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雨と制服とジャージ
5.魔法がとけたあと
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薄暗い、一人暮らしの男の部屋。
裸の女子高生。一緒にいる男は高校教師。
バレてしまったら、先生も私も……。
なんて、今はそんな綺麗事言わない。
この部屋に漂っている欲情めいた空気は、気のせいじゃない。
ソファの上で、先生と座って見つめ合う。
私の肩にはブランケットが掛けられていて、先生は一歩私に近づいた。
「先生……」
「……喋るな」
私の顎に、先生の指が当てられた。
ぐっと顔を近づけられ、貪るように唇を奪われる。
「せん、せ……」
熱い唇が、知らない世界へと私を誘う。先生の分厚い舌は、私の舌を探し出すと喰らわれそうに激しく吸い上げる。
「んっ…」
口の中までも先生に奪われ、くたりと先生に倒れ込む。
先生は私を片手で抱きとめ、まだ足りないと私に呼吸を与えることさえも許さない。
外では、遠のいた雷鳴に、雨音が聞こえる。
部屋の中では私の乱れた呼吸と混じり合う熱い吐息。先生の服と、ブランケットが擦れる音。
そして、キスの激しさを物語る音。
唇が離れると、銀色の糸が繋がった。
「…………物欲しそうな顔してんな」
まだ唇を開いたままの私に、先生は憎たらしく呟いた。
「そんな顔見えるんですか、暗いのに」
「見えるてよ。ここもな」
先生は白く丸い膨らみを持ち上げ、やわやわと柔らかさを楽しんでいる。
「や……っ」
「嫌じゃねえだろ。嫌な奴が男の前で全部脱ぐか」
「いや……じゃないです」
「そうだろうな」
先生の唇が下がって、持ち上げた膨らみの先にキスをした。
思わず先生が着ているシャツを握る。
「先生は、……嫌じゃないですか?」
「え?」
「私のこと……」
こんなはしたない私のこと、嫌じゃない?
先生は、膨らみから唇を離して私の瞳を覗き込むように見つめた。
顔が近づき、恥ずかしくて後ろへ下がる。
が、逃げ場はなく、ちゅっとキスをされた。
「嫌だよ」
「えっ!」
「まだ卒業もしてねえのに。生徒に手出すのは嫌だよ。俺、教師だし」
先生は、私の肩にかかっているブランケットをぎゅぎゅっと中央に寄せ、胸が見えないようにしてから、テーブルの上のライターに手を伸ばした。
「……え。終わっちゃうんですか~!」
「何だよ。してほしいのかよ」
「だって、勇気振り絞ったのに……」
「うん。すげー色仕掛けだなと思ったよ。こんな奴はじめて」
シュボッとライターに火がつき、暗い部屋がオレンジ色になる。
「わあ……明るい」
先生の笑った顔も見えて、きっと先生からは、私のまぬけな顔も見えている。
「先生が見えた」
そう言って笑うと、先生も少しだけ微笑む。その瞬間パッと部屋の電気がついた。
「わっ」
「まぶしー!」
昼間のように照らすライト。停電が終わったようだ。
一斉にいろんな機械の電源が入る音がしている。
明るいところでブランケットを巻かれた私は目も当てられない姿で、急いで洗面所で着替えた。
途中だった乾燥機は、余熱で乾いていた。
「煙草は……やっぱお前送ってからにしよう。そろそろ車出さなきゃ、家の人が心配してるよ」
先生はジャージに着替えて、私は制服。
あんな夢のようなキスなど、全くなかったような雰囲気になってしまった。
ふんわり乾いたシャツを着て、ショーツをはいた。太もものゴムがぴちっと鳴って、着替え完了。
洗面所の鏡を見て髪を整え、私は生徒に戻る。
先生にひとつ、聞いてもいいかなあ。
もし、私が卒業したら。
その時は今日の続き、してくれる?
……なんて、聞けない。先生の背中を見たら、聞けない。
先生は、やっぱり先生なんだもん。
電気がつくと、魔法が解けたみたい。
先生はもう玄関にいて、私に早く出るように急かし、カウントダウンを始める。
「外は暗いぞ。急げ。5、4、3、2、1……」
「ちょ、ちょっと待ってください、靴履けてないですから」
許しを乞うているのに先生は非情にも言い下した。
「ゼロー。アウト」
「えーっ……」
靴の踵がやっと収まり、キャメル色の鞄を抱き上げて先生を見上げる。
すると、見たことないぐらい真剣な顔をした先生の、黒い瞳に私が映った。
「……アウトだよ。簡単に俺の理性吹っ飛ばせやがって」
ぎゅ、と私を抱くようにして、こめかみにキスが降る。くすぐったくて目を閉じたら、瞼にも。
「…………お前の気持ちが変わらなかったら、また、卒業してから来い。その時は、追い返したりしないから」
先生の私を抱く手に力がこもり、先生のジャージに埋もれる。
「いいんですか……あの、彼女さんは……」
「いねえよ。いたらこんなことしねーよ」
よかった。
先生、彼女いないんだ。
……よかった。
先生が、私に希望を持たせてくれて……。
「先生……」
ドアを開ける前に、どちらからともなく引き寄せられるようにキスをした。
end
裸の女子高生。一緒にいる男は高校教師。
バレてしまったら、先生も私も……。
なんて、今はそんな綺麗事言わない。
この部屋に漂っている欲情めいた空気は、気のせいじゃない。
ソファの上で、先生と座って見つめ合う。
私の肩にはブランケットが掛けられていて、先生は一歩私に近づいた。
「先生……」
「……喋るな」
私の顎に、先生の指が当てられた。
ぐっと顔を近づけられ、貪るように唇を奪われる。
「せん、せ……」
熱い唇が、知らない世界へと私を誘う。先生の分厚い舌は、私の舌を探し出すと喰らわれそうに激しく吸い上げる。
「んっ…」
口の中までも先生に奪われ、くたりと先生に倒れ込む。
先生は私を片手で抱きとめ、まだ足りないと私に呼吸を与えることさえも許さない。
外では、遠のいた雷鳴に、雨音が聞こえる。
部屋の中では私の乱れた呼吸と混じり合う熱い吐息。先生の服と、ブランケットが擦れる音。
そして、キスの激しさを物語る音。
唇が離れると、銀色の糸が繋がった。
「…………物欲しそうな顔してんな」
まだ唇を開いたままの私に、先生は憎たらしく呟いた。
「そんな顔見えるんですか、暗いのに」
「見えるてよ。ここもな」
先生は白く丸い膨らみを持ち上げ、やわやわと柔らかさを楽しんでいる。
「や……っ」
「嫌じゃねえだろ。嫌な奴が男の前で全部脱ぐか」
「いや……じゃないです」
「そうだろうな」
先生の唇が下がって、持ち上げた膨らみの先にキスをした。
思わず先生が着ているシャツを握る。
「先生は、……嫌じゃないですか?」
「え?」
「私のこと……」
こんなはしたない私のこと、嫌じゃない?
先生は、膨らみから唇を離して私の瞳を覗き込むように見つめた。
顔が近づき、恥ずかしくて後ろへ下がる。
が、逃げ場はなく、ちゅっとキスをされた。
「嫌だよ」
「えっ!」
「まだ卒業もしてねえのに。生徒に手出すのは嫌だよ。俺、教師だし」
先生は、私の肩にかかっているブランケットをぎゅぎゅっと中央に寄せ、胸が見えないようにしてから、テーブルの上のライターに手を伸ばした。
「……え。終わっちゃうんですか~!」
「何だよ。してほしいのかよ」
「だって、勇気振り絞ったのに……」
「うん。すげー色仕掛けだなと思ったよ。こんな奴はじめて」
シュボッとライターに火がつき、暗い部屋がオレンジ色になる。
「わあ……明るい」
先生の笑った顔も見えて、きっと先生からは、私のまぬけな顔も見えている。
「先生が見えた」
そう言って笑うと、先生も少しだけ微笑む。その瞬間パッと部屋の電気がついた。
「わっ」
「まぶしー!」
昼間のように照らすライト。停電が終わったようだ。
一斉にいろんな機械の電源が入る音がしている。
明るいところでブランケットを巻かれた私は目も当てられない姿で、急いで洗面所で着替えた。
途中だった乾燥機は、余熱で乾いていた。
「煙草は……やっぱお前送ってからにしよう。そろそろ車出さなきゃ、家の人が心配してるよ」
先生はジャージに着替えて、私は制服。
あんな夢のようなキスなど、全くなかったような雰囲気になってしまった。
ふんわり乾いたシャツを着て、ショーツをはいた。太もものゴムがぴちっと鳴って、着替え完了。
洗面所の鏡を見て髪を整え、私は生徒に戻る。
先生にひとつ、聞いてもいいかなあ。
もし、私が卒業したら。
その時は今日の続き、してくれる?
……なんて、聞けない。先生の背中を見たら、聞けない。
先生は、やっぱり先生なんだもん。
電気がつくと、魔法が解けたみたい。
先生はもう玄関にいて、私に早く出るように急かし、カウントダウンを始める。
「外は暗いぞ。急げ。5、4、3、2、1……」
「ちょ、ちょっと待ってください、靴履けてないですから」
許しを乞うているのに先生は非情にも言い下した。
「ゼロー。アウト」
「えーっ……」
靴の踵がやっと収まり、キャメル色の鞄を抱き上げて先生を見上げる。
すると、見たことないぐらい真剣な顔をした先生の、黒い瞳に私が映った。
「……アウトだよ。簡単に俺の理性吹っ飛ばせやがって」
ぎゅ、と私を抱くようにして、こめかみにキスが降る。くすぐったくて目を閉じたら、瞼にも。
「…………お前の気持ちが変わらなかったら、また、卒業してから来い。その時は、追い返したりしないから」
先生の私を抱く手に力がこもり、先生のジャージに埋もれる。
「いいんですか……あの、彼女さんは……」
「いねえよ。いたらこんなことしねーよ」
よかった。
先生、彼女いないんだ。
……よかった。
先生が、私に希望を持たせてくれて……。
「先生……」
ドアを開ける前に、どちらからともなく引き寄せられるようにキスをした。
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