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097 第四のコレクター川真田の告白④
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「やあ、よく来て下さった。あなたなら歓迎しますよ」
「すみません。突然お邪魔したいと申しまして」
私は辻堂刑事にお願いをして、八頭家に連絡を取ってもらった。
八頭女史が雇っていた清水夫妻は本邸の方で働くことになったようだが、今のところは思い入れのある離れで変わらずに暮らしているという。
「すでにご報告していますが、川真田猛さんは亡くなりました。お嬢様との婚姻については結局どうなりましたか?」
付いてきてくれた辻堂刑事が水を向けると、龍司氏がすぐに受けてくれる。
「それは当然無効でしたよ。知ってのとおり、あいつらは娘が離婚していることを知らなかった。それと近くのコンビニで勝手に娘の戸籍謄本を出力しているところもカメラに記録されている。だがね、川真田がもたもたとボタンを押すのにじれたのか、門木とかいう猿頭が途中から代わって作業したのだが、――猿は左利きでしたな」
「ええ、左で押してましたね」
「それから役所の戸籍課には弁護士に確認させまして、当然のごとく婚姻届に『婚姻歴なし』という虚偽記載があって差し戻しになっていたので引き取りました。すると面白いことに証人欄のところが『牧田道佳』と『池上聡太』になっていたのですよ」
「牧田、ですか? 佐山ではなく?」
「そうなんです。この間おたくへ映画を観に行った時にいた、佐山義之の婿でしょう? それなら『佐山道佳』となるはずだ。それで、気になって帰りに池上聡太さんを呼び止めて聞いてみたんですよ。『今もお住まいは西尾区ですか?』ってね」
「証人欄の住所ですか?」
辻堂刑事が興味深そうに重ねて聞くと、龍司氏はにやりと悪い顔で笑った。
「そうしたら彼は驚いた顔をしていましたが、『以前はそこに住んでいましたけど、今は別のところですよ。その時にお会いしてましたか?』って!」
「それじゃあ······」
「十中八九、証人欄も偽造でしたな。せっかく追い詰めてやろうとしてたのが無駄になりましたが、······あいつ自殺なんてするタマですかね?」
「すみません。突然お邪魔したいと申しまして」
私は辻堂刑事にお願いをして、八頭家に連絡を取ってもらった。
八頭女史が雇っていた清水夫妻は本邸の方で働くことになったようだが、今のところは思い入れのある離れで変わらずに暮らしているという。
「すでにご報告していますが、川真田猛さんは亡くなりました。お嬢様との婚姻については結局どうなりましたか?」
付いてきてくれた辻堂刑事が水を向けると、龍司氏がすぐに受けてくれる。
「それは当然無効でしたよ。知ってのとおり、あいつらは娘が離婚していることを知らなかった。それと近くのコンビニで勝手に娘の戸籍謄本を出力しているところもカメラに記録されている。だがね、川真田がもたもたとボタンを押すのにじれたのか、門木とかいう猿頭が途中から代わって作業したのだが、――猿は左利きでしたな」
「ええ、左で押してましたね」
「それから役所の戸籍課には弁護士に確認させまして、当然のごとく婚姻届に『婚姻歴なし』という虚偽記載があって差し戻しになっていたので引き取りました。すると面白いことに証人欄のところが『牧田道佳』と『池上聡太』になっていたのですよ」
「牧田、ですか? 佐山ではなく?」
「そうなんです。この間おたくへ映画を観に行った時にいた、佐山義之の婿でしょう? それなら『佐山道佳』となるはずだ。それで、気になって帰りに池上聡太さんを呼び止めて聞いてみたんですよ。『今もお住まいは西尾区ですか?』ってね」
「証人欄の住所ですか?」
辻堂刑事が興味深そうに重ねて聞くと、龍司氏はにやりと悪い顔で笑った。
「そうしたら彼は驚いた顔をしていましたが、『以前はそこに住んでいましたけど、今は別のところですよ。その時にお会いしてましたか?』って!」
「それじゃあ······」
「十中八九、証人欄も偽造でしたな。せっかく追い詰めてやろうとしてたのが無駄になりましたが、······あいつ自殺なんてするタマですかね?」
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