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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第34話 錬金術師ギルドの抱える問題と明るい未来が現状見えない薬品ギルドの問題の件
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俺達はできあがったポーションを受付さんに出して錬金術師ギルドの建物を後にした。念のため俺達3人を対象にした【認識阻害】は建物を出た後すぐに有効にしている。
「あの受付の方、凄く喜んでいましたね……」
飛鳥が建物からかなり離れたところで口を開いた。しかし、その表情は若干引いている。飛鳥が言うとおり、受付さんは喜んではいた。
彼女は飛鳥の作ったポーションを見て驚き、クロエの作ったポーションを見て、椅子から転げ落ちて頭をぶつけ悶絶し、俺の作ったポーションを見て落ち着きを取り戻して、次の瞬間には小躍りして喜び出したのだった。
『むぅ、なぜご主人は”品質:並”のポーションを作ったのじゃ? ご主人の腕なら我と同じ”品質:最高”も作れたじゃろうに』
クロエが納得いかないと両頬を膨らませて抗議してきた。
クロエは年齢的にこの面子の中で最年長だが、【竜魔術】の【回生】の影響で精神が肉体に強く引っ張られていると以前、俺達に言った。
その様子を見て、飛鳥は俺の意図に気がついているのか苦笑いをしている。
「理由は錬金術師ギルド長の指定が錬金術師ギルドに納入するポーションだったからだ」
『んん?どういうことじゃ? 提出するのじゃから、品質は高い方がいいのではないのか?』
訳がわからないといった表情をするクロエ。
「違うわよクロエ。優さんが言っていることは今回ギルド長の指定したポーションはお店が売りに出せる品質のものを作らないといけないと言っているの。錬金術師ギルド加入希望者向けの課題だから、最初から最高品質のものは期待されていないはず。品質の多少のブレは許容範囲とされているかもしれないわね」
飛鳥が言うとおり、ミーネさんが出した課題は錬金術師としてポーションを作成し、ポーションの販売を行っている錬金術師ギルドの受付に提出するというものだった。
ちなみに俺が持っていたミーネさんが作った錬金術師入門の本で最初に作ることになるポーションは下級ポーションだ。
「確かにクロエが作ったポーションは最高品質のものだったけれども、同じポーションなのに他の品質:並のポーションと回復量が倍以上も違うでしょ? ギルド長が求めた品質のポーションは優さんが作った品質:並のものが正解だったはず。もっとも、良品質のものを作ってしまって失敗した私が言えた義理ではないのだけれどね」
そう言って飛鳥はクロエを宥めて自嘲した。あの部屋にあった材料が3つしか作れない量しかなかったため、作り直しができなかった。そして、課題であるから、俺達の手持ちの素材で作製するのはNG。
「クロエの作ったポーションは仲間内で使う分には全然問題ないが、商品として売り出すと同じ値段のポーションなのに回復量に大きな差がでてしまうのはよくない。ポーションを買う客はみんなクロエの作った最高品質のポーションを求めるようになるから問題にもなる」
客心理としては同じ値段であったら少しでも回復量が多い方がいい。しかし、
「極端な話になるが、最高品質のポーションしか売れなくなって、ポーションを作っている錬金術師は全員が最高品質のポーションを作り続けないといけなくなる。けれども、最高品質のポーションは普通の錬金術師の技量では狙って作れるものじゃない。そうなると、品質:最高のポーションを確実に作れるクロエは大量のポーションの納入を義務付けられて、休む間もなく、奴隷の様にポーションばかり作り続けることになるだろうな」
『それは困るのじゃ』
クロエがゲンナリした顔で応えた。
需要と供給という概念がこの世界にはまだ深く根付いていない。賢いクロエにとっては理屈はわかっているけれども、感情がまだ追いついていないようで不満顔だ。
「話は変わりますが、宿木亭の食堂でも話題になっていた様に錬金術師ギルドと薬品ギルドの対立は実際にあっているのですね」
飛鳥は受付さんの薬品ギルドに対する恨み節を思い出した様だ。
『組織を割る様な真似をあのミーネが行うとは思えんが、どうせ我等にとってはくだらない理由であろうな』
クロエは感心がないのか、どうでも良さそうに吐き捨てた。
話題の薬品ギルドはできてからまだ歴史が浅く、まだ半年ほどしか経っていないらしい。
だいたいその半年前、今からおよそ1年前にミーネさんが高齢を理由に引退する先代の錬金術師ギルド長の指名によって、就任したそうだ。
また、薬品ギルドのギルド長はミーネさんの2人いる兄の下の方で、彼女と同じ錬金術師らしい。しかし、その実力は高くなく、錬金術師ギルドにいたときはランクDだったそうだ。カリスマがあるとか美点があるのかといえば、褒められる点はなにもなく、そのくせプライドは人一倍高いという話だ。
『家を継いだ優秀な兄、錬金術師として大成した妹の板挟みで性格が捻れ曲がったんじゃろう。しかも、歳下の妹が自分の上に立つことが許せんときて、親の遺産使って妹へ嫌がらせとか、器が知れるのう』
クロエが受付さんの熱弁を思い出したのか、嘆息と共にそう吐き捨てた。
薬品ギルドの実態はミーネさんの下の兄が錬金術師ギルドから、ミーネさんを錬金術師ギルド長として認めることができない錬金術師達と金の力で引き抜かれた錬金術師達が錬金術師ギルドから脱退して作り上げた新興ギルド。
錬金術師ギルドに在籍していた約6割の錬金術師が薬品ギルドに移籍して、大半の上位ランク錬金術師が薬品ギルドに鞍替えしたのだった。
そのため、これまで錬金術師ギルドが冒険者ギルドに卸していた、上級ポーション以上のポーションは錬金術師ギルドでは充分な量を用意できないため、薬品ギルドが請け負うことになり、それ以下の等級のポーションを錬金術師ギルドが納品することになった。
宿木亭の食堂で聞いた話によると、薬品ギルドの評判は頗る悪い。美談はなかった。しかも、冒険者ギルドに納品される薬品ギルドポーションの品質は悪い方向にムラがあり過ぎて、"品質:並"が稀。"品質:低"もしくは"品質:最低"しかないとの嘆きが多数あった。
そのため、冒険者ギルド所属の冒険者達は薬品ギルドの上級ポーション以上のポーションよりも、等級は下ではあるが、錬金術師ギルドの品質の安定したポーションを購入しているそうだ。
おかげで錬金術師ギルドは儲かってはいるものの、今度は需要に供給が追いついていない問題ができてしまった。
7日後の納品日であるが、あとポーション3,000本の生産が必要なため受付さんはお通夜の雰囲気を纏っていた様だ。
手が空いている錬金術師はギルド長を除いて受付さん以外いない状況。だいたい受付さんのランクであるCランク錬金術師の魔力量で1日に作れるポーションの最大数は約100本。
ほぼ確実に間に合わない状況で即戦力に成り得る俺達3人が加入してきたところだ。
まず、間違いなく、俺達はポーション作りを手伝うことになるが、【錬金術】の熟練度を上げるのに丁度いい訓練になる。問題は薬品ギルド所属の錬金術師に絡まれたり、妨害される懸念があることか。
「まぁ、首尾よくミーネさんの後ろ盾を得られそうだからいいか。ポーション販売の問題は錬金術師ギルドが後続の育成を怠らない限り、時間が経てば薬品ギルドの自然崩壊で解決するだろう」
飛鳥とクロエは俺と同意見なのか頷いている。
『ふむ、2人はなぜそう思うのじゃ』
敢えてクロエが俺達に訊いてきた。
「薬品ギルドが任されている仕事の結果が求められている基準を満たせていないこと。周囲との信頼関係の構築を軽視していること。後続の育成を行える環境ではないこと。この3点はその理由になりますか?」
飛鳥が俺を見て、意見を求めてきた。
「ああ、あとは錬金術師ギルドと違って目立った業績が歴史が浅い薬品ギルドにはないことが、それに加わると俺は思う」
飛鳥の言った3つは俺が思い浮かんだ薬品ギルドの問題と一致していた。俺が挙げたのは前2つの問題の解決に繋がる。だが、それが解決しても致命的な問題はまだある。
後続の育成を行える環境ではないことというのは、薬品ギルドの仕事が駆け出し錬金術師では作製が難しい上級ポーション以上のポーションの作製だからだ。
上級ポーション以上のポーションは錬金術師ギルドのランクD以下の技量では容易に作れる代物ではない。まず失敗を繰り返し続けるだけで、心が折れる未来しか見えない。
成功体験がなければ人は育ったないし、確固たる意思や理由がない限り、その仕事を続けるのは厳しい。
建設的かつ具体的な解決策を見出さない限り、将来的に薬品ギルドは引退などで所属員が次第にいなくなる。そして、人手を確保できなくなった薬品ギルドが担当していた仕事は、上級ポーション以上のポーション作製のできる錬金術師を育てた錬金術師ギルドが再び受け持つことになるだろう。
錬金術師ギルドと薬品ギルドの話題をここで一区切りとして、予定外に時間ができてしまった俺達は買い物を楽しむべく、市場のある北を目指して歩き出した。
「あの受付の方、凄く喜んでいましたね……」
飛鳥が建物からかなり離れたところで口を開いた。しかし、その表情は若干引いている。飛鳥が言うとおり、受付さんは喜んではいた。
彼女は飛鳥の作ったポーションを見て驚き、クロエの作ったポーションを見て、椅子から転げ落ちて頭をぶつけ悶絶し、俺の作ったポーションを見て落ち着きを取り戻して、次の瞬間には小躍りして喜び出したのだった。
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「理由は錬金術師ギルド長の指定が錬金術師ギルドに納入するポーションだったからだ」
『んん?どういうことじゃ? 提出するのじゃから、品質は高い方がいいのではないのか?』
訳がわからないといった表情をするクロエ。
「違うわよクロエ。優さんが言っていることは今回ギルド長の指定したポーションはお店が売りに出せる品質のものを作らないといけないと言っているの。錬金術師ギルド加入希望者向けの課題だから、最初から最高品質のものは期待されていないはず。品質の多少のブレは許容範囲とされているかもしれないわね」
飛鳥が言うとおり、ミーネさんが出した課題は錬金術師としてポーションを作成し、ポーションの販売を行っている錬金術師ギルドの受付に提出するというものだった。
ちなみに俺が持っていたミーネさんが作った錬金術師入門の本で最初に作ることになるポーションは下級ポーションだ。
「確かにクロエが作ったポーションは最高品質のものだったけれども、同じポーションなのに他の品質:並のポーションと回復量が倍以上も違うでしょ? ギルド長が求めた品質のポーションは優さんが作った品質:並のものが正解だったはず。もっとも、良品質のものを作ってしまって失敗した私が言えた義理ではないのだけれどね」
そう言って飛鳥はクロエを宥めて自嘲した。あの部屋にあった材料が3つしか作れない量しかなかったため、作り直しができなかった。そして、課題であるから、俺達の手持ちの素材で作製するのはNG。
「クロエの作ったポーションは仲間内で使う分には全然問題ないが、商品として売り出すと同じ値段のポーションなのに回復量に大きな差がでてしまうのはよくない。ポーションを買う客はみんなクロエの作った最高品質のポーションを求めるようになるから問題にもなる」
客心理としては同じ値段であったら少しでも回復量が多い方がいい。しかし、
「極端な話になるが、最高品質のポーションしか売れなくなって、ポーションを作っている錬金術師は全員が最高品質のポーションを作り続けないといけなくなる。けれども、最高品質のポーションは普通の錬金術師の技量では狙って作れるものじゃない。そうなると、品質:最高のポーションを確実に作れるクロエは大量のポーションの納入を義務付けられて、休む間もなく、奴隷の様にポーションばかり作り続けることになるだろうな」
『それは困るのじゃ』
クロエがゲンナリした顔で応えた。
需要と供給という概念がこの世界にはまだ深く根付いていない。賢いクロエにとっては理屈はわかっているけれども、感情がまだ追いついていないようで不満顔だ。
「話は変わりますが、宿木亭の食堂でも話題になっていた様に錬金術師ギルドと薬品ギルドの対立は実際にあっているのですね」
飛鳥は受付さんの薬品ギルドに対する恨み節を思い出した様だ。
『組織を割る様な真似をあのミーネが行うとは思えんが、どうせ我等にとってはくだらない理由であろうな』
クロエは感心がないのか、どうでも良さそうに吐き捨てた。
話題の薬品ギルドはできてからまだ歴史が浅く、まだ半年ほどしか経っていないらしい。
だいたいその半年前、今からおよそ1年前にミーネさんが高齢を理由に引退する先代の錬金術師ギルド長の指名によって、就任したそうだ。
また、薬品ギルドのギルド長はミーネさんの2人いる兄の下の方で、彼女と同じ錬金術師らしい。しかし、その実力は高くなく、錬金術師ギルドにいたときはランクDだったそうだ。カリスマがあるとか美点があるのかといえば、褒められる点はなにもなく、そのくせプライドは人一倍高いという話だ。
『家を継いだ優秀な兄、錬金術師として大成した妹の板挟みで性格が捻れ曲がったんじゃろう。しかも、歳下の妹が自分の上に立つことが許せんときて、親の遺産使って妹へ嫌がらせとか、器が知れるのう』
クロエが受付さんの熱弁を思い出したのか、嘆息と共にそう吐き捨てた。
薬品ギルドの実態はミーネさんの下の兄が錬金術師ギルドから、ミーネさんを錬金術師ギルド長として認めることができない錬金術師達と金の力で引き抜かれた錬金術師達が錬金術師ギルドから脱退して作り上げた新興ギルド。
錬金術師ギルドに在籍していた約6割の錬金術師が薬品ギルドに移籍して、大半の上位ランク錬金術師が薬品ギルドに鞍替えしたのだった。
そのため、これまで錬金術師ギルドが冒険者ギルドに卸していた、上級ポーション以上のポーションは錬金術師ギルドでは充分な量を用意できないため、薬品ギルドが請け負うことになり、それ以下の等級のポーションを錬金術師ギルドが納品することになった。
宿木亭の食堂で聞いた話によると、薬品ギルドの評判は頗る悪い。美談はなかった。しかも、冒険者ギルドに納品される薬品ギルドポーションの品質は悪い方向にムラがあり過ぎて、"品質:並"が稀。"品質:低"もしくは"品質:最低"しかないとの嘆きが多数あった。
そのため、冒険者ギルド所属の冒険者達は薬品ギルドの上級ポーション以上のポーションよりも、等級は下ではあるが、錬金術師ギルドの品質の安定したポーションを購入しているそうだ。
おかげで錬金術師ギルドは儲かってはいるものの、今度は需要に供給が追いついていない問題ができてしまった。
7日後の納品日であるが、あとポーション3,000本の生産が必要なため受付さんはお通夜の雰囲気を纏っていた様だ。
手が空いている錬金術師はギルド長を除いて受付さん以外いない状況。だいたい受付さんのランクであるCランク錬金術師の魔力量で1日に作れるポーションの最大数は約100本。
ほぼ確実に間に合わない状況で即戦力に成り得る俺達3人が加入してきたところだ。
まず、間違いなく、俺達はポーション作りを手伝うことになるが、【錬金術】の熟練度を上げるのに丁度いい訓練になる。問題は薬品ギルド所属の錬金術師に絡まれたり、妨害される懸念があることか。
「まぁ、首尾よくミーネさんの後ろ盾を得られそうだからいいか。ポーション販売の問題は錬金術師ギルドが後続の育成を怠らない限り、時間が経てば薬品ギルドの自然崩壊で解決するだろう」
飛鳥とクロエは俺と同意見なのか頷いている。
『ふむ、2人はなぜそう思うのじゃ』
敢えてクロエが俺達に訊いてきた。
「薬品ギルドが任されている仕事の結果が求められている基準を満たせていないこと。周囲との信頼関係の構築を軽視していること。後続の育成を行える環境ではないこと。この3点はその理由になりますか?」
飛鳥が俺を見て、意見を求めてきた。
「ああ、あとは錬金術師ギルドと違って目立った業績が歴史が浅い薬品ギルドにはないことが、それに加わると俺は思う」
飛鳥の言った3つは俺が思い浮かんだ薬品ギルドの問題と一致していた。俺が挙げたのは前2つの問題の解決に繋がる。だが、それが解決しても致命的な問題はまだある。
後続の育成を行える環境ではないことというのは、薬品ギルドの仕事が駆け出し錬金術師では作製が難しい上級ポーション以上のポーションの作製だからだ。
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成功体験がなければ人は育ったないし、確固たる意思や理由がない限り、その仕事を続けるのは厳しい。
建設的かつ具体的な解決策を見出さない限り、将来的に薬品ギルドは引退などで所属員が次第にいなくなる。そして、人手を確保できなくなった薬品ギルドが担当していた仕事は、上級ポーション以上のポーション作製のできる錬金術師を育てた錬金術師ギルドが再び受け持つことになるだろう。
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