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1章
剛腕経営者:リュミエッタ②
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『社員が辞める?』
落ち着いたリュミエッタが語り始めた相談事、それは実に単純なことだった。
「ええ、せっかく目をかけてあげたというのに……今期の新入社員は初日に3人。一週間で半分が辞めました。半年たった今では最初の採用者は2人しか残ってませんわ……きっと呪いですわ」
話はこうだ、元々地方の行商から身を起こしたリュミエッタの父親が5年前にラデンベルグで腰を据えて事業を起こした。
当初は国を興し始めた環境も相まって非常に利益が上がりやすく、あっという間に大企業へと成長したリュミエッタの家は下手な貴族よりも財を成す。
陰りが見え始めたのは2年前、その父が盗賊に襲われ怪我をしたことでその経営をリュミエッタが手掛け始めたところからだ。
若い感性であれこれと手を広げ、それなりに利益も上がっていたのだが……少しづつ離職者が出始める。
それでもリュミエッタはお金に物を言わせすぐに人を雇った。
人員の入れ替わりはいつしか毎月、毎週、そして……今では毎日のように入職者と離職者が入れ替わるようになる。
もちろん利益は逼迫し、最近は赤字が出始める店舗も多くなり始めていた。
辞める人間に直接リュミエッタが問い詰めたこともあるが、言葉を濁してこれと言う理由はわからなかった。
「このままでは父が信頼している者もいつ辞めてしまうかもしれません、その調査を依頼したいのですわ!」
『……調査、ですか』
「ええ、貴女はあれでしょう? 魔王の娘なんですもの、魔法や呪いで我が家に嫌がらせするものの正体を突き止めてほしいのですわ!」
『ええと、まず……多分ですが。魔法や呪いの類では無いかと思いますよ』
「じゃあなんで辞めるのよ。相場より高い給料、上昇志向のある人間にはそれなりの仕事を任せてるのよ。やりがいもあるのに」
ごんっ! と拳をテーブルに打ち付けて声を震わせるリュミエッタにセリスはどう声をかけるか迷う。
ここまででわかるリュミエッタの態度と言葉から、なんとなくその性格がわかってきた。
『では原因を探るためにも幾つかご質問をさせてください』
「質問? 私は調査をしてって言ってるの! 金額だってあのチラシのはした金、10倍は出せるわ」
『まあまあ、その調査の一環だと思ってくださいませ』
ここは相談所であって調査するような探偵業では無いのだが、セリスは否定せず話を聞き出す事にベクトルを向ける。
でないと多分なんにも解決しないとつい先日、ヘイズの件で骨身に染みたのだから。
「長引くのは嫌」
そんなセリスの思いを一言で切り捨てる彼女。それでも根気良くセリスは言葉を選んだ。
『はは……じゃ、じゃあ絞りますから』
離職の原因はリュミエッタが凄まじく自己中心的、それに限ると思うセリス。
しかし、その事を素直に指摘してもこのタイプは耳を貸さないだろう。それにそれが原因だと決めて掛かるのは早計だと自分に言い聞かせる。
『まずは、人を雇った際の研修などはどのようなことを行っていますか?』
「研修? そんなの先に入った連中に仕事教えろって命令するだけでいいじゃない」
『そうでしたか、それだと入った人も今までいた人も困りますね』
いわゆる入社時研修、自分の仕事は何なのか、誰の指示に従えば良いのか、職場のルールはあるのか等……基本的な所を押さえた説明をしておかないと入った人は困るし、それを誰が教えるのかを明確にすることで先輩も気を引き締めることにもつながる。
「なんでよ、例えば服屋は服を売るんだから教え様がないじゃない」
あっけらかんと言い切るリュミエッタにセリスが冷や汗を流す。
『今お父様は?』
「しつこく口出ししてきてばっかり、誰が新しい販路作ってると思ってるのかしら。後は人さえ定着すれば全部うまくいくのよ」
『そうですか……お母様は?』
「居ないわ、私が4歳の頃に病で死んだもの」
『ごめんなさい』
「知らなかったんでしょう? そんなの謝る必要はないわ」
何を気にしているのよ、とリュミエッタは髪をかきあげる。
『確かに……そうですけど。まあ、良いです。この質問がいちばん重要なんですけど……会社に一番必要なことってなんだと思いますか?』
思いの外、母親のことをサバサバと話すリュミエッタになんとなく寂しいものや共感できることを思いながら。
核心をついてみた。
「お金よ。当たり前じゃない、資本がなければ事業拡大はできないし物も仕入れられないわ」
『ええ、それも大事なんですけど……ありがとうございます。質問はこれで終わりです』
「じゃあこれでいいわね。どうすれば辞める人間を減らせる?」
すでにここにリュミエッタが来て1時間、ソワソワした様子がずーーっと続いている。
『それはまだ結論を出せませんが、なんでそんなにソワソワして居られるんです?』
「え? 依頼を出してさっさと店に戻るつもりだったの。仕事がいっぱいあるからね……」
その言葉にセリスは納得する。ああ、だからアレだけ騒いで入ってきてもノックは控えめだったんだ。営業とかで身に染み付いているのだろう、と。
「じゃあ、結果が出たら教えて頂戴。じゃあね」
ジャラジャラとポケットから金貨を取り出して、手を数回振るリュミエッタ。不思議な仕草にセリスは見守った。
次の瞬間。
「依頼料は先払いよ、解決しなかったら許さないんだから」
――とんっ!
綺麗に積み重なった金貨の枚数は5枚、相談料は銀貨1枚……十倍以上の金額だった。
しかし、セリスはその金額に驚くよりも……
『え? 今のどうやったんですか?』
すべての金貨が1ミリの狂いもなく積み重なっている。
しかも一枚づつ上から取っていくと全て裏表が揃っていた。
「いつも触ってるもの、見なくてもできるわよ。ほら」
そう言って再び金貨を握る手を振るとリュミエッタは同じ枚数、同じ裏表でテーブルに乗せる。
『すごいですね』
「貴女のほうがすごいわよ。首がなくても生きてるんだもの……急がなきゃ。今度こそじゃあね」
『あ、はい……また』
つんつんと金貨のタワーを指で突くセリスに声をかけてがちゃりとドアをくぐり、リュミエッタは嵐のように去っていく。
途中でコートについてメイに持ってこさせてたりと、館から出るまでその声は響いていた。
そんな彼女と入れ違いに入ってきたのはヘリヤである。
ものすごく不機嫌な表情でテーブルの上を片付け始めた。
「セリ様、なんで言わなかったんですか?」
『あ、あはは』
「見てください、クッキー1枚すら食べてないし……お茶は一気飲み。感想すら言わずに……」
みしみしと音を立てるかのような空気感の中、ふつふつとヘリヤの怒りは溜まっていく。
『急いでいたのよ。多分お仕事でなにかあったんだと思うわ』
「でしょうね。そういう風になるべくしてなったんだと言ってあげれば良かったでしょうに」
『それだけじゃない気がするの』
「まさか、セリ様まで魔法や呪いがあると思ってらっしゃるのです?」
『それこそまさかだよヘリヤ。明日お買い物に行きたいのだけれども……一つお願いがあるの』
手をパタパタと振り、ヘリヤの言葉を否定するものの……確信がつかめない。
「リュミエッタ様の経営する商会へ行きたいのですよね? ちょうどファウナに菓子の材料を頼まれてますので良いですよ」
『さすがヘリヤ、ありがとう』
となれば直接確かめる。そんなセリスの思考を読んでヘリヤが言葉をかける。阿吽の呼吸の2人に空いたままのドアから声がかかった。
「あの、セリス様」
それはリュミエッタに振り回されたメイド見習いのメイ。
『あらメイ、良かったらクッキー食べませんか? リュミエッタさん1枚も食べなかったの』
ご褒美ご褒美とそのまま紙に包んでメイに手渡すセリスに、戸惑いながらメイは頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。リュミエッタ様を止めなくちゃいけなかったのに」
「何を言ってるのですメイ、アレは私のミスです……セリス様がおっしゃった通り貴女はしっかりと仕事をしました」
「え、でも」
「追いかける際、タオルを持っておりましたね。いきなり入ってきた彼女に対しちゃんと見ていたからこそタオルを用意したのでしょう?」
「は、はい……それに外は雨が降っているので必要かもと思いました」
ならばそのクッキーはちゃんと受け取って、ファウナにお茶でも居れてもらうことです。とお茶のポットなどを手に持ってヘリヤはメイにそう声をかけた。
初日こそファウナに拳骨をもらって失神したままの出会いだったメイだが、二日目にしてなんでここに派遣されたのかヘリヤは理解する。何事にも一生懸命なのだ。
それこそメイドを目指す者としての素質があった。
「鍛えがいがありますね」
ニンマリと笑みを浮かべるヘリヤ。その様子を微笑ましく見守るセリス。魔王城ではトップクラスのメイドであるがヘリヤはあくまでも魔族なのである。
人間の常識については勉強中であり、その点についてはメイのほうが素直に核心を突くので学ぶことも多かったのだ。
なにより、その真っ直ぐさはこうして何か不快な事があった後でも周りを笑顔にできるという得難いステータスを持っている。
『あら、雨上がったわ』
気がつけば窓に当たる雨粒の音は止み、外は青空が垣間見えている。その様子を見てヘリヤがつぶやく。
「本当に嵐のような方でしたね」
――それはそう。
奇しくもメイとセリスの感想は一致し、雨上がりの中を早くも小鳥が数羽飛び立つ。
『なんかとんでもない相談だったなぁ』
「まだ終わってませんよセリ様」
本日の午前中だけで魔王城では7回に渡るセリスのため息が連発されていたりするのだった。
落ち着いたリュミエッタが語り始めた相談事、それは実に単純なことだった。
「ええ、せっかく目をかけてあげたというのに……今期の新入社員は初日に3人。一週間で半分が辞めました。半年たった今では最初の採用者は2人しか残ってませんわ……きっと呪いですわ」
話はこうだ、元々地方の行商から身を起こしたリュミエッタの父親が5年前にラデンベルグで腰を据えて事業を起こした。
当初は国を興し始めた環境も相まって非常に利益が上がりやすく、あっという間に大企業へと成長したリュミエッタの家は下手な貴族よりも財を成す。
陰りが見え始めたのは2年前、その父が盗賊に襲われ怪我をしたことでその経営をリュミエッタが手掛け始めたところからだ。
若い感性であれこれと手を広げ、それなりに利益も上がっていたのだが……少しづつ離職者が出始める。
それでもリュミエッタはお金に物を言わせすぐに人を雇った。
人員の入れ替わりはいつしか毎月、毎週、そして……今では毎日のように入職者と離職者が入れ替わるようになる。
もちろん利益は逼迫し、最近は赤字が出始める店舗も多くなり始めていた。
辞める人間に直接リュミエッタが問い詰めたこともあるが、言葉を濁してこれと言う理由はわからなかった。
「このままでは父が信頼している者もいつ辞めてしまうかもしれません、その調査を依頼したいのですわ!」
『……調査、ですか』
「ええ、貴女はあれでしょう? 魔王の娘なんですもの、魔法や呪いで我が家に嫌がらせするものの正体を突き止めてほしいのですわ!」
『ええと、まず……多分ですが。魔法や呪いの類では無いかと思いますよ』
「じゃあなんで辞めるのよ。相場より高い給料、上昇志向のある人間にはそれなりの仕事を任せてるのよ。やりがいもあるのに」
ごんっ! と拳をテーブルに打ち付けて声を震わせるリュミエッタにセリスはどう声をかけるか迷う。
ここまででわかるリュミエッタの態度と言葉から、なんとなくその性格がわかってきた。
『では原因を探るためにも幾つかご質問をさせてください』
「質問? 私は調査をしてって言ってるの! 金額だってあのチラシのはした金、10倍は出せるわ」
『まあまあ、その調査の一環だと思ってくださいませ』
ここは相談所であって調査するような探偵業では無いのだが、セリスは否定せず話を聞き出す事にベクトルを向ける。
でないと多分なんにも解決しないとつい先日、ヘイズの件で骨身に染みたのだから。
「長引くのは嫌」
そんなセリスの思いを一言で切り捨てる彼女。それでも根気良くセリスは言葉を選んだ。
『はは……じゃ、じゃあ絞りますから』
離職の原因はリュミエッタが凄まじく自己中心的、それに限ると思うセリス。
しかし、その事を素直に指摘してもこのタイプは耳を貸さないだろう。それにそれが原因だと決めて掛かるのは早計だと自分に言い聞かせる。
『まずは、人を雇った際の研修などはどのようなことを行っていますか?』
「研修? そんなの先に入った連中に仕事教えろって命令するだけでいいじゃない」
『そうでしたか、それだと入った人も今までいた人も困りますね』
いわゆる入社時研修、自分の仕事は何なのか、誰の指示に従えば良いのか、職場のルールはあるのか等……基本的な所を押さえた説明をしておかないと入った人は困るし、それを誰が教えるのかを明確にすることで先輩も気を引き締めることにもつながる。
「なんでよ、例えば服屋は服を売るんだから教え様がないじゃない」
あっけらかんと言い切るリュミエッタにセリスが冷や汗を流す。
『今お父様は?』
「しつこく口出ししてきてばっかり、誰が新しい販路作ってると思ってるのかしら。後は人さえ定着すれば全部うまくいくのよ」
『そうですか……お母様は?』
「居ないわ、私が4歳の頃に病で死んだもの」
『ごめんなさい』
「知らなかったんでしょう? そんなの謝る必要はないわ」
何を気にしているのよ、とリュミエッタは髪をかきあげる。
『確かに……そうですけど。まあ、良いです。この質問がいちばん重要なんですけど……会社に一番必要なことってなんだと思いますか?』
思いの外、母親のことをサバサバと話すリュミエッタになんとなく寂しいものや共感できることを思いながら。
核心をついてみた。
「お金よ。当たり前じゃない、資本がなければ事業拡大はできないし物も仕入れられないわ」
『ええ、それも大事なんですけど……ありがとうございます。質問はこれで終わりです』
「じゃあこれでいいわね。どうすれば辞める人間を減らせる?」
すでにここにリュミエッタが来て1時間、ソワソワした様子がずーーっと続いている。
『それはまだ結論を出せませんが、なんでそんなにソワソワして居られるんです?』
「え? 依頼を出してさっさと店に戻るつもりだったの。仕事がいっぱいあるからね……」
その言葉にセリスは納得する。ああ、だからアレだけ騒いで入ってきてもノックは控えめだったんだ。営業とかで身に染み付いているのだろう、と。
「じゃあ、結果が出たら教えて頂戴。じゃあね」
ジャラジャラとポケットから金貨を取り出して、手を数回振るリュミエッタ。不思議な仕草にセリスは見守った。
次の瞬間。
「依頼料は先払いよ、解決しなかったら許さないんだから」
――とんっ!
綺麗に積み重なった金貨の枚数は5枚、相談料は銀貨1枚……十倍以上の金額だった。
しかし、セリスはその金額に驚くよりも……
『え? 今のどうやったんですか?』
すべての金貨が1ミリの狂いもなく積み重なっている。
しかも一枚づつ上から取っていくと全て裏表が揃っていた。
「いつも触ってるもの、見なくてもできるわよ。ほら」
そう言って再び金貨を握る手を振るとリュミエッタは同じ枚数、同じ裏表でテーブルに乗せる。
『すごいですね』
「貴女のほうがすごいわよ。首がなくても生きてるんだもの……急がなきゃ。今度こそじゃあね」
『あ、はい……また』
つんつんと金貨のタワーを指で突くセリスに声をかけてがちゃりとドアをくぐり、リュミエッタは嵐のように去っていく。
途中でコートについてメイに持ってこさせてたりと、館から出るまでその声は響いていた。
そんな彼女と入れ違いに入ってきたのはヘリヤである。
ものすごく不機嫌な表情でテーブルの上を片付け始めた。
「セリ様、なんで言わなかったんですか?」
『あ、あはは』
「見てください、クッキー1枚すら食べてないし……お茶は一気飲み。感想すら言わずに……」
みしみしと音を立てるかのような空気感の中、ふつふつとヘリヤの怒りは溜まっていく。
『急いでいたのよ。多分お仕事でなにかあったんだと思うわ』
「でしょうね。そういう風になるべくしてなったんだと言ってあげれば良かったでしょうに」
『それだけじゃない気がするの』
「まさか、セリ様まで魔法や呪いがあると思ってらっしゃるのです?」
『それこそまさかだよヘリヤ。明日お買い物に行きたいのだけれども……一つお願いがあるの』
手をパタパタと振り、ヘリヤの言葉を否定するものの……確信がつかめない。
「リュミエッタ様の経営する商会へ行きたいのですよね? ちょうどファウナに菓子の材料を頼まれてますので良いですよ」
『さすがヘリヤ、ありがとう』
となれば直接確かめる。そんなセリスの思考を読んでヘリヤが言葉をかける。阿吽の呼吸の2人に空いたままのドアから声がかかった。
「あの、セリス様」
それはリュミエッタに振り回されたメイド見習いのメイ。
『あらメイ、良かったらクッキー食べませんか? リュミエッタさん1枚も食べなかったの』
ご褒美ご褒美とそのまま紙に包んでメイに手渡すセリスに、戸惑いながらメイは頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。リュミエッタ様を止めなくちゃいけなかったのに」
「何を言ってるのですメイ、アレは私のミスです……セリス様がおっしゃった通り貴女はしっかりと仕事をしました」
「え、でも」
「追いかける際、タオルを持っておりましたね。いきなり入ってきた彼女に対しちゃんと見ていたからこそタオルを用意したのでしょう?」
「は、はい……それに外は雨が降っているので必要かもと思いました」
ならばそのクッキーはちゃんと受け取って、ファウナにお茶でも居れてもらうことです。とお茶のポットなどを手に持ってヘリヤはメイにそう声をかけた。
初日こそファウナに拳骨をもらって失神したままの出会いだったメイだが、二日目にしてなんでここに派遣されたのかヘリヤは理解する。何事にも一生懸命なのだ。
それこそメイドを目指す者としての素質があった。
「鍛えがいがありますね」
ニンマリと笑みを浮かべるヘリヤ。その様子を微笑ましく見守るセリス。魔王城ではトップクラスのメイドであるがヘリヤはあくまでも魔族なのである。
人間の常識については勉強中であり、その点についてはメイのほうが素直に核心を突くので学ぶことも多かったのだ。
なにより、その真っ直ぐさはこうして何か不快な事があった後でも周りを笑顔にできるという得難いステータスを持っている。
『あら、雨上がったわ』
気がつけば窓に当たる雨粒の音は止み、外は青空が垣間見えている。その様子を見てヘリヤがつぶやく。
「本当に嵐のような方でしたね」
――それはそう。
奇しくもメイとセリスの感想は一致し、雨上がりの中を早くも小鳥が数羽飛び立つ。
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