいだろう。
「僕はブリンソン様からここに来いという手紙をもらったから来ただけですよ? それが邪魔をしたことになるんですか? あなた達の計画を邪魔したのはブリンソン様達なのではないですか?」
「お前! 口を慎め!」
「平民風情が何を言う!」
ブリンソン様達が俺に煽られ、面白いように怒り出す。
「それと、シスターはもしかしてサウール西国の人なのですか? ······目は赤くないですけど」
「違います! 違いますわ······」
シスターは俺の言葉に傷ついたように、突然泣きそうな顔で崩れていったが、サンディ誘拐に関与しているのは間違いなさそうなので放っておこう。
「彼女は我々の賛同者だ。サウール西国こそが正義なり、というね。
しかし本来の筋書きは、今日孤児院に慰問に来ていたサンディを誘拐したダレル君を追って、ここまで助けに来たヨアン君達と我々が愚かな君を成敗してサウールに連れて行く。という流れだったのだが、······何故かヨアン君が変な小細工をしてしまったからね。多少予定は狂ったが仕方がない。
ヨアン君達と我々に助けを求めたサンディを、愚かな君は追いかけて来たが、無様にもここで討たれてサンディは無事に逃げ延びる。と、そういう風に変更しよう」
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