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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第36話 サンドイッチがない世界で生まれたピタパンの件
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『ところで、ご主人はなにを買いに行っていたのじゃ?』
ツナコーンサラダとオークバラ串を交互に口にしていたクロエが思い出したように俺に尋ねた。
「俺が買ってきたのはこれだ」
俺は新たに取り出した皿の上に薄いポケットの様なパンを7枚出した。
ドネルケバブのケバブサンドで使われているピタパンだ。
■
このピタパンは屋台が密集している前の通りにあるパン屋が集まっている露店の1つで売っていたのだが、なぜか店には在庫山積みで店は閑古鳥が大合唱していたので、在庫の7割を一括で買った。
店の立地は決して悪くない通りに面していたのに最初は売れていないのが不思議だった。
試しに俺は何もポケット部分に入れずに素で食べてみてた。食感はモチモチしていて、悪い点がないのに売れていない理由が俺には思い当たらなかった。
考えてもわからないので、たくさん売れて上機嫌な店主に聞いてみたら、店主の実家がパン屋で彼の頑固な父親がある日思いつきでこのピタパンを数日前に作り出したらしい。
最初は物珍しさから、数枚売れていたが、以降は全く売れず。売れ残りは家族で消費しているが、それもそろそろ限界。今日売れなかったら、もう作るのを辞めると店主の父親が言っていたそうだ。商人ギルドに登録までしたのに俺が買わなかったら、完全に大赤字で終了だったらしい。
「売れなかったピタパンはどうやって食べているんですか?」
「ん?普通のパンと同じだが?」
この世界にはまだサンドイッチの様なパンの食べ方がまだ生まれていないのか、パンは単体で完成品と見られている様だ。
だったら、なんでポケット部分作ったんだと聞いたら、肉料理を直接手で掴んで食べる料理のために手袋代わりとして使えるものとして作ったらしい。
「屋台で串肉を売っている店主と相談して、串肉の肉と野菜を刻んだものをこのポケットに入れたものをこのパンと一緒に売りだした方がいいかもしれませんね。使い道がわからないから売れていないのかもしれませんし、もったいない」
このままだと折角この世界で生まれたピタパンが日の目を見ずにお亡くなりになるので、俺は食べ方一例を店主に言ってみた。
「! たしかに。その食べ方だったら売れるかもしれない。ダチが串肉の屋台をやっているから相談してみるぜ。ありがとよ。他に何か気づいたことあるかい?」
「そうですね……大量購入したら、少し割引をするといいかもしれませんね。例えば12枚買ったら、1割引とか。売れ残るよりも、多少少なくなっても、お金が手元に入った方がいいと俺は思います。その辺は生産者と要相談ですね」
この世界にはまだセット割引の概念がなかったので一例として言ってみた。
「なるほど。それもいい考えかもしれないな。親父達に相談してみるか」
「さっき言った食べ方の一例を商品として商人ギルドに登録して、正式に扱うのもいいかもしれません。余計なお世話かもしれませんが、争いの素になるから、きちんと串肉屋の店主と取り分の話はつけた方がいいですよ」
「おう、ありがとよ」
そう言うと、ピタパンを売っていた店主は今日はもう店じまいして串肉屋に交渉に行くと言うにで俺は今後定期的にピタパンを買う意思を伝えて別れた。
■
ピタパンのポケット部分に食用トングで少量ミックスキャベツサラダを入れて、ブラッドボーンブルの塩串肉をポケットに入れる……肉がでかいから串肉の2つ分しか入らなかった。
ポケットに入った肉から串を引き抜いて肉サンドの完成。ピタパンは買い溜めて残り100枚以上あるから、あの独特のソースを作ってドネルケバブサンドを再現するのも面白いかもしれない。
一口、二口……うんイケるな。先に串肉単体で味を見てみたが、絶妙の塩加減と肉汁がキャベツのドレッシング代りにもなっていい感じだ。
『おお、ご主人! 我にもそれを作らせてたもう』
俺が許可を出すと、クロエは喜々として、ピタパンにキャベツと手に持っていた串肉を入れてかぶりついた。
「んぬんむ……この食べ方はありじゃな。キャベツの食感も味わえるのもよい」
……美味しいのはわかるけれども、クロエさん、大口開けて一口で食べきるのはどうかと俺は思うぞ。飛鳥もクロエのその様子を見て苦笑いを浮かべている。
試作1つ目を食べきった俺は次のピタパンを手に取り、今度は別のスライス野菜をピタパンに入れ、さっき余った残りの牛串肉をさっきと同じ様にして串肉を串から抜いた。
「これ、玉ねぎをスライスしたものですか?」
「そうだ。この世界で玉ねぎはオニオと言うらしいけどね」
飛鳥の疑問に答えて、俺は再び肉サンドを食べる。これも充分美味しいけれど……。
俺は手にある肉サンドを食べきった後に、同じ様にもう1つピタパンにスライスした玉ねぎを入れ、今度はタレ味のブラッドボーンブルの串肉を入れて、食べてみた……塩味も悪くはないけれど、俺はこっちの方が好みだな。
「私もやってみていいですか?」
「ああ、もちろんいいぞ」
飛鳥も許可を求めてきたので、俺は快諾した。
追加のミックスキャベツサラダとスライス玉ねぎ、それらを取るためのトングを出した。後、味に変化をつけて楽しむのと自分にあった組み合わせを探すため、手持ちのドレッシング、ソース各種を追加してみた。
そして、俺たちは串肉サンドのいろいろな組み合わせ、キャベツと玉ねぎを半分ずつ入れたりするなどを試して、空腹を満たした。山の様に盛られていた串焼の山の大半はクロエの腹の中に物理法則をガン無視して収められた。
1つ気になったのは串焼きは肉の種類は豊富にあったが、塩味とほぼ違いがないと思える元の世界にあった焼き鳥のタレと同じタレ味しかなかったことだ。カレーがあるのだから、もっといろいろあるかと思っていたが、意外だった。
『ご主人、飛鳥、食後のお茶を淹れたのじゃ』
俺と飛鳥はクロエに礼を言って、彼女が淹れてくれた俺達では定番になっている緑茶を湯呑みで飲んで一服する。
「失礼、相席させていただいて、よろしいかな?」
俺達がくつろいでいると、1人の既視観のある初老の紳士がタレ味と塩味のブラッドホーンブルの串焼き一本ずつを乗せた皿と千切りキャベツ皿を載せたトレイを手に問いかけてきたので、俺は飛鳥とクロエに視線を向けると2人は頷いたので、俺は了承の意を伝えた。
ツナコーンサラダとオークバラ串を交互に口にしていたクロエが思い出したように俺に尋ねた。
「俺が買ってきたのはこれだ」
俺は新たに取り出した皿の上に薄いポケットの様なパンを7枚出した。
ドネルケバブのケバブサンドで使われているピタパンだ。
■
このピタパンは屋台が密集している前の通りにあるパン屋が集まっている露店の1つで売っていたのだが、なぜか店には在庫山積みで店は閑古鳥が大合唱していたので、在庫の7割を一括で買った。
店の立地は決して悪くない通りに面していたのに最初は売れていないのが不思議だった。
試しに俺は何もポケット部分に入れずに素で食べてみてた。食感はモチモチしていて、悪い点がないのに売れていない理由が俺には思い当たらなかった。
考えてもわからないので、たくさん売れて上機嫌な店主に聞いてみたら、店主の実家がパン屋で彼の頑固な父親がある日思いつきでこのピタパンを数日前に作り出したらしい。
最初は物珍しさから、数枚売れていたが、以降は全く売れず。売れ残りは家族で消費しているが、それもそろそろ限界。今日売れなかったら、もう作るのを辞めると店主の父親が言っていたそうだ。商人ギルドに登録までしたのに俺が買わなかったら、完全に大赤字で終了だったらしい。
「売れなかったピタパンはどうやって食べているんですか?」
「ん?普通のパンと同じだが?」
この世界にはまだサンドイッチの様なパンの食べ方がまだ生まれていないのか、パンは単体で完成品と見られている様だ。
だったら、なんでポケット部分作ったんだと聞いたら、肉料理を直接手で掴んで食べる料理のために手袋代わりとして使えるものとして作ったらしい。
「屋台で串肉を売っている店主と相談して、串肉の肉と野菜を刻んだものをこのポケットに入れたものをこのパンと一緒に売りだした方がいいかもしれませんね。使い道がわからないから売れていないのかもしれませんし、もったいない」
このままだと折角この世界で生まれたピタパンが日の目を見ずにお亡くなりになるので、俺は食べ方一例を店主に言ってみた。
「! たしかに。その食べ方だったら売れるかもしれない。ダチが串肉の屋台をやっているから相談してみるぜ。ありがとよ。他に何か気づいたことあるかい?」
「そうですね……大量購入したら、少し割引をするといいかもしれませんね。例えば12枚買ったら、1割引とか。売れ残るよりも、多少少なくなっても、お金が手元に入った方がいいと俺は思います。その辺は生産者と要相談ですね」
この世界にはまだセット割引の概念がなかったので一例として言ってみた。
「なるほど。それもいい考えかもしれないな。親父達に相談してみるか」
「さっき言った食べ方の一例を商品として商人ギルドに登録して、正式に扱うのもいいかもしれません。余計なお世話かもしれませんが、争いの素になるから、きちんと串肉屋の店主と取り分の話はつけた方がいいですよ」
「おう、ありがとよ」
そう言うと、ピタパンを売っていた店主は今日はもう店じまいして串肉屋に交渉に行くと言うにで俺は今後定期的にピタパンを買う意思を伝えて別れた。
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ピタパンのポケット部分に食用トングで少量ミックスキャベツサラダを入れて、ブラッドボーンブルの塩串肉をポケットに入れる……肉がでかいから串肉の2つ分しか入らなかった。
ポケットに入った肉から串を引き抜いて肉サンドの完成。ピタパンは買い溜めて残り100枚以上あるから、あの独特のソースを作ってドネルケバブサンドを再現するのも面白いかもしれない。
一口、二口……うんイケるな。先に串肉単体で味を見てみたが、絶妙の塩加減と肉汁がキャベツのドレッシング代りにもなっていい感じだ。
『おお、ご主人! 我にもそれを作らせてたもう』
俺が許可を出すと、クロエは喜々として、ピタパンにキャベツと手に持っていた串肉を入れてかぶりついた。
「んぬんむ……この食べ方はありじゃな。キャベツの食感も味わえるのもよい」
……美味しいのはわかるけれども、クロエさん、大口開けて一口で食べきるのはどうかと俺は思うぞ。飛鳥もクロエのその様子を見て苦笑いを浮かべている。
試作1つ目を食べきった俺は次のピタパンを手に取り、今度は別のスライス野菜をピタパンに入れ、さっき余った残りの牛串肉をさっきと同じ様にして串肉を串から抜いた。
「これ、玉ねぎをスライスしたものですか?」
「そうだ。この世界で玉ねぎはオニオと言うらしいけどね」
飛鳥の疑問に答えて、俺は再び肉サンドを食べる。これも充分美味しいけれど……。
俺は手にある肉サンドを食べきった後に、同じ様にもう1つピタパンにスライスした玉ねぎを入れ、今度はタレ味のブラッドボーンブルの串肉を入れて、食べてみた……塩味も悪くはないけれど、俺はこっちの方が好みだな。
「私もやってみていいですか?」
「ああ、もちろんいいぞ」
飛鳥も許可を求めてきたので、俺は快諾した。
追加のミックスキャベツサラダとスライス玉ねぎ、それらを取るためのトングを出した。後、味に変化をつけて楽しむのと自分にあった組み合わせを探すため、手持ちのドレッシング、ソース各種を追加してみた。
そして、俺たちは串肉サンドのいろいろな組み合わせ、キャベツと玉ねぎを半分ずつ入れたりするなどを試して、空腹を満たした。山の様に盛られていた串焼の山の大半はクロエの腹の中に物理法則をガン無視して収められた。
1つ気になったのは串焼きは肉の種類は豊富にあったが、塩味とほぼ違いがないと思える元の世界にあった焼き鳥のタレと同じタレ味しかなかったことだ。カレーがあるのだから、もっといろいろあるかと思っていたが、意外だった。
『ご主人、飛鳥、食後のお茶を淹れたのじゃ』
俺と飛鳥はクロエに礼を言って、彼女が淹れてくれた俺達では定番になっている緑茶を湯呑みで飲んで一服する。
「失礼、相席させていただいて、よろしいかな?」
俺達がくつろいでいると、1人の既視観のある初老の紳士がタレ味と塩味のブラッドホーンブルの串焼き一本ずつを乗せた皿と千切りキャベツ皿を載せたトレイを手に問いかけてきたので、俺は飛鳥とクロエに視線を向けると2人は頷いたので、俺は了承の意を伝えた。
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