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090 雑草の中で眠る②
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「夕ごはん、まだですか? 何か食べますか?」
「まだですが、そんなに食欲が······」
「ああ、じゃあ辻堂のおやつボックスを持って来ますので、それでも摘んでみて下さい。あの人新作にも詳しいんで、美味しいの入ってますよ」
先程来てくれた優しい女性警官が、やけに大きな籠を持ってまた現れた。現在、東原警察署の一室に居させてもらっている私は、辻堂刑事から話を聞いているのか何だか署内の皆さんにとても親切にしてもらっている。
女性警官さんが差し出した籠には、焼き菓子から煎餅からスナックからお高めのチョコまで色々詰まっている。辻堂刑事のシュークリーム大量購入を思い出して、ようやく少し笑みを浮かべることが出来た。
「ミルクコーヒーにしましたよ」
温かい湯気を漂わせて辻堂刑事が紙コップを二つ持って来てくれた。彼は、沢山あるからクッキーやおかきをポケットに詰めて行ってもいいですよと冗談を言いながら、「落ち着きましたか?」と聞いて来た。
「······はい。すみませんでした、お騒がせして」
「それで何があったかお話してもらえますか?」
男性に恐怖心が出ていたらいけないので、と断りを入れて先程の女性警官さんも同席されて、私は今しがたの報告をする。
「川真田猛さんという人は、あの日八頭さんのところで会うまで面識がなく、その後も会っていないのに、日比野さんの家の近くに突然現れた、と。
それで池上さんとの関係は分からないが、車があったので川真田さんには同伴者がいたらしいということですね? それが池上さんかもしれないと」
「······はい。あの日は私も頭が回っていなかったので、川真田氏と門木氏が八頭女史の部屋に入ってきた時に、何が起きていたのかを正確に覚えてはいないんです。
門木氏は背が高くて猿のマスクを着けていたので顔は分かりませんし、いつも顔を隠して活動しているので素顔を知る人はいないみたいです。
館内の人が『門木氏の正体は池上さんなのでは?』と言ってましたが、そこは分かりません。でもさっきは突然池上さんまで現れたから、川真田氏の仲間かもって思ってしまって······」
佐山氏の一件からずっと、館内の情報が外に漏れているような気がしていた。もしかしたらその相手は同じ資料課の人かもしれない。そんな風に疑う自分も嫌だが、では何故池上が川真田と同じ日同じ時間に我が家の近くに現れたのか説明がつかない。
「まだですが、そんなに食欲が······」
「ああ、じゃあ辻堂のおやつボックスを持って来ますので、それでも摘んでみて下さい。あの人新作にも詳しいんで、美味しいの入ってますよ」
先程来てくれた優しい女性警官が、やけに大きな籠を持ってまた現れた。現在、東原警察署の一室に居させてもらっている私は、辻堂刑事から話を聞いているのか何だか署内の皆さんにとても親切にしてもらっている。
女性警官さんが差し出した籠には、焼き菓子から煎餅からスナックからお高めのチョコまで色々詰まっている。辻堂刑事のシュークリーム大量購入を思い出して、ようやく少し笑みを浮かべることが出来た。
「ミルクコーヒーにしましたよ」
温かい湯気を漂わせて辻堂刑事が紙コップを二つ持って来てくれた。彼は、沢山あるからクッキーやおかきをポケットに詰めて行ってもいいですよと冗談を言いながら、「落ち着きましたか?」と聞いて来た。
「······はい。すみませんでした、お騒がせして」
「それで何があったかお話してもらえますか?」
男性に恐怖心が出ていたらいけないので、と断りを入れて先程の女性警官さんも同席されて、私は今しがたの報告をする。
「川真田猛さんという人は、あの日八頭さんのところで会うまで面識がなく、その後も会っていないのに、日比野さんの家の近くに突然現れた、と。
それで池上さんとの関係は分からないが、車があったので川真田さんには同伴者がいたらしいということですね? それが池上さんかもしれないと」
「······はい。あの日は私も頭が回っていなかったので、川真田氏と門木氏が八頭女史の部屋に入ってきた時に、何が起きていたのかを正確に覚えてはいないんです。
門木氏は背が高くて猿のマスクを着けていたので顔は分かりませんし、いつも顔を隠して活動しているので素顔を知る人はいないみたいです。
館内の人が『門木氏の正体は池上さんなのでは?』と言ってましたが、そこは分かりません。でもさっきは突然池上さんまで現れたから、川真田氏の仲間かもって思ってしまって······」
佐山氏の一件からずっと、館内の情報が外に漏れているような気がしていた。もしかしたらその相手は同じ資料課の人かもしれない。そんな風に疑う自分も嫌だが、では何故池上が川真田と同じ日同じ時間に我が家の近くに現れたのか説明がつかない。
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