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4.一緒に参加しなきゃダメですか?
3話
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「今年もドレスを贈ってやるよ。どんなのがいい?」
「え?」
驚いてクロード様のほうを見ると、さっと目を逸らされた。頬が若干赤く染まっている。
クロード様は、なぜだかドレスとアクセサリーだけは毎年贈ってくれていた。
入学して初めてのパーティーでは、彼が私のためを思ってプレゼントしてくれたのだと思い、歓喜したのを覚えている。ドレスはクロード様の目の色と同じ、美しい紫色をしていた。
しかし、期待に胸を膨らませて行ったパーティーでクロード様は、もらったドレスを着ている私に何の反応も見せなかった。
褒めてくれるんじゃないかなんて期待していた自分が恥ずかしくなるくらいクロード様は私に関心を向けず、そのまま義務的に手を取って会場までエスコートする。
そんな彼を見てようやく理解した。
ドレスを贈ってくれたのは、単に慣習に従っただけなのだと。
パーティーには婚約者と参加することと同様、パートナーの女子生徒には男子生徒からドレスを贈るのが暗黙の了解になっている。クロード様はそれに則っただけだったのだ。
外面のいい彼らしい。私が誰かにクロード様がドレスを贈ってくれなかったなんてこぼさないよう、わざわざドレスを用意したのだ。
次の年からは何の期待もしないようにしていたから、彼が無反応でもそれほどダメージを受けないで済んだけれど、ドレスの箱が届くたびにほんの少し喜んでしまう自分が、何とも惨めで悔しかった。
……駄目だ。ダンスパーティーのことを考えると、嫌な思い出が次々と蘇ってくる。
「え?」
驚いてクロード様のほうを見ると、さっと目を逸らされた。頬が若干赤く染まっている。
クロード様は、なぜだかドレスとアクセサリーだけは毎年贈ってくれていた。
入学して初めてのパーティーでは、彼が私のためを思ってプレゼントしてくれたのだと思い、歓喜したのを覚えている。ドレスはクロード様の目の色と同じ、美しい紫色をしていた。
しかし、期待に胸を膨らませて行ったパーティーでクロード様は、もらったドレスを着ている私に何の反応も見せなかった。
褒めてくれるんじゃないかなんて期待していた自分が恥ずかしくなるくらいクロード様は私に関心を向けず、そのまま義務的に手を取って会場までエスコートする。
そんな彼を見てようやく理解した。
ドレスを贈ってくれたのは、単に慣習に従っただけなのだと。
パーティーには婚約者と参加することと同様、パートナーの女子生徒には男子生徒からドレスを贈るのが暗黙の了解になっている。クロード様はそれに則っただけだったのだ。
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……駄目だ。ダンスパーティーのことを考えると、嫌な思い出が次々と蘇ってくる。
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