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第3章 自由連合同盟都市国家メルキオール 地方城塞都市カイロス編
第80話 封鎖地の災厄とルールミナスの回生の件
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明けて翌日。ルールミナスを初代オディオ王国国王が持っていた聖剣によってつけられた癒えぬ傷から解放するために、クロエの【竜魔術】の【回生】をルールミナスに事前にかけてから、すぐに殺して【回生】を発動させることが決まった。
【回生】を事前にかけさせすれば、死んだ直後に【回生】が発動して、ルールミナスはクロエと同じく、卵の状態になる。とはいえ、流石に俺も知人を殺すことに躊躇いがないわけではない。
すぐに殺さずともいいのでは?という意見もあったが、急がなければならない理由が俺達にはあった。
「メルキオール北の封鎖地の災厄、封印されている化け物はヒュドラか……」
ファンタジーの怪物として有名なヒュドラ。この世界の同名の魔物にも災厄と呼ぶに相応しい凶悪な怪物だ。
毒蛇の魔物の突然変異種だそうだ。このヒュドラの毒を受けると、軽度であれば身体が徐々に腐敗していき、完全に体に回ると、身体中の穴という穴から血を噴き出して死亡するらしい。
しかも、その毒は通常の解毒剤や【魔術】の【解毒】では解毒ができない。
少なくとも、下級霊薬以上の薬品でなければ解毒できないとても厄介な毒だ。
ヘリオスさんに盛られていた毒は実はこのヒュドラの毒だった。食べ物に僅かに混入させられていたようで、彼は内臓から徐々に腐敗していた。
オディオ王国で調べ物をしたときに読んだ魔物図鑑で、嫌というほどこの毒の厄介さは分かっていた。
しかし、その魔物図鑑には肝心のヒュドラの生息地の記載されている部分が破り取られていて、分からなかったのだ。
時間ができてから、冒険者ギルドでバルガスのとっつぁんに聞いたが、ランクによる制限で教えることができないと逆に頭を下げられた。また、メルキオールの図書館に行ったときも、ヒュドラの生息地に関してはその毒の悪用を恐れているのか知ることができなかった。
『そうです。いつあの怪物が生まれたのかは不明ですが、今から36年程前にヒュドラはメルキオールを襲撃しました。多くの犠牲者を出しましたが、メルキオール側はヒュドラの撃退に成功し、ヒュドラの住処と思われる北の毒沼地へ追い返して、結界の魔導具と【結界魔術】によって、ヒュドラを彼の住処の毒沼地への封じ込めに成功しました』
モニターに映し出されている地図上にはメルキオールの遥か北にいるヒュドラの情報が表示されている。
前回の戦闘終了後にルールミナスが登録したものだ。
「流石に封印されて36年も経っていたら、餓死しないか?」
ヴァルカさんがもっともな意見を言うが……。
「残念だが、あの化け物は長期間、それこそ10年単位で冬眠状態を繰り返していて、狡賢いことに数日だけ目覚めて活動し、封鎖地に生息している生物を捕食している。しかも、その生物達が死滅しないように捕食する数を調整して、冬眠状態に入っているのだよ。まるで、いつか封鎖地の封印が解かれることが分かっているかのようにね」
ヘリオスさんが苦々しげにそう答えた。
『36年前でしたら私も戦闘に参加できましたが、今の状態の私ではヒュドラと長時間戦えません』
ルールミナスクラスの竜族がいれば戦力として心強い。これが彼女の回生を急ぐ理由だ。
早ければ早いほど、生まれ変わったルールミナスが戦力として成長し、遅くとも半年以内には発生する対ヒュドラ戦の安心材料になる。
降りかかる特大の火の粉であるのはわかっているものの、できればヒュドラはお相手したくない相手だ。
強烈で厄介な毒がなくとも、9つの頭の内8つは斬り落としても即時再生し、残る本体は頑強で不死身ときている。
そして、毒攻撃も噛み付いて注入するのもあれば毒液を飛ばす攻撃もある。
また、毒を霧状に周囲に散布したりもできる攻撃ができることは36年前の戦闘で判明している。
迂闊に近寄ろうものなら、死は免れないこの毒霧攻撃の対処方法は【結界魔術】の【障壁】しかないので、接近戦をする場合は【障壁】は必須。
36年前の戦闘では、ヘリオスさんの奥さんがパーティーメンバー全員分の【障壁】を張り続けていたそうだ。
その彼女は36年前のヒュドラの襲撃後、ヒュドラを封印するために編成された追撃の決死隊に志願。
ヘリオスさんはメルキオールの防衛戦で重傷の重態になり、入院していたため決死隊には参加できなかった。
しかも、【魔術】の【睡眠】で眠らされていたため、ヘリオスさんが起きたときには奥さんの訃報と共に全てが終わった後だったそうだ。
■
『これで、ルーへの【回生】の施術は完了したのじゃ。ご主人、アスカ、メイド長、ルーのことは任せたのじゃ……ZZZ』
『姉様、ありがとうございます』
俺達にそう言ったクロエは俺にもたれかかる様に寝落ちしてしまった。
俺達は最初にルールミナスと会った広間に集まっている。
クロエが寝落ちしてしまったのは【竜魔術】の【回生】のデメリットの1つで、施術者は施術後に強制的に寝落ちしてしまうのだ。
もう1つのデメリットは【回生】の消費魔力は施術者の保有する全魔力。【回生】を使うと強制的に魔力0にさせれて、魔力枯渇状態になる。
だったら、ルールミナスが使えばいいと思うかもしれないが、意外なことにルールミナスには【回生】の適性がない。
人族が使う【魔術】は適性がなくとも、発動が可能なのに対して、【竜魔術】はそうはいかない。
【竜魔術】の習得は完全な可か不可の世界で、努力すればできるという優しいものではなく、できない者は絶対にできない仕組みのものだ。
「ルールミナス……」
ヘリオスさんが悲しげな視線を白い巨竜のルールミナスに向ける。
『ヘリオス、ありがとう。でも、心配は無用です。この後、私に起こることは必要なことですし、そして、なにより……また貴方と出会って、今度こそ、あのヒュドラを斃しましょう』
そう言ったルールミナスの目には揺らぎない確固たる決意に満ちていた。
「!……そうだね。生まれ変わった君にまた会えることを楽しみにするとしよう」
そう告げてヘリオスさんは笑みを浮かべた。
「……準備はよろしいですか?」
『ええ、お願いします、アスカ』
今回ルールミナスの今生の介錯をするのは俺ではなく、飛鳥にしてもらう。
クロエは【回生】の副作用で寝落ちしているので戦力外。ベルには一撃必殺の手段がまだないため、今回は見送り。ケイロンは念のため周辺警戒をお願いしている。
ヘリオスさんは心情を慮って候補外。それに彼は納得してくれた。また、下手な攻撃ではルールミナスを苦しめることになる
別段、俺がやってもいいのだが、竜を斃したときに得られる称号“竜殺しは、今後対峙するかもしれない竜種相手に有効なので、今回を機に飛鳥にも取ってもらうことにした。
称号『竜殺し』の取得条件は成竜になって10年以上の時を過ごした竜の討伐。
通常ではとてつもなくハードルが高い代物だ。
「……いきますっ!」
深呼吸した後、飛鳥は声をあげ、巨体を横たえたルールミナスへの攻撃に移った。
瞬間、飛鳥の姿が掻き消えてルールミナスの頭頂部の位置に現れた。【縮地】で移動したのだ。そのまま飛鳥は駆け、ルールミナスの逆鱗に到着した。そして、
「……破!」
気合と共に全体重を乗せたヴァルカさんが急造だが、ここに来るまでに俺が採掘した超硬度剛石製の長剣を逆手に持って、ルールミナスの逆鱗に突き立てた。
『!?』
ルールミナスの体が痙攣して震え、逆鱗の下にあった床が飛鳥の攻撃の余波で抉れた。
飛鳥の攻撃はまだ続く。飛鳥は逆鱗に突き立てた長剣を【共有収納】にしまい、代わりに取り出したのは日本刀”薙単”。
俺がスキル【武器錬成】で創り出した非常識武器の1つだ。その理由は名前を音読みするとわかるが、刃がチタン合金製の刀だ。芯鉄部分は耐食チタン合金で、それを覆う皮鉄と刃鉄、棟鉄部分は熱処理をしたnearβ型合金。素人知識で創り出してしまった武器だが、その切れ味はこの世界の市販長剣を遥かに凌駕してしまっている。
しかも、スキル【刻印処理】で、【自動修復】など更なるチート処理が施され、普段使い厳禁の凶悪武装になってしまった。
「っ!」
飛鳥が薙単で居合い斬りをすると、ルールミナスの首が落ちた。噴出す血は【空間収納】に吸収させ、俺はルールミナスの両目の目蓋を閉じて、遺体を【空間収納】の専用枠に納めた。
「お疲れ様、飛鳥」
俺は呼吸を整えている飛鳥に労いの声をかけた。
「ハアッ、ハァッ、ハァ……いえ、それよりも優さん、申し訳ありません。刀をダメにしてしまいました」
飛鳥の持つ薙単に目を向けると、その刀身に大きな罅が入っていた。【自動修復】があるとはいえ、修復にどれだけかかるかわからない状態。
それよりも、これ直るのか?と思える破損状態だった。
「別に構わないよ。その状態でどれくらい修復にかかるか参考になるから」
そう言って、俺は彼女から薙単を受け取り、【空間収納】の通常時間経過設定の専用枠を新規作成してしまった。
「お疲れ様でした、アスカ」
そう言って、ベルが飛鳥に飲み物と汗拭きタオルを渡した。
「……どうやら、成功したみたいだ」
しばらくして、俺が嘗て目にしたものとほぼ同じ大きさの卵が、俺の足元に出現した。
【回生】を事前にかけさせすれば、死んだ直後に【回生】が発動して、ルールミナスはクロエと同じく、卵の状態になる。とはいえ、流石に俺も知人を殺すことに躊躇いがないわけではない。
すぐに殺さずともいいのでは?という意見もあったが、急がなければならない理由が俺達にはあった。
「メルキオール北の封鎖地の災厄、封印されている化け物はヒュドラか……」
ファンタジーの怪物として有名なヒュドラ。この世界の同名の魔物にも災厄と呼ぶに相応しい凶悪な怪物だ。
毒蛇の魔物の突然変異種だそうだ。このヒュドラの毒を受けると、軽度であれば身体が徐々に腐敗していき、完全に体に回ると、身体中の穴という穴から血を噴き出して死亡するらしい。
しかも、その毒は通常の解毒剤や【魔術】の【解毒】では解毒ができない。
少なくとも、下級霊薬以上の薬品でなければ解毒できないとても厄介な毒だ。
ヘリオスさんに盛られていた毒は実はこのヒュドラの毒だった。食べ物に僅かに混入させられていたようで、彼は内臓から徐々に腐敗していた。
オディオ王国で調べ物をしたときに読んだ魔物図鑑で、嫌というほどこの毒の厄介さは分かっていた。
しかし、その魔物図鑑には肝心のヒュドラの生息地の記載されている部分が破り取られていて、分からなかったのだ。
時間ができてから、冒険者ギルドでバルガスのとっつぁんに聞いたが、ランクによる制限で教えることができないと逆に頭を下げられた。また、メルキオールの図書館に行ったときも、ヒュドラの生息地に関してはその毒の悪用を恐れているのか知ることができなかった。
『そうです。いつあの怪物が生まれたのかは不明ですが、今から36年程前にヒュドラはメルキオールを襲撃しました。多くの犠牲者を出しましたが、メルキオール側はヒュドラの撃退に成功し、ヒュドラの住処と思われる北の毒沼地へ追い返して、結界の魔導具と【結界魔術】によって、ヒュドラを彼の住処の毒沼地への封じ込めに成功しました』
モニターに映し出されている地図上にはメルキオールの遥か北にいるヒュドラの情報が表示されている。
前回の戦闘終了後にルールミナスが登録したものだ。
「流石に封印されて36年も経っていたら、餓死しないか?」
ヴァルカさんがもっともな意見を言うが……。
「残念だが、あの化け物は長期間、それこそ10年単位で冬眠状態を繰り返していて、狡賢いことに数日だけ目覚めて活動し、封鎖地に生息している生物を捕食している。しかも、その生物達が死滅しないように捕食する数を調整して、冬眠状態に入っているのだよ。まるで、いつか封鎖地の封印が解かれることが分かっているかのようにね」
ヘリオスさんが苦々しげにそう答えた。
『36年前でしたら私も戦闘に参加できましたが、今の状態の私ではヒュドラと長時間戦えません』
ルールミナスクラスの竜族がいれば戦力として心強い。これが彼女の回生を急ぐ理由だ。
早ければ早いほど、生まれ変わったルールミナスが戦力として成長し、遅くとも半年以内には発生する対ヒュドラ戦の安心材料になる。
降りかかる特大の火の粉であるのはわかっているものの、できればヒュドラはお相手したくない相手だ。
強烈で厄介な毒がなくとも、9つの頭の内8つは斬り落としても即時再生し、残る本体は頑強で不死身ときている。
そして、毒攻撃も噛み付いて注入するのもあれば毒液を飛ばす攻撃もある。
また、毒を霧状に周囲に散布したりもできる攻撃ができることは36年前の戦闘で判明している。
迂闊に近寄ろうものなら、死は免れないこの毒霧攻撃の対処方法は【結界魔術】の【障壁】しかないので、接近戦をする場合は【障壁】は必須。
36年前の戦闘では、ヘリオスさんの奥さんがパーティーメンバー全員分の【障壁】を張り続けていたそうだ。
その彼女は36年前のヒュドラの襲撃後、ヒュドラを封印するために編成された追撃の決死隊に志願。
ヘリオスさんはメルキオールの防衛戦で重傷の重態になり、入院していたため決死隊には参加できなかった。
しかも、【魔術】の【睡眠】で眠らされていたため、ヘリオスさんが起きたときには奥さんの訃報と共に全てが終わった後だったそうだ。
■
『これで、ルーへの【回生】の施術は完了したのじゃ。ご主人、アスカ、メイド長、ルーのことは任せたのじゃ……ZZZ』
『姉様、ありがとうございます』
俺達にそう言ったクロエは俺にもたれかかる様に寝落ちしてしまった。
俺達は最初にルールミナスと会った広間に集まっている。
クロエが寝落ちしてしまったのは【竜魔術】の【回生】のデメリットの1つで、施術者は施術後に強制的に寝落ちしてしまうのだ。
もう1つのデメリットは【回生】の消費魔力は施術者の保有する全魔力。【回生】を使うと強制的に魔力0にさせれて、魔力枯渇状態になる。
だったら、ルールミナスが使えばいいと思うかもしれないが、意外なことにルールミナスには【回生】の適性がない。
人族が使う【魔術】は適性がなくとも、発動が可能なのに対して、【竜魔術】はそうはいかない。
【竜魔術】の習得は完全な可か不可の世界で、努力すればできるという優しいものではなく、できない者は絶対にできない仕組みのものだ。
「ルールミナス……」
ヘリオスさんが悲しげな視線を白い巨竜のルールミナスに向ける。
『ヘリオス、ありがとう。でも、心配は無用です。この後、私に起こることは必要なことですし、そして、なにより……また貴方と出会って、今度こそ、あのヒュドラを斃しましょう』
そう言ったルールミナスの目には揺らぎない確固たる決意に満ちていた。
「!……そうだね。生まれ変わった君にまた会えることを楽しみにするとしよう」
そう告げてヘリオスさんは笑みを浮かべた。
「……準備はよろしいですか?」
『ええ、お願いします、アスカ』
今回ルールミナスの今生の介錯をするのは俺ではなく、飛鳥にしてもらう。
クロエは【回生】の副作用で寝落ちしているので戦力外。ベルには一撃必殺の手段がまだないため、今回は見送り。ケイロンは念のため周辺警戒をお願いしている。
ヘリオスさんは心情を慮って候補外。それに彼は納得してくれた。また、下手な攻撃ではルールミナスを苦しめることになる
別段、俺がやってもいいのだが、竜を斃したときに得られる称号“竜殺しは、今後対峙するかもしれない竜種相手に有効なので、今回を機に飛鳥にも取ってもらうことにした。
称号『竜殺し』の取得条件は成竜になって10年以上の時を過ごした竜の討伐。
通常ではとてつもなくハードルが高い代物だ。
「……いきますっ!」
深呼吸した後、飛鳥は声をあげ、巨体を横たえたルールミナスへの攻撃に移った。
瞬間、飛鳥の姿が掻き消えてルールミナスの頭頂部の位置に現れた。【縮地】で移動したのだ。そのまま飛鳥は駆け、ルールミナスの逆鱗に到着した。そして、
「……破!」
気合と共に全体重を乗せたヴァルカさんが急造だが、ここに来るまでに俺が採掘した超硬度剛石製の長剣を逆手に持って、ルールミナスの逆鱗に突き立てた。
『!?』
ルールミナスの体が痙攣して震え、逆鱗の下にあった床が飛鳥の攻撃の余波で抉れた。
飛鳥の攻撃はまだ続く。飛鳥は逆鱗に突き立てた長剣を【共有収納】にしまい、代わりに取り出したのは日本刀”薙単”。
俺がスキル【武器錬成】で創り出した非常識武器の1つだ。その理由は名前を音読みするとわかるが、刃がチタン合金製の刀だ。芯鉄部分は耐食チタン合金で、それを覆う皮鉄と刃鉄、棟鉄部分は熱処理をしたnearβ型合金。素人知識で創り出してしまった武器だが、その切れ味はこの世界の市販長剣を遥かに凌駕してしまっている。
しかも、スキル【刻印処理】で、【自動修復】など更なるチート処理が施され、普段使い厳禁の凶悪武装になってしまった。
「っ!」
飛鳥が薙単で居合い斬りをすると、ルールミナスの首が落ちた。噴出す血は【空間収納】に吸収させ、俺はルールミナスの両目の目蓋を閉じて、遺体を【空間収納】の専用枠に納めた。
「お疲れ様、飛鳥」
俺は呼吸を整えている飛鳥に労いの声をかけた。
「ハアッ、ハァッ、ハァ……いえ、それよりも優さん、申し訳ありません。刀をダメにしてしまいました」
飛鳥の持つ薙単に目を向けると、その刀身に大きな罅が入っていた。【自動修復】があるとはいえ、修復にどれだけかかるかわからない状態。
それよりも、これ直るのか?と思える破損状態だった。
「別に構わないよ。その状態でどれくらい修復にかかるか参考になるから」
そう言って、俺は彼女から薙単を受け取り、【空間収納】の通常時間経過設定の専用枠を新規作成してしまった。
「お疲れ様でした、アスカ」
そう言って、ベルが飛鳥に飲み物と汗拭きタオルを渡した。
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