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010 佐山氏のコレクションハウス⑥
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「課長、すみません。所在には目録らしきものがありませんでした」
「日比野ちゃんおかえりー。ちょっとパソコン使ってたよ。書斎は他にどうだった?」
「ええと、紙資料が綺麗に収納されていましたが、さほど珍しいものはない感じですかね? もちろん量はすごいものでしたが」
「そうか。そっちには私家本に載っていたものってあった?」
そういえば、本に載っていた映画館チラシはあったけれど、書斎は主に映画雑誌系でまとめられており、そこまでレア物という感じではなかった。上手く言えないが本気感が薄いというか。
その事を伝えてみると、四人も頷いていた。
「そうなんだよ。我々も他の部屋をざっと見て回ったんだけどね。資料は中性紙にビニールで覆い、光を遮り、温度と湿度も調整されている。部屋も綺麗に保たれ、一見貴重品を管理している風だけど、わざわざあのような手紙を残して内密に我々を寄越す程の物がないというかさ」
「あそこまで厳重にする程の何か、しなければならない程の何か、が見当たらないということですか?」
「うん。荒らされた形跡はないが、すでに運び出されているのだろうか?」
「でもそれならその物があった場所がガランとするのではないですか? それとも何か他の物で空きスペースを補填しているとか?」
「俺達もさ、初めて来る場所だから、何が消えて何が増えているのか分からないんだよね。困った困った」
最後に池上はおどけたように言うが、これは本格的に困っているのだろう。彼はこういう人だから、空気を和ますために軽く言うところがあるが、他の人達の反応がないので、そのまま黙り込んでしまった。
「あの、課長。その佐山氏からの手紙には、具体的にどういう事が書かれていたんですか? 先程はここに隠れて来る事くらいしか伺わなかったので」
「ああ、そうだね。じゃあこれ読んでみるかい?」
西村課長がそう言って、懐から封筒を出して、中の手紙を渡してくれた。
「日比野ちゃんおかえりー。ちょっとパソコン使ってたよ。書斎は他にどうだった?」
「ええと、紙資料が綺麗に収納されていましたが、さほど珍しいものはない感じですかね? もちろん量はすごいものでしたが」
「そうか。そっちには私家本に載っていたものってあった?」
そういえば、本に載っていた映画館チラシはあったけれど、書斎は主に映画雑誌系でまとめられており、そこまでレア物という感じではなかった。上手く言えないが本気感が薄いというか。
その事を伝えてみると、四人も頷いていた。
「そうなんだよ。我々も他の部屋をざっと見て回ったんだけどね。資料は中性紙にビニールで覆い、光を遮り、温度と湿度も調整されている。部屋も綺麗に保たれ、一見貴重品を管理している風だけど、わざわざあのような手紙を残して内密に我々を寄越す程の物がないというかさ」
「あそこまで厳重にする程の何か、しなければならない程の何か、が見当たらないということですか?」
「うん。荒らされた形跡はないが、すでに運び出されているのだろうか?」
「でもそれならその物があった場所がガランとするのではないですか? それとも何か他の物で空きスペースを補填しているとか?」
「俺達もさ、初めて来る場所だから、何が消えて何が増えているのか分からないんだよね。困った困った」
最後に池上はおどけたように言うが、これは本格的に困っているのだろう。彼はこういう人だから、空気を和ますために軽く言うところがあるが、他の人達の反応がないので、そのまま黙り込んでしまった。
「あの、課長。その佐山氏からの手紙には、具体的にどういう事が書かれていたんですか? 先程はここに隠れて来る事くらいしか伺わなかったので」
「ああ、そうだね。じゃあこれ読んでみるかい?」
西村課長がそう言って、懐から封筒を出して、中の手紙を渡してくれた。
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