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第十話(最終話)
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結局俺はカミラと別れた。
というより、カミラはあのまま帰ってこなくなってしまったのだ。
両親は元々カミラを気に入っていなかったらしく、婚約も正式に結んでいたものではなかったのだそうだ。
「あの娘、絶対何かやらかすと思っていたから、提出しないでおいて良かったわ。やらかさなければ、そう仕向けるところだったわよ」と母が笑顔で恐ろしいことを言っていた。
そして、そのまま親の決めた相手と結婚をした。
イレーネやカミラのことでは弟に散々馬鹿だ屑だと言われたが、子供も生まれ、穏やかに過ごしている俺達家族を見て、最近は態度を軟化させておもちゃを買って遊びに来てくれる。
もうすぐ弟も結婚の時なので、色々と参考にしたいのだそうだ。
俺は幸せに暮らしている。妻にも子供にも不満はない。
ただふとした時に飴玉を見ると、強烈にあの日の映像が脳裏に蘇るのだ。
キラキラと輝く俺とイレーネの初恋。それが今の息子の歳に起きたことなのだな、と振り返ると、無性に渇きを感じる。喉を潤しても消えない欲。
イレーネからのメッセージカードも、なぜか無くしてしまった。おそらくカミラが持って逃げたのだと思う。どうしてだかあの時のカミラはやけに怯えていたから。
一体カミラは何色の飴玉を食べて、何を見たのだろう?
妻の横で寝ていても、夢にもたまに見る。
白い飴玉だけが残った瓶。
失恋のあと、その後のイレーネの『思い』とはなんだったのだろう。
解けない謎を前に震える俺の指は、つまんだそれをいつも落としてしまうのだ。
――パリン。
また飴玉の割れる音で俺は目が覚める。
というより、カミラはあのまま帰ってこなくなってしまったのだ。
両親は元々カミラを気に入っていなかったらしく、婚約も正式に結んでいたものではなかったのだそうだ。
「あの娘、絶対何かやらかすと思っていたから、提出しないでおいて良かったわ。やらかさなければ、そう仕向けるところだったわよ」と母が笑顔で恐ろしいことを言っていた。
そして、そのまま親の決めた相手と結婚をした。
イレーネやカミラのことでは弟に散々馬鹿だ屑だと言われたが、子供も生まれ、穏やかに過ごしている俺達家族を見て、最近は態度を軟化させておもちゃを買って遊びに来てくれる。
もうすぐ弟も結婚の時なので、色々と参考にしたいのだそうだ。
俺は幸せに暮らしている。妻にも子供にも不満はない。
ただふとした時に飴玉を見ると、強烈にあの日の映像が脳裏に蘇るのだ。
キラキラと輝く俺とイレーネの初恋。それが今の息子の歳に起きたことなのだな、と振り返ると、無性に渇きを感じる。喉を潤しても消えない欲。
イレーネからのメッセージカードも、なぜか無くしてしまった。おそらくカミラが持って逃げたのだと思う。どうしてだかあの時のカミラはやけに怯えていたから。
一体カミラは何色の飴玉を食べて、何を見たのだろう?
妻の横で寝ていても、夢にもたまに見る。
白い飴玉だけが残った瓶。
失恋のあと、その後のイレーネの『思い』とはなんだったのだろう。
解けない謎を前に震える俺の指は、つまんだそれをいつも落としてしまうのだ。
――パリン。
また飴玉の割れる音で俺は目が覚める。
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