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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第26話 自由連合同盟都市国家メルキオールとオディオ王国の因縁の件
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自由連合同盟都市国家メルキオール。この国の名がこの世界の歴史に出てくるのはオディオ王国ができてから100年後。未だ続く群雄割拠の戦国時代の中で南に広がる砂漠から豊かな土地を求めて北侵してくるカスパル帝国と東のオディオ王国に対抗するために勃興していた複数の都市国家を治める代表者達が2つ強国から自分達の自由を守るために結んだ同盟が起源となっていると伝えられている。
今からおよそ100年前に帝国とオディオ王国の最後の戦争で、カスパル帝国が惜敗、オディオ王国が辛勝したのを機に各国間で休戦協定、平和条約が結ばれ、この世界は平和になったかと思われていた。各国の世論もしくは首脳が他国に攻め込めとなった危ない時期もあるにはあったらしいが、なんとか戦争回避には成功していたらしい。
しかし、現オディオ国王が即位してから、オディオ王国は再び軍拡をはじめ、協定と条約で二重に禁止していた禁忌の”勇者召喚”を行った。しかも、各国の国民を秘密裏に誘拐して生贄にするという暴挙に出て……という情報が各国へ広まった。もっとも、肝心の勇者がオディオ王国の国民の前にすら姿を現していないため、その情報の真偽が疑われていたらしい。
しかし、オディオ王国の国境で王国軍が展開したことにより、協定と条約を結んでいた各国は連合軍を形成することを余儀なくされる。連合軍はメルキオールとオディオ王国の国境周辺に展開して、実はオディオ王国軍と一戦交えるところまで緊張がかなり高まっていたらしい。
ところが、ある日突然、オディオ王国軍が瓦解して、逃散。オディオ王国の貴族と国民が国外へ亡命を開始し始めた。こうして思わぬ敵の自滅により、連合軍は一戦することなく解散することになった。
各国は亡命してきた貴族に事情聴取を行うも、彼等の証言は要領を得ず、難民や東から来た商人達に訊いても、彼等からは”オディオ王国は竜の呪いで滅びる”という言葉しか得られなかったそうだ。
その影響をもっとも受けたのが東で国境を隣接していた自由連合同盟都市国家メルキオール。着の身着のままオディオ王国から亡命して来た民が移民を受け入れるために造られた東地区に集中。入都料を払える者は東地区に住み着き、人口過密に。払えない者は門外に居ついて、もともとあったスラムが急速に拡大しているとか。
メルキオールは北西に行くほど治安がよくなる積層型の大都市である。都市の中心部は北西地区の人工の高台にあるそうだ。これだけでメルキオールが南と東を警戒しているのが簡単に分かる。各ギルドの本部もその高台にあるのかと思いきや、ギルド本部は利便性を優先して、都市の中央区にギルド間の連携を考えて密集しているとのことだ。
オディオ王国でほとんど話を聞かないカスパル帝国なのだが、この帝国はオディオ王国との100年前の最後の戦争の傷跡が今なお深く残っているのと領地の砂漠化が進行して深刻な状態らしい。歴史自体は現存する国家で最古なのだが、国力でいうならば下から数えたほうが誇張なく早い。
カスパル帝国の砂漠には帝国の古代遺跡や廃棄都市などの浪漫あるダンジョンが多数あるそうで、それを商機とみたメルキオールの商人達が国をあげて帝国を援助。先代オディオ国王と学友だった現カスパル皇帝が即位してから国力を大きく回復したとか。
■
『のう、ご主人よ。難民共が口にしておるこの”竜の呪い”とはなんじゃ?』
メルキオールの東門で入場待ちのためにまったり待機している俺達はすることがほとんどないため、俺が集めた情報の共有をおこなった。先の発言は、仰向けになった俺の腹の上で幼竜形態でうつ伏せで丸くなっているクロエの言葉だ。俺の頭は飛鳥の膝枕を堪能中である。あるのだが……
「優さん、隠し事は許しませんよ」
衣服越しの豊かな魅惑の山脈の向こうで笑顔で青筋が浮かんでいる飛鳥の顔が幻視できたので、俺は正直に自分がオディオ王家と勇者(笑)に【竜化】して偽名を名乗って【呪術】で仕返しをしたことを白状した。(20話参照)
『ぬううう、ご主人だけこんな楽しいことをやるなんてずるいのじゃ! 我もやりたかったぞ!!』
クロエが俺の腹の上で手足をバタバタして暴れる。ちょ、おま、暴れるな! コドモか!
『ぬわわ、ご主人、それはやめてたもう! 痛いのじゃ』
俺は暴れるクロエにアイアンクローをかました。すると、
「もう、優さん、クロエをその辺で許してあげてください。それに……」
私達のために危ないことはしないでくださいねと飛鳥は膝上にある俺の頭を抱きしめてきた。
飛鳥からも、なにか小言を言われるのかと覚悟していた俺は肩透かしを食らった感じになり、思わずクロエを解放してしまった。
『ふう、助かったのじゃ、飛鳥。感謝するぞ』
幼竜形態から幼女形態のメイド服装備に変身したクロエが飛鳥の横に座った。
あれ? 俺は鼻と口が塞がれて段々息苦しくなってきたんですけど!?
タップしてギブアップの意思表示をするも、飛鳥が解放してくれる様子がない。かなりお怒りでいらっしゃる!?
俺は天国と地獄を味わいながらタップを繰り返すこと数度、クロエの助言でようやく俺は解放された。
そして、ようやく馬車が動き出し、俺達に番が回ってきた。ちなみに、【認識阻害】と【偽装】で御者台には俺のダミーが座っているから俺が御者台に座りなおしても怪しまれることはまずない。
今からおよそ100年前に帝国とオディオ王国の最後の戦争で、カスパル帝国が惜敗、オディオ王国が辛勝したのを機に各国間で休戦協定、平和条約が結ばれ、この世界は平和になったかと思われていた。各国の世論もしくは首脳が他国に攻め込めとなった危ない時期もあるにはあったらしいが、なんとか戦争回避には成功していたらしい。
しかし、現オディオ国王が即位してから、オディオ王国は再び軍拡をはじめ、協定と条約で二重に禁止していた禁忌の”勇者召喚”を行った。しかも、各国の国民を秘密裏に誘拐して生贄にするという暴挙に出て……という情報が各国へ広まった。もっとも、肝心の勇者がオディオ王国の国民の前にすら姿を現していないため、その情報の真偽が疑われていたらしい。
しかし、オディオ王国の国境で王国軍が展開したことにより、協定と条約を結んでいた各国は連合軍を形成することを余儀なくされる。連合軍はメルキオールとオディオ王国の国境周辺に展開して、実はオディオ王国軍と一戦交えるところまで緊張がかなり高まっていたらしい。
ところが、ある日突然、オディオ王国軍が瓦解して、逃散。オディオ王国の貴族と国民が国外へ亡命を開始し始めた。こうして思わぬ敵の自滅により、連合軍は一戦することなく解散することになった。
各国は亡命してきた貴族に事情聴取を行うも、彼等の証言は要領を得ず、難民や東から来た商人達に訊いても、彼等からは”オディオ王国は竜の呪いで滅びる”という言葉しか得られなかったそうだ。
その影響をもっとも受けたのが東で国境を隣接していた自由連合同盟都市国家メルキオール。着の身着のままオディオ王国から亡命して来た民が移民を受け入れるために造られた東地区に集中。入都料を払える者は東地区に住み着き、人口過密に。払えない者は門外に居ついて、もともとあったスラムが急速に拡大しているとか。
メルキオールは北西に行くほど治安がよくなる積層型の大都市である。都市の中心部は北西地区の人工の高台にあるそうだ。これだけでメルキオールが南と東を警戒しているのが簡単に分かる。各ギルドの本部もその高台にあるのかと思いきや、ギルド本部は利便性を優先して、都市の中央区にギルド間の連携を考えて密集しているとのことだ。
オディオ王国でほとんど話を聞かないカスパル帝国なのだが、この帝国はオディオ王国との100年前の最後の戦争の傷跡が今なお深く残っているのと領地の砂漠化が進行して深刻な状態らしい。歴史自体は現存する国家で最古なのだが、国力でいうならば下から数えたほうが誇張なく早い。
カスパル帝国の砂漠には帝国の古代遺跡や廃棄都市などの浪漫あるダンジョンが多数あるそうで、それを商機とみたメルキオールの商人達が国をあげて帝国を援助。先代オディオ国王と学友だった現カスパル皇帝が即位してから国力を大きく回復したとか。
■
『のう、ご主人よ。難民共が口にしておるこの”竜の呪い”とはなんじゃ?』
メルキオールの東門で入場待ちのためにまったり待機している俺達はすることがほとんどないため、俺が集めた情報の共有をおこなった。先の発言は、仰向けになった俺の腹の上で幼竜形態でうつ伏せで丸くなっているクロエの言葉だ。俺の頭は飛鳥の膝枕を堪能中である。あるのだが……
「優さん、隠し事は許しませんよ」
衣服越しの豊かな魅惑の山脈の向こうで笑顔で青筋が浮かんでいる飛鳥の顔が幻視できたので、俺は正直に自分がオディオ王家と勇者(笑)に【竜化】して偽名を名乗って【呪術】で仕返しをしたことを白状した。(20話参照)
『ぬううう、ご主人だけこんな楽しいことをやるなんてずるいのじゃ! 我もやりたかったぞ!!』
クロエが俺の腹の上で手足をバタバタして暴れる。ちょ、おま、暴れるな! コドモか!
『ぬわわ、ご主人、それはやめてたもう! 痛いのじゃ』
俺は暴れるクロエにアイアンクローをかました。すると、
「もう、優さん、クロエをその辺で許してあげてください。それに……」
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飛鳥からも、なにか小言を言われるのかと覚悟していた俺は肩透かしを食らった感じになり、思わずクロエを解放してしまった。
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俺は天国と地獄を味わいながらタップを繰り返すこと数度、クロエの助言でようやく俺は解放された。
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