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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第37話 相席した男性に俺が大きなお世話をした件
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「ありがとう。ついでに大変申し訳ないが、先ほど貴方がたが食べていたパンが余っていたら、私に2枚売ってもらえないだろうか。ここに来る前に売っている店に寄ったのだが、生憎と店が閉まっていて買うことができなかったのだ。代金はきちんと払うから是非とも頼む」
「だったら、赤銅貨4枚でいい」
希少な同志と思しき人物だったので、俺は店での価格をそのまま提示した。
「ではこれで」
黒髪に白髪が混じり始めている初老の男性は懐に入れていた財布から青銅貨を1枚出して、渡してきた。
「ありがとうございます。ピタパン2枚とお釣り、サービスのおしぼりだ。銅貨をしまってから、それで手を拭いてから食べるといい」
俺は自前の小皿に2枚のピタパンを載せて、釣り銭の赤銅貨1枚と使い捨ての紙おしぼりを男性に手渡した。
「ああ、ありがとう。これは手を拭いたらどうすればいい?」
男性は財布に赤銅貨をしまって、おしぼりで手を拭くと、首をかしげて訊いてきた。
「2度使いできないものだから、捨てて構わない。不用ならこちらで処分するが、どうする?」
「では悪いが処分を頼む」
そう言って、男性が使い終わった紙おしぼりを俺はゴミ袋に入れた。
男性は震える手で先に2本の串肉それぞれ2つの肉片を両目を瞑り、噛み締めて、味わって食べていた。
そして、先ほど俺達がしていた様にピタパンに千切りキャベツを入れて、串肉を入れて食べようとしたのだが、その手つきがどうも危うい。
「あっ……」
男性は串肉の刺さった串を手から離してしまった。
『大丈夫じゃ』
彼が落してしまった串が地面に到達する前にクロエが皿で受け止めた。
「余計なお世話かもしれないが、俺達がさっきやっていた食べ方をするなら、今回は特別無料で手伝うがどうする?」
俺がそう告げると、
「ああ、申し訳ないが頼む。まさか、ここまで自分の体が蝕まれているとは思わなかった」
男性は悔しそうにそう呟いて、頼んできた。
「クロエと飛鳥、悪いが手を洗って、調理用手袋つけてやってあげてくれないか」
『了解じゃ』
「わかりました」
俺が頼むと2人は快諾して、飛鳥の【水魔術】の【水球】と自家製石鹸で手を荒い、調理用手袋をつけて作りだした。
お前がやるんじゃなかったのか?と視線で訴えてくる男性に俺は
「俺のようなムサイ男が作るよりも、2人の様な可愛い女の子が作った方が美味いだろう?」
笑みを浮かべてサムズアップし、そう応えた。
「……たしかに」
男性は頷いてサムズアップを返してきた。
「まぁ、ここであったのもなにかの縁だ。こいつを一緒に飲むか?」
そう言って俺は2つの小瓶を取り出した。そのラベルはファ○ト一発で有名なリポ○タンなDである。男性は訝しげな視線を俺に向けてきた。
「栄養剤だ。俺は昨日の疲れがまだ残っているみたいだから飲むけれど、そっちは顔色が悪い。金は取らないから飲むといい。どうする?」
そう言って、俺は瓶のキャップを外して中身を飲み干した。仕事で疲弊したときによくお世話になっている味が口の中に広がった。
「……ふむ、ありがたくいただこう」
男性も俺と同じ様にキャップを外して、躊躇わずに中身を飲み干した。
「! これは? 力が漲ってくる?」
男性の顔色の血色は健康なそれに戻ると同時に、彼の腹から大きな腹の虫が鳴いた。
『どうぞなのじゃ』
「こちらもできました。どうぞ」
クロエと飛鳥がそれぞれ作った串肉サンドを皿に載せて男性に差し出した。
「かたじけない。はむっ……なるほど、こちらは……ふむふむ」
「そろそろ俺達はお暇させてもらう。次は飲み物も忘れないようにな」
食事に没頭し始めた彼の邪魔になりそうなので、俺達は移動することにした。彼のトレイの上に飲み物がなかったので、俺は使い捨てていいコップに水を入れて彼のトレイの空きスペースに置いた。
すると、男性は案の定、喉を詰まらせた。
「んぐんぐ……ぷはぁ、重ね重ね申し訳ない」
「気にしなくていい。悪いがそのコップはそちらで処分してくれ。あと、できるなら、自宅の食器はきちんと銀製のものに替えたほうがいいと思う。また会う機会があれば、そのときはよろしく」
「失礼します」
俺はそう言って席を立った。飛鳥も席を立って会釈をし、クロエも無言で頭を下げて、俺と飛鳥に追いついた。
再びサンドを頬張った男性はそんな俺達が見えなくなるまで手を振ってくれていた。
■
「優さん、さっきの方は……」
飛鳥がさっきいたイートインスペースから完全に離れた場所で俺に問いかけてきた。
「ああ、多分ミーネさんの薬品ギルドの長じゃない方の兄だな」
「やっぱり」
『ご主人が彼の者と自己紹介をしなかったのは意図的なものじゃな?』
クロエが俺の行動で不自然だった部分を指摘してきた。
「そうだ。あそこでお互いが誰かというのがわかるとわからないのとではとらないといけない態度が全然違うからな。例えば、相手がこの都市の首脳で、商人ギルドの長で、トップスリーに名を連ねる大商人だったりしたら、俺の様な錬金術師ギルドの下っ端が相席した上に、あんな風に言葉を交わしていい相手じゃない。お互い口に出して知らないほうがいいこともある」
たとえ、無礼だと非を突きつけられても俺はこの自由同盟都市国家メルキオールに来てからまだ1日経っていない旅人だ。しかも、この世界に写真はまだないため、重鎮がどんな顔をしているかはわからない。名前を聞かなければ誰かはわからないで押し通せる。
それは向こうも納得ずくで俺の行動に合わせていたようだ。
『それにしてはあの者に随分とご主人としては珍しいくらいに親切じゃったな』
クロエがジト目を向けてくる。
「それは当然だ。奇跡的にこの世界に産声をあげたピタパンが生き残るために必要な同志たりうるならば、俺は遠慮なくひと肌脱いで助力するさ!」
俺はそう力説するが、
『彼の者に飲ませたものはご主人が飲んだものとは別物じゃったのう』
「それだけ彼は体力も僅かだったし、末期でヤバかったんだよ。全くどこの誰だよ。通常の解毒剤や【解毒】が効かないあんな厄介な毒盛るなんて」
俺の毒発言に飛鳥とクロエは眉をひそめた。
俺が飲んだのはこの世界に召喚される前に買っていた小瓶のラベル通りのリポ○タンなD。しかし、さっきのミーネさんの上の兄と思しき男性に飲ませた薬品は俺のスキル【偽装】でリポビ○ンなDにみせかけた”下級霊薬”だ。
通常の霊薬と異なり、死人が蘇ったり、若返ったり、寿命が延びたりする特殊効果はなく、欠損部位の回復や完全解毒と体力・魔力・精神力の完全回復効果があるに留まる。留まるが、並の錬金術師や薬師では一生以上の時間をかけただけでは絶対に作り出せない代物だ。
「あの人大丈夫なんでしょうか?」
飛鳥がさっきの男性の今後を憂うが、
「さあ? これ以上は流石に俺達が関与する訳にはいかないだろう。後は彼が自分でなんとかするさ。どうせ生きていれば今後は別の場所で正式に顔を合わせることになるだろうしな」
俺はそのときを憂いて嘆息と共にそう飛鳥に答えた。
『これからどうするのじゃ? ご主人?』
クロエがこれからの行き先を問うてきた。
「この都市の鍛冶師達の腕が知りたい。任せられるならば、もしかしたら、あの素材の加工を頼めるかもしれないからな。とりあえず、今必要と思えるのはそれくらいだ。はやく終われば衣類も見て見よう」
「わかりました。では南に行きましょうか」
『うむ!』
2人が同意してくれたので、俺達は市場のあるメルキオールの北側から鍛冶場が密集していると言われている南側へ移動することにした。
「だったら、赤銅貨4枚でいい」
希少な同志と思しき人物だったので、俺は店での価格をそのまま提示した。
「ではこれで」
黒髪に白髪が混じり始めている初老の男性は懐に入れていた財布から青銅貨を1枚出して、渡してきた。
「ありがとうございます。ピタパン2枚とお釣り、サービスのおしぼりだ。銅貨をしまってから、それで手を拭いてから食べるといい」
俺は自前の小皿に2枚のピタパンを載せて、釣り銭の赤銅貨1枚と使い捨ての紙おしぼりを男性に手渡した。
「ああ、ありがとう。これは手を拭いたらどうすればいい?」
男性は財布に赤銅貨をしまって、おしぼりで手を拭くと、首をかしげて訊いてきた。
「2度使いできないものだから、捨てて構わない。不用ならこちらで処分するが、どうする?」
「では悪いが処分を頼む」
そう言って、男性が使い終わった紙おしぼりを俺はゴミ袋に入れた。
男性は震える手で先に2本の串肉それぞれ2つの肉片を両目を瞑り、噛み締めて、味わって食べていた。
そして、先ほど俺達がしていた様にピタパンに千切りキャベツを入れて、串肉を入れて食べようとしたのだが、その手つきがどうも危うい。
「あっ……」
男性は串肉の刺さった串を手から離してしまった。
『大丈夫じゃ』
彼が落してしまった串が地面に到達する前にクロエが皿で受け止めた。
「余計なお世話かもしれないが、俺達がさっきやっていた食べ方をするなら、今回は特別無料で手伝うがどうする?」
俺がそう告げると、
「ああ、申し訳ないが頼む。まさか、ここまで自分の体が蝕まれているとは思わなかった」
男性は悔しそうにそう呟いて、頼んできた。
「クロエと飛鳥、悪いが手を洗って、調理用手袋つけてやってあげてくれないか」
『了解じゃ』
「わかりました」
俺が頼むと2人は快諾して、飛鳥の【水魔術】の【水球】と自家製石鹸で手を荒い、調理用手袋をつけて作りだした。
お前がやるんじゃなかったのか?と視線で訴えてくる男性に俺は
「俺のようなムサイ男が作るよりも、2人の様な可愛い女の子が作った方が美味いだろう?」
笑みを浮かべてサムズアップし、そう応えた。
「……たしかに」
男性は頷いてサムズアップを返してきた。
「まぁ、ここであったのもなにかの縁だ。こいつを一緒に飲むか?」
そう言って俺は2つの小瓶を取り出した。そのラベルはファ○ト一発で有名なリポ○タンなDである。男性は訝しげな視線を俺に向けてきた。
「栄養剤だ。俺は昨日の疲れがまだ残っているみたいだから飲むけれど、そっちは顔色が悪い。金は取らないから飲むといい。どうする?」
そう言って、俺は瓶のキャップを外して中身を飲み干した。仕事で疲弊したときによくお世話になっている味が口の中に広がった。
「……ふむ、ありがたくいただこう」
男性も俺と同じ様にキャップを外して、躊躇わずに中身を飲み干した。
「! これは? 力が漲ってくる?」
男性の顔色の血色は健康なそれに戻ると同時に、彼の腹から大きな腹の虫が鳴いた。
『どうぞなのじゃ』
「こちらもできました。どうぞ」
クロエと飛鳥がそれぞれ作った串肉サンドを皿に載せて男性に差し出した。
「かたじけない。はむっ……なるほど、こちらは……ふむふむ」
「そろそろ俺達はお暇させてもらう。次は飲み物も忘れないようにな」
食事に没頭し始めた彼の邪魔になりそうなので、俺達は移動することにした。彼のトレイの上に飲み物がなかったので、俺は使い捨てていいコップに水を入れて彼のトレイの空きスペースに置いた。
すると、男性は案の定、喉を詰まらせた。
「んぐんぐ……ぷはぁ、重ね重ね申し訳ない」
「気にしなくていい。悪いがそのコップはそちらで処分してくれ。あと、できるなら、自宅の食器はきちんと銀製のものに替えたほうがいいと思う。また会う機会があれば、そのときはよろしく」
「失礼します」
俺はそう言って席を立った。飛鳥も席を立って会釈をし、クロエも無言で頭を下げて、俺と飛鳥に追いついた。
再びサンドを頬張った男性はそんな俺達が見えなくなるまで手を振ってくれていた。
■
「優さん、さっきの方は……」
飛鳥がさっきいたイートインスペースから完全に離れた場所で俺に問いかけてきた。
「ああ、多分ミーネさんの薬品ギルドの長じゃない方の兄だな」
「やっぱり」
『ご主人が彼の者と自己紹介をしなかったのは意図的なものじゃな?』
クロエが俺の行動で不自然だった部分を指摘してきた。
「そうだ。あそこでお互いが誰かというのがわかるとわからないのとではとらないといけない態度が全然違うからな。例えば、相手がこの都市の首脳で、商人ギルドの長で、トップスリーに名を連ねる大商人だったりしたら、俺の様な錬金術師ギルドの下っ端が相席した上に、あんな風に言葉を交わしていい相手じゃない。お互い口に出して知らないほうがいいこともある」
たとえ、無礼だと非を突きつけられても俺はこの自由同盟都市国家メルキオールに来てからまだ1日経っていない旅人だ。しかも、この世界に写真はまだないため、重鎮がどんな顔をしているかはわからない。名前を聞かなければ誰かはわからないで押し通せる。
それは向こうも納得ずくで俺の行動に合わせていたようだ。
『それにしてはあの者に随分とご主人としては珍しいくらいに親切じゃったな』
クロエがジト目を向けてくる。
「それは当然だ。奇跡的にこの世界に産声をあげたピタパンが生き残るために必要な同志たりうるならば、俺は遠慮なくひと肌脱いで助力するさ!」
俺はそう力説するが、
『彼の者に飲ませたものはご主人が飲んだものとは別物じゃったのう』
「それだけ彼は体力も僅かだったし、末期でヤバかったんだよ。全くどこの誰だよ。通常の解毒剤や【解毒】が効かないあんな厄介な毒盛るなんて」
俺の毒発言に飛鳥とクロエは眉をひそめた。
俺が飲んだのはこの世界に召喚される前に買っていた小瓶のラベル通りのリポ○タンなD。しかし、さっきのミーネさんの上の兄と思しき男性に飲ませた薬品は俺のスキル【偽装】でリポビ○ンなDにみせかけた”下級霊薬”だ。
通常の霊薬と異なり、死人が蘇ったり、若返ったり、寿命が延びたりする特殊効果はなく、欠損部位の回復や完全解毒と体力・魔力・精神力の完全回復効果があるに留まる。留まるが、並の錬金術師や薬師では一生以上の時間をかけただけでは絶対に作り出せない代物だ。
「あの人大丈夫なんでしょうか?」
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「さあ? これ以上は流石に俺達が関与する訳にはいかないだろう。後は彼が自分でなんとかするさ。どうせ生きていれば今後は別の場所で正式に顔を合わせることになるだろうしな」
俺はそのときを憂いて嘆息と共にそう飛鳥に答えた。
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「この都市の鍛冶師達の腕が知りたい。任せられるならば、もしかしたら、あの素材の加工を頼めるかもしれないからな。とりあえず、今必要と思えるのはそれくらいだ。はやく終われば衣類も見て見よう」
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