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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第25話 テンプレの遭遇した賊による馬車襲撃から厄介ごとの臭いがプンプンする件
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人造人馬騎兵のケイロンに馬車を牽いてもらうことになってから予想以上に移動速度が改善された。
牽いてもらっている馬車もこの世界の馬車よりも高性能。サスペンションなどを備え、しかもキッチンが付いて、バス・トイレ付きで2階構造。横幅はこの世界の馬車に合わせてあるものの、さながらキャンピングカーの様なサイズだ。流石に目立つので常時【偽装】がかかって、2階部分は認識されない様にしている。
それを牽くケイロンは現在普通の馬に姿を【偽装】して、並足の速度で地面を蹴っている。更に速度を上げることも可能ではあるが、目的地が近づきすれ違う馬車が出てきたのである程度速度を落させている。
馬車を牽いているがケイロンと馬車が連結されているのは彼の馬の胴体部分に取り付けられている馬具。だからケイロンは両手が使えるので、武器の使用も可能だ。
戦闘時は馬車部分を換えて古代の戦車の様に運用することも想定している。また、人1人であれば、ケイロンの胴に騎乗することも可能だ。
■
「マスター、前方ニ襲撃サレテイル馬車ガアリマス」
「わかった。クロエ、飛鳥。間に合うかわからないが、救助に向かおうと思うがそれでいいか?」
ケイロンの報告を聞いて、俺は2人に尋ねた。厄介ごとの臭いがしなくもないが、ここで見捨てて先に行くのは流石に寝覚めが悪い。それに襲撃者達が口封じのために俺達を見逃すとは思いがたい。
『うむ、救援に向かおうかのう』
「ええ、できれば助けましょう」
「ケイロン、緊急事態につき、【偽装】を解除。弓矢で殺さない程度に賊の数を減らして接近してくれ」
2人が即答で同意してくれたので、俺はケイロンに指示をだした。
「了解シマシタ……目標捕捉、攻撃ヲ開始シマス」
そう言って、ケイロンは速度を上げながら【偽装】を解いて、左手の弓を構え、右手の矢を番えて、次々に放った。
狙い過たず全ての矢は賊共の武器を持つ手に吸い込まれ、
「「「ぐあっ」」」「「「ぐうう」」」
矢が命中した素性がばれない様に怪しい風体の襲撃者達は全員手に持っていた武器を取り落としていた。対して、襲われていた馬車についていた全うな身分と見受けられる護衛達は劣勢ながら、死人はまだいなかった。双方対面している相手とこちらに注意を向ける。
「分離します」
ケイロンが襲撃現場に到着して、馬車を馬具ごと切り離し、俺達は馬車から飛び降りた。
「助太刀します!」
『加勢しよう』
「援護シマス」
刀を持った飛鳥と短剣をそれぞれの手に持ったクロエ、大盾とクレイモアを持ったケイロンが劣勢の護衛側に付いたことで形勢は逆転。
そんななか、俺はなにをしているかというと、襲撃者と襲われている側のメンバー全員にスキル【鑑定LV3】を使った。奇襲を受けて不覚をとったのか、守りに入っていた被襲撃者側の守備隊長が重傷。他のメンバーも軽傷者が多数だった。
「はっ!」
「くぅ……」
飛鳥が敵の頭と思しき人物と切り結び、
『それそれ、吹き飛ぶがよいわ!』
「「ぐああああああ!」」
クロエが体術を混ぜた攻撃で雑魚を吹き飛ばし、
「死ね!」
「ヤラセマセン。【シールドバッシュ】!」
「げはあああっ」
ケイロンが負傷者にとどめを刺そうと素早く接近してきた賊を【盾術】の【手加減】付き【シールドバッシュ】で殴り飛ばしていた。
「くそっ、余計な真似を……退くぞ! 撤…ずらかれ!!」
飛鳥に武器の長剣を破壊された頭が言い直して大声をあげると、賊共は
「「ぐはっ」」
ご丁寧に意識を失って動けない仲間には急所にとどめを刺して、一目散に逃げ出した。
■
「助太刀と薬品の提供、感謝する」
先ほどまで重傷者だった実直な守備隊長さんが俺に礼を述べた。
「いえいえ、お代はきちんともらっていますので、お気になさらずに」
俺は少なくない怪我人にポーションを適性価格で提供した。
「いやしかし、私の愛馬にまであんな高いポーションを使っていただくとは……」
実は隊長さんの馬が脚の骨を折られた上に矢傷を負って、一番死に近い重傷を負っていたのだ。矢傷はそれほど深くなかったが、問題は脚の骨折。
たかが骨折と思うかもしれないが、脚1本でも骨折すると体を支えきれない馬にとっては致命傷だ。元の世界でも脚を骨折した馬は安楽死させてあげるくらいしか打つ手がなかったりするのだ。
「本当に気にされなくて結構ですよ。私を気にかけるなら、その分貴方の愛馬を気にかけてあげてください。あの子は自分よりも貴方の身を心配していたいい子ですから」
俺は持っている【隷属】スキルの副次効果で、強い意思を伴う動物の声が聞こえるようになっていた。そのため、目の前の人物を心配する悲痛な叫びが聞こえていたのだった。
あまりにうるさかったのもあったが、俺は手持ちのポーションでさっさと1人と1匹を治療し、その他にも倒れている護衛の人にポーションを投与した。戦闘が終了し、全員の回復を確認したところで馬車に乗っていた執事からポーションの代金を渡され、今に至るのだ。
「ぶるるるっ」
守備隊長の馬が鼻をならして俺に頬をすり寄せてきた。
「馬番にも気を許さないやつなんですけどね」
守備隊長は愛馬のその珍しい姿にそう苦笑いを返す。
「では、私達はこの辺で失礼します。もうしばらくしたら、目的地のメルキオールですので、道中お気をつけて」
「ああ、そちらこそな」
俺は守備隊長と護衛の人達に見送られて、その場を後にし、皆が待つ馬車に戻った。
■
「あっおかえりなさい優さん」
『おおっ、戻ったかご主人』
「オカエリナサイマセ、マスター」
「ただいまみんな」
馬車に戻ると皆が出迎えてくれた。
『それでどうだったのじゃ?』
「臨時収入があったと喜ぶべきか……」
ポーションの代金分稼げたと思えばプラスなのだが……
「と言いますと?」
飛鳥が心配気に尋ねてきたので、
「ケイロン、周囲に俺達の会話を聴いている存在はあるか?」
「……アリマセン」
「ありがとう。先の一件、襲撃者側も襲われている方もどちらもバルタザール騎士王国の人間だった」
『ほほう……』
「それって……」
クロエは目を細め、飛鳥は驚きの声をあげた。
「多分、貴族家のお家騒動なんだろうね。他所でやるなんてご苦労なことだ」
俺は人命救助を優先したが、結果として厄介ごとに関わってしまったかもしれないから、そう吐き捨てた。
『それで、我らはこれから、どう動く?』
やさぐれた様子の俺にクロエが問いかける。
「予定通りメルキオールに行こう。道中、さっきの襲撃者が報復に来たら返り討ちにする方向で」
「そうですね。別にさっきの人達からは協力を求められた訳ではありませんし」
『たしかにのう。あちらが身分を明かさなかった以上、こちらが出しゃばる必要はないの』
「了解シマシタ」
俺の返答に皆同意したところで、俺達は再びメルキオールを目指した馬車旅に戻った。
「本当に、嫌な予感しかしない……」
俺はおさまらないその予感に鬱屈とした気分にならざるを得なかった。
牽いてもらっている馬車もこの世界の馬車よりも高性能。サスペンションなどを備え、しかもキッチンが付いて、バス・トイレ付きで2階構造。横幅はこの世界の馬車に合わせてあるものの、さながらキャンピングカーの様なサイズだ。流石に目立つので常時【偽装】がかかって、2階部分は認識されない様にしている。
それを牽くケイロンは現在普通の馬に姿を【偽装】して、並足の速度で地面を蹴っている。更に速度を上げることも可能ではあるが、目的地が近づきすれ違う馬車が出てきたのである程度速度を落させている。
馬車を牽いているがケイロンと馬車が連結されているのは彼の馬の胴体部分に取り付けられている馬具。だからケイロンは両手が使えるので、武器の使用も可能だ。
戦闘時は馬車部分を換えて古代の戦車の様に運用することも想定している。また、人1人であれば、ケイロンの胴に騎乗することも可能だ。
■
「マスター、前方ニ襲撃サレテイル馬車ガアリマス」
「わかった。クロエ、飛鳥。間に合うかわからないが、救助に向かおうと思うがそれでいいか?」
ケイロンの報告を聞いて、俺は2人に尋ねた。厄介ごとの臭いがしなくもないが、ここで見捨てて先に行くのは流石に寝覚めが悪い。それに襲撃者達が口封じのために俺達を見逃すとは思いがたい。
『うむ、救援に向かおうかのう』
「ええ、できれば助けましょう」
「ケイロン、緊急事態につき、【偽装】を解除。弓矢で殺さない程度に賊の数を減らして接近してくれ」
2人が即答で同意してくれたので、俺はケイロンに指示をだした。
「了解シマシタ……目標捕捉、攻撃ヲ開始シマス」
そう言って、ケイロンは速度を上げながら【偽装】を解いて、左手の弓を構え、右手の矢を番えて、次々に放った。
狙い過たず全ての矢は賊共の武器を持つ手に吸い込まれ、
「「「ぐあっ」」」「「「ぐうう」」」
矢が命中した素性がばれない様に怪しい風体の襲撃者達は全員手に持っていた武器を取り落としていた。対して、襲われていた馬車についていた全うな身分と見受けられる護衛達は劣勢ながら、死人はまだいなかった。双方対面している相手とこちらに注意を向ける。
「分離します」
ケイロンが襲撃現場に到着して、馬車を馬具ごと切り離し、俺達は馬車から飛び降りた。
「助太刀します!」
『加勢しよう』
「援護シマス」
刀を持った飛鳥と短剣をそれぞれの手に持ったクロエ、大盾とクレイモアを持ったケイロンが劣勢の護衛側に付いたことで形勢は逆転。
そんななか、俺はなにをしているかというと、襲撃者と襲われている側のメンバー全員にスキル【鑑定LV3】を使った。奇襲を受けて不覚をとったのか、守りに入っていた被襲撃者側の守備隊長が重傷。他のメンバーも軽傷者が多数だった。
「はっ!」
「くぅ……」
飛鳥が敵の頭と思しき人物と切り結び、
『それそれ、吹き飛ぶがよいわ!』
「「ぐああああああ!」」
クロエが体術を混ぜた攻撃で雑魚を吹き飛ばし、
「死ね!」
「ヤラセマセン。【シールドバッシュ】!」
「げはあああっ」
ケイロンが負傷者にとどめを刺そうと素早く接近してきた賊を【盾術】の【手加減】付き【シールドバッシュ】で殴り飛ばしていた。
「くそっ、余計な真似を……退くぞ! 撤…ずらかれ!!」
飛鳥に武器の長剣を破壊された頭が言い直して大声をあげると、賊共は
「「ぐはっ」」
ご丁寧に意識を失って動けない仲間には急所にとどめを刺して、一目散に逃げ出した。
■
「助太刀と薬品の提供、感謝する」
先ほどまで重傷者だった実直な守備隊長さんが俺に礼を述べた。
「いえいえ、お代はきちんともらっていますので、お気になさらずに」
俺は少なくない怪我人にポーションを適性価格で提供した。
「いやしかし、私の愛馬にまであんな高いポーションを使っていただくとは……」
実は隊長さんの馬が脚の骨を折られた上に矢傷を負って、一番死に近い重傷を負っていたのだ。矢傷はそれほど深くなかったが、問題は脚の骨折。
たかが骨折と思うかもしれないが、脚1本でも骨折すると体を支えきれない馬にとっては致命傷だ。元の世界でも脚を骨折した馬は安楽死させてあげるくらいしか打つ手がなかったりするのだ。
「本当に気にされなくて結構ですよ。私を気にかけるなら、その分貴方の愛馬を気にかけてあげてください。あの子は自分よりも貴方の身を心配していたいい子ですから」
俺は持っている【隷属】スキルの副次効果で、強い意思を伴う動物の声が聞こえるようになっていた。そのため、目の前の人物を心配する悲痛な叫びが聞こえていたのだった。
あまりにうるさかったのもあったが、俺は手持ちのポーションでさっさと1人と1匹を治療し、その他にも倒れている護衛の人にポーションを投与した。戦闘が終了し、全員の回復を確認したところで馬車に乗っていた執事からポーションの代金を渡され、今に至るのだ。
「ぶるるるっ」
守備隊長の馬が鼻をならして俺に頬をすり寄せてきた。
「馬番にも気を許さないやつなんですけどね」
守備隊長は愛馬のその珍しい姿にそう苦笑いを返す。
「では、私達はこの辺で失礼します。もうしばらくしたら、目的地のメルキオールですので、道中お気をつけて」
「ああ、そちらこそな」
俺は守備隊長と護衛の人達に見送られて、その場を後にし、皆が待つ馬車に戻った。
■
「あっおかえりなさい優さん」
『おおっ、戻ったかご主人』
「オカエリナサイマセ、マスター」
「ただいまみんな」
馬車に戻ると皆が出迎えてくれた。
『それでどうだったのじゃ?』
「臨時収入があったと喜ぶべきか……」
ポーションの代金分稼げたと思えばプラスなのだが……
「と言いますと?」
飛鳥が心配気に尋ねてきたので、
「ケイロン、周囲に俺達の会話を聴いている存在はあるか?」
「……アリマセン」
「ありがとう。先の一件、襲撃者側も襲われている方もどちらもバルタザール騎士王国の人間だった」
『ほほう……』
「それって……」
クロエは目を細め、飛鳥は驚きの声をあげた。
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俺は人命救助を優先したが、結果として厄介ごとに関わってしまったかもしれないから、そう吐き捨てた。
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「そうですね。別にさっきの人達からは協力を求められた訳ではありませんし」
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