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第1話 翡翠竜は旅立ちを決意する
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「はぁ、やはり潮時だな……」
思わず腕を組んで、嘆息し、そう独言ちてしまった。
吾輩は竜である。名前はジェイド……と前世の知識にある著名文豪の有名作品の冒頭を一部真似てみた。
そう、俺は前世日本人のゲームとラノベが趣味だったアラフォー社畜派遣社員の記憶をもつ転生者、いや、転生竜である。
ファンタジーの代名詞で、強い魔物の代表格である幻想生物の頂点の1つである竜に転生できた当初、興奮したときも、俺にはたしかにありました。
だが、現実は非情である。転生した竜は竜でも竜のなかでは最弱種とされている緑竜だったのだ。そこ、「なんだ。赤竜じゃないのかよ」とがっかりしない! 転生した俺が1番落ち込んだんだぞ!? 赤竜はこの世界でもやっぱりカッコいい最強の存在だからな!!
「ぐぇ……」
「フンッ」
足下にたくさん倒れていて、各々呻いている赤い鱗のトカゲもどきの1匹が耳障りなうめき声をあげたので、俺は左足で蹴飛ばした。いい飛距離が出たな。
この世界に新たな生を得たときから、しばらくの間竜族のカースト最下位の緑竜であった俺だが、友に恵まれ、師に恵まれ、仲間に恵まれ、地獄の修行を経て、最上位の宝石竜の最終進化に至り、いろいろあって幾星霜……。
転生した竜族は前世の寿命を遥かに凌ぐ長寿種族だから、年を数えるのを40過ぎた位でやめた。今ではどれくらい経ったかはもう覚えていない。
最終進化の宝石竜になって、しばらくしてから勃発した竜族の存在を異常に敵視している天使族の過激派達との死闘はこの世界の他の種族をも巻き込んだ大戦に発展し、俺と同じく最終進化まで進んだ竜族の親友達、共に戦ったいろいろな種族の仲間達はその大戦で俺を残して多くが逝った。
生き残った俺は最も親しかった赤竜の朋友ルベウスと交わした約束で、ルベウスの生まれ故郷を過激派天使の残党共から護るため、可愛い幼竜達が安全に生まれ育つための結界を張り、成長しやすい環境を整えて、ルベウスの墓を作って墓守りをしていた。
紅玉竜だったルベウスは
『ジェイドが同族達を護るのはジェイドの気が変わったときまででいい』
と最期に笑って逝きやがった。
そういえば、ここを護り始めたときの最初の幼竜だったのが、少し前に里の長老になったんだったか。
まぁ、あいつの墓標に唾と暴言吐いた屑共を止めることができなかったのだから、俺がこの里の連中の面倒を見るのも今日、このときまでだ。
そう思い立った俺は里を覆っていた結界への魔力供給を止めた。長年言葉を交わしてきたから、里の連中の一部に情がない訳ではないが、もうどうでもよくなった。
そして、俺は巨大な竜の体から、時々細かい作業をするために使っている、この世界の人間社会の冒険者達に紛れて生活していたときに愛用していた人の姿に変わり、両翼を俺に折られて失った若い赤竜達全員から、角と爪、牙といった素材になる部位を迷惑料として剥ぎ取った。
後始末と旅立つ準備を終えて、生きた残骸となった愚か者共のそれぞれの片足首に特製ロープを括りつけ、引きずりながら俺は里長の下へ向かった
思わず腕を組んで、嘆息し、そう独言ちてしまった。
吾輩は竜である。名前はジェイド……と前世の知識にある著名文豪の有名作品の冒頭を一部真似てみた。
そう、俺は前世日本人のゲームとラノベが趣味だったアラフォー社畜派遣社員の記憶をもつ転生者、いや、転生竜である。
ファンタジーの代名詞で、強い魔物の代表格である幻想生物の頂点の1つである竜に転生できた当初、興奮したときも、俺にはたしかにありました。
だが、現実は非情である。転生した竜は竜でも竜のなかでは最弱種とされている緑竜だったのだ。そこ、「なんだ。赤竜じゃないのかよ」とがっかりしない! 転生した俺が1番落ち込んだんだぞ!? 赤竜はこの世界でもやっぱりカッコいい最強の存在だからな!!
「ぐぇ……」
「フンッ」
足下にたくさん倒れていて、各々呻いている赤い鱗のトカゲもどきの1匹が耳障りなうめき声をあげたので、俺は左足で蹴飛ばした。いい飛距離が出たな。
この世界に新たな生を得たときから、しばらくの間竜族のカースト最下位の緑竜であった俺だが、友に恵まれ、師に恵まれ、仲間に恵まれ、地獄の修行を経て、最上位の宝石竜の最終進化に至り、いろいろあって幾星霜……。
転生した竜族は前世の寿命を遥かに凌ぐ長寿種族だから、年を数えるのを40過ぎた位でやめた。今ではどれくらい経ったかはもう覚えていない。
最終進化の宝石竜になって、しばらくしてから勃発した竜族の存在を異常に敵視している天使族の過激派達との死闘はこの世界の他の種族をも巻き込んだ大戦に発展し、俺と同じく最終進化まで進んだ竜族の親友達、共に戦ったいろいろな種族の仲間達はその大戦で俺を残して多くが逝った。
生き残った俺は最も親しかった赤竜の朋友ルベウスと交わした約束で、ルベウスの生まれ故郷を過激派天使の残党共から護るため、可愛い幼竜達が安全に生まれ育つための結界を張り、成長しやすい環境を整えて、ルベウスの墓を作って墓守りをしていた。
紅玉竜だったルベウスは
『ジェイドが同族達を護るのはジェイドの気が変わったときまででいい』
と最期に笑って逝きやがった。
そういえば、ここを護り始めたときの最初の幼竜だったのが、少し前に里の長老になったんだったか。
まぁ、あいつの墓標に唾と暴言吐いた屑共を止めることができなかったのだから、俺がこの里の連中の面倒を見るのも今日、このときまでだ。
そう思い立った俺は里を覆っていた結界への魔力供給を止めた。長年言葉を交わしてきたから、里の連中の一部に情がない訳ではないが、もうどうでもよくなった。
そして、俺は巨大な竜の体から、時々細かい作業をするために使っている、この世界の人間社会の冒険者達に紛れて生活していたときに愛用していた人の姿に変わり、両翼を俺に折られて失った若い赤竜達全員から、角と爪、牙といった素材になる部位を迷惑料として剥ぎ取った。
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