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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第24話 俺の既成概念からの脱却と浪漫を”非常識”の一言で片付けられてしまった件
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この世界の一般的な移動手段は徒歩、騎馬、馬車だ。この他にも騎獣という、ファンタジーなこの世界に生息している魔物、特殊騎馬の一角獣などを移動手段としている。
他にも海を行くなら、船、水蛇、水竜。空を移動するなら鷲獣、翼竜などが代表的なものだ。
科学技術が発達していないから当然といえば当然だが、徒歩以外は別の生き物頼みの移動手段。流石に幼竜形態のクロエに飛鳥と騎乗したり、馬車を牽かせる訳にはいかないので、今の俺達の移動手段は徒歩だ。
チートスキルや勇者補正などでこの世界の一般人よりも俺達は体力があるけれども、1日の限界移動距離は馬車などに比べるまでもない。
だったら、馬を買えばいいという話になるが、生き物を飼育することはコストとリスクが馬鹿にならない。餌の用意に始まり、排泄物の処理や寝床の世話、病気や怪我などの注意と負った際の治療も必須。
以前、折角【魔術】があるのだから、移動専用の魔法生物を作り出せばいいのでは?
とオディオ王国の魔術の座学のときに講師だった筆頭宮廷魔術師のイーヌ・カマセに質問したのだが、一般的に魔法生物とは水妖、人造魔法生命体、石造兵を指し、水妖は不定形生物、、人造魔法生命体、石造兵は人型であることが前提となっていて、変更できないと教わった。
なぜ、変更できないのかと訊いても、「そうなっているから」としか回答されなかったうえに、「そんなこともわからないのか」と馬鹿にされ、あの駄メンと脳筋、メガネにも馬鹿にされた。
個人的に【魔術】を探求する”魔術師”、”魔導師”として、イーヌとメガネは失格だと思った一幕だ。
その疑念が悶々とする中、俺はオディオ王国脱出という1つの目的を果たし、精神的に少し余裕ができたので、新たなスキル、【魔法生物創造】を創った。
このスキルは前述の水妖、人造魔法生命体、石造兵に限らず、俺が知っていたり思い描いた幻想生物を創りだすスキルで、スキル設定などの細かい設定も可能というある意味恐ろしいスキルだ。
欠点は使用には創造物毎に規定の魔力を消費することと、創りだすには素材が必要になること。魔力を消費してこのスキルで創造する魔法生物は【魔術】の【水妖作製】や【石造兵作製】などで作り出される同種のものよりも魔力消費が高いことだ。
俺が記念すべき第一号として作ることにした魔法生物は定番の”ゴーレム”。もちろん、ただのゴーレムではない。俺達の集団に欠けている前衛の盾役を担うのと、馬車を牽くこと、野営時の夜間警戒を担当してもらう。
構成素材はオディオ王国の宝物庫で死蔵されていて、慰謝料としてもらってきた代表的なファンタジー素材の軽くて硬い魔法銀。
魔法銀も悪趣味な彫像の素材として無駄使いされていたので、【分解】した。心臓部となる”ゴーレム核石”は魔物の魔石を加工するので、闇黒魔竜クロノエクソスを倒したときに得た手持ちで最上級の魔石で作製したものを用意した。
形状は人型? いやいや、馬車を牽いてもらうのだから、人馬型だ。
外見は騎士甲冑を纏ったツインアイの勇者ロボっぽいイメージだ。ただし、状況に応じて普通の馬にも見える【偽装】をもたせる。ゴーレムは命令に忠実だけど、反逆防止の仕組みと戦闘と諸々のために学習機能を設定。
武装は大盾と人族だと両手で持たないと使えない大剣のクレイモアを主要武器に。一応、予備のクレイモアを持たせているが、補助武器として、弓矢と長剣を4本……体躯があるからか長剣が投擲用のダガーに見える不思議。これらの武器と専用の試作浪漫兵器各種は旅の合間でこつこつ作製して既に【空間収納】に入れてある。
ちなみに、飛鳥には俺の保有スキルなどについて全て説明済み。更に仮拠点で決めた飛鳥との間柄も現在では”叔父姪”以外は設定ではなくなっている。
クロエが飛鳥を後押しして、俺と飛鳥の関係は変わった。飛鳥の意向もあって、俺はクロエと飛鳥を娶ることを約束して、2人に婚約指輪を作って渡した。当然、俺が作った婚約指輪には多くの機能を付与している。
閑話休題、現在道中の人目のない見渡しのいい平原で食事と後片付けを終えた。飛鳥に周辺警戒をお願いし、クロエには魔力不足による失敗を避けるため、万が一に備えて、俺とクロエ間で可能になっている【魔力譲渡】をお願いしている。
「じゃあ、クロエこれから始めるぞ」
『心得た』
クロエの返事を聞いて。俺は【魔法生物創造】の画面表示の[作製開始]ボタンを押した。
「ぐ……」
直後に襲ってきた魔力をごっそり失った疲労感。あっ、不味いと思って、魔力回復薬を取り出した瞬間に俺の意識は闇に落ちた。
■
『ご主人、ご主人、起きよ、ご主人』
ペシペシと頬を叩いて俺を呼ぶクロエの声に目が覚めた。どうやら俺は魔力切れで気絶していたようだ。今はクロエに頭を膝枕してもらっているようだ。
「ん……ありがとうクロエ。それで結果は?」
クロエに礼を述べて、俺は上半身を起こして尋ねた。
『ほれ、あちらに完成しておるぞ。我からも大量に魔力を持っていきおって。我の魔力量を以ってしてもギリギリだったのじゃぞ。一体どれだけこやつに詰め込んだのじゃ』
クロエが呆れて返答した先には俺が思い描いていた騎士甲冑に身を包んだ人馬の騎士が佇んでいた。
「悪いがクロエ、飛鳥を呼んできてくれないか」
『分かった。ところで、こやつの名はなんというのじゃ?』
「このゴーレム騎士の名前は”ケイロン”だ」
『あい、分かった。はぁ、我の知る石兵を超えておる。非常識じゃな』
「ぐうっ」
嘆息とともに飛鳥を呼びにいったクロエの言葉にダメージを受けた俺は馬が休む姿勢で待機していたケイロンに近寄る。すると、ケイロンは音もなく立ち上がった。
「オハヨウゴザイマス、マスター」
エフェクトのかかった速○奨ボイスでケイロンが俺に呼びかけた。この外見なら、やはり声はこれだなと俺は内心で自画自賛する。
「ああ、おはよう。お前の名はケイロンだ」
「畏マリマシタ」
「命令優先権は俺、クロエ、飛鳥の順だ。この3人がいない場合はこれから積み重ねる経験からケイロンが判断しろ」
「畏マリマシタ」
「早速だが、【索敵】を起動して、周囲に敵性存在がいないか確認してくれ」
「畏マリマシタ……周囲1Kmニ敵性存在ハ確認デキマセン」
「ありがとう。ケイロンに頼むのは都度指示を出すが、基本、道中は目的地までの馬車の牽引と周辺警戒。戦闘時はパーティの盾役を頼む」
「了解シマシタ。不足情報アリ、情報ノ教授ヲオ願イシマス」
「ああ……」
クロエに連れられて周辺警戒のため離れていた飛鳥が来るまで、俺はケイロンにこれから任せる仕事と戦闘時の盾役の役割などを説明した。
他にも海を行くなら、船、水蛇、水竜。空を移動するなら鷲獣、翼竜などが代表的なものだ。
科学技術が発達していないから当然といえば当然だが、徒歩以外は別の生き物頼みの移動手段。流石に幼竜形態のクロエに飛鳥と騎乗したり、馬車を牽かせる訳にはいかないので、今の俺達の移動手段は徒歩だ。
チートスキルや勇者補正などでこの世界の一般人よりも俺達は体力があるけれども、1日の限界移動距離は馬車などに比べるまでもない。
だったら、馬を買えばいいという話になるが、生き物を飼育することはコストとリスクが馬鹿にならない。餌の用意に始まり、排泄物の処理や寝床の世話、病気や怪我などの注意と負った際の治療も必須。
以前、折角【魔術】があるのだから、移動専用の魔法生物を作り出せばいいのでは?
とオディオ王国の魔術の座学のときに講師だった筆頭宮廷魔術師のイーヌ・カマセに質問したのだが、一般的に魔法生物とは水妖、人造魔法生命体、石造兵を指し、水妖は不定形生物、、人造魔法生命体、石造兵は人型であることが前提となっていて、変更できないと教わった。
なぜ、変更できないのかと訊いても、「そうなっているから」としか回答されなかったうえに、「そんなこともわからないのか」と馬鹿にされ、あの駄メンと脳筋、メガネにも馬鹿にされた。
個人的に【魔術】を探求する”魔術師”、”魔導師”として、イーヌとメガネは失格だと思った一幕だ。
その疑念が悶々とする中、俺はオディオ王国脱出という1つの目的を果たし、精神的に少し余裕ができたので、新たなスキル、【魔法生物創造】を創った。
このスキルは前述の水妖、人造魔法生命体、石造兵に限らず、俺が知っていたり思い描いた幻想生物を創りだすスキルで、スキル設定などの細かい設定も可能というある意味恐ろしいスキルだ。
欠点は使用には創造物毎に規定の魔力を消費することと、創りだすには素材が必要になること。魔力を消費してこのスキルで創造する魔法生物は【魔術】の【水妖作製】や【石造兵作製】などで作り出される同種のものよりも魔力消費が高いことだ。
俺が記念すべき第一号として作ることにした魔法生物は定番の”ゴーレム”。もちろん、ただのゴーレムではない。俺達の集団に欠けている前衛の盾役を担うのと、馬車を牽くこと、野営時の夜間警戒を担当してもらう。
構成素材はオディオ王国の宝物庫で死蔵されていて、慰謝料としてもらってきた代表的なファンタジー素材の軽くて硬い魔法銀。
魔法銀も悪趣味な彫像の素材として無駄使いされていたので、【分解】した。心臓部となる”ゴーレム核石”は魔物の魔石を加工するので、闇黒魔竜クロノエクソスを倒したときに得た手持ちで最上級の魔石で作製したものを用意した。
形状は人型? いやいや、馬車を牽いてもらうのだから、人馬型だ。
外見は騎士甲冑を纏ったツインアイの勇者ロボっぽいイメージだ。ただし、状況に応じて普通の馬にも見える【偽装】をもたせる。ゴーレムは命令に忠実だけど、反逆防止の仕組みと戦闘と諸々のために学習機能を設定。
武装は大盾と人族だと両手で持たないと使えない大剣のクレイモアを主要武器に。一応、予備のクレイモアを持たせているが、補助武器として、弓矢と長剣を4本……体躯があるからか長剣が投擲用のダガーに見える不思議。これらの武器と専用の試作浪漫兵器各種は旅の合間でこつこつ作製して既に【空間収納】に入れてある。
ちなみに、飛鳥には俺の保有スキルなどについて全て説明済み。更に仮拠点で決めた飛鳥との間柄も現在では”叔父姪”以外は設定ではなくなっている。
クロエが飛鳥を後押しして、俺と飛鳥の関係は変わった。飛鳥の意向もあって、俺はクロエと飛鳥を娶ることを約束して、2人に婚約指輪を作って渡した。当然、俺が作った婚約指輪には多くの機能を付与している。
閑話休題、現在道中の人目のない見渡しのいい平原で食事と後片付けを終えた。飛鳥に周辺警戒をお願いし、クロエには魔力不足による失敗を避けるため、万が一に備えて、俺とクロエ間で可能になっている【魔力譲渡】をお願いしている。
「じゃあ、クロエこれから始めるぞ」
『心得た』
クロエの返事を聞いて。俺は【魔法生物創造】の画面表示の[作製開始]ボタンを押した。
「ぐ……」
直後に襲ってきた魔力をごっそり失った疲労感。あっ、不味いと思って、魔力回復薬を取り出した瞬間に俺の意識は闇に落ちた。
■
『ご主人、ご主人、起きよ、ご主人』
ペシペシと頬を叩いて俺を呼ぶクロエの声に目が覚めた。どうやら俺は魔力切れで気絶していたようだ。今はクロエに頭を膝枕してもらっているようだ。
「ん……ありがとうクロエ。それで結果は?」
クロエに礼を述べて、俺は上半身を起こして尋ねた。
『ほれ、あちらに完成しておるぞ。我からも大量に魔力を持っていきおって。我の魔力量を以ってしてもギリギリだったのじゃぞ。一体どれだけこやつに詰め込んだのじゃ』
クロエが呆れて返答した先には俺が思い描いていた騎士甲冑に身を包んだ人馬の騎士が佇んでいた。
「悪いがクロエ、飛鳥を呼んできてくれないか」
『分かった。ところで、こやつの名はなんというのじゃ?』
「このゴーレム騎士の名前は”ケイロン”だ」
『あい、分かった。はぁ、我の知る石兵を超えておる。非常識じゃな』
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「ああ、おはよう。お前の名はケイロンだ」
「畏マリマシタ」
「命令優先権は俺、クロエ、飛鳥の順だ。この3人がいない場合はこれから積み重ねる経験からケイロンが判断しろ」
「畏マリマシタ」
「早速だが、【索敵】を起動して、周囲に敵性存在がいないか確認してくれ」
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「ありがとう。ケイロンに頼むのは都度指示を出すが、基本、道中は目的地までの馬車の牽引と周辺警戒。戦闘時はパーティの盾役を頼む」
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