私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが

雪丸

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10.認めたくない クロード視点

2話

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「な……! お前ら何してるんだよ!! 何手なんか繋いでるんだ!?」

 イラついて思わず声が出る。

 こちらをちらちら見る人々の視線がさらに険しくなったが、そんなことはどうでもいい。

 もう隠れてなどいないでこのまま二人のところへ行ってしまおうかと考え、いや、そんなことをしてはエミリアからさらに軽蔑される恐れがあると必死で衝動を押しとどめる。


 すると、突然エミリアの視線がこちらに向いた。

 慌てて建物の影に隠れ直す。

 まさか気づかれたのだろうか。


 そっと顔を出してエミリアの方を見ると、何事もなかったかのようにレスターとの会話に戻っていた。

 安心すると同時に、一体俺は何をやっているんだと頭を抱えた。

 こんなストーカーみたいな真似までして……というかやっていることはストーカーそのものなのではないかと考えたところで、頭が痛くなってきたので考えるのをやめた。

 けれど、どうしても気になって仕方なかったのだ。

 エミリアがほかの男と二人で出かけるなんて、黙って待っていられるはずがない。
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