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悪役だけど、恋に興味ないから大丈夫だよね?

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 私は乙女ゲームしたことないです(^^;;
悪役が出る乙女ゲームの小説って多いですよね、それぞれの魅力があり、それを見比べながら見るのが私は好きです。
 

****

 どうも初めまして、私はエレナ・レンティル。まだ14歳なんだけど、胸は前世の私より大きいし、顔は前世の私より整ってて、お化粧なんて要らないくらい綺麗。
 実は私、前世の記憶があるの…周りの人達が皆揃って黒髪、黒目…魔法なんてない、科学が発展した世界の日本と呼ばれる国で、前世の私は暮らしていた。もう、今世に生まれて14年が経っているから、記憶が曖昧でなんで死んだのかは覚えていない。
 さて、ここからが重要な話…私は、どうやら前世で遊んでいた乙女ゲームの悪役に生まれ変わってしまったらしいの!!気づいたのは、私が12歳になって学校へ入学する日の朝…自分の部屋で制服を着て、姿鏡で自分を見た時

「え、うそでしょ?私…まるで悪役エレナそっくりじゃない!?」

 艶めく黒髪に、アメジストのように透き通り、輝く瞳。そして、私が今日から通う学校、『レモスティレス』の制服。前世で遊び倒した乙女ゲームで不敵な笑みを浮かべ、ナイスボティを見せつけ、ヒロインをいじめていた悪役エレナ・レンティルに姿鏡に映る私は、瓜二つだった。

「これからどうしよう…」

 なんとか入学式を終え、家に帰ってきた私は、これからどうすべきか頭を悩ませた。

まずは、情報整理よね

 私は、まずは紙に覚えている限りの乙女ゲームの記憶を書き留めることにした。


 この世界には魔法という物が存在し、それを使えるものは私が通う『レモスティレス』の学校に通わなければならない、という決まりがこの国ではある。そして、乙女ゲームの舞台はレモスティレス学校だ。明るく、天然で可憐な少女なヒロインのリリアナ・ランザットがある日、珍しい光魔法を発現させた。
 当然、リリアナはレモスティレスの学校に通い、沢山の仲間達と親睦を深める。この乙女ゲームには、女性にも好感度が存在し、女性の好感度をあげると、友情が深まるという設定で、深まれば深まるほど…頼れる存在になるのだ。男性の好感度は、半分までは友情、それ以上は異性としての好意度となっており、だんだんとツンデレになっていくキャラクター達を見るのはたまらなかった。おっと、これは情報として書かなくてもいいよね…
 そして、たまにドキドキイベントがあったり、パプニングがあったりするけど、 リリアナ達は絆の力と魔法でそれを切りぬけ、穏やかな日々を過ごすのだが…

「貴方ね!ムカつくのよ!!!」

 そう、悪役エレナの存在である。彼女は、珍しい光魔法を使い、誰とも仲良くしているリリアナに嫉妬していた。女性にも好感度があると言ったのだが、エレナにはその好感度が無く、話しかけると「話しかけないでくれる?」と言われ、そこで会話終了。リリアナは天然で可憐。それに対抗するため、エレナは美しく、大人びた印象に造られていた。エレナ、見た目だけは好みだったなぁってこの情報も要らない。
 エレナの登場で女性の好感度をどれほど上げているのか、が重要になる。好感度が高いと、友達としてエレナのいじめから、リリアナのことを彼女達は守ってくれるのだが…逆に低いと、リリアナのHPはゴリゴリと削られ、最終的には自殺というバットエンドを迎えてしまう。前世の私は、相当この乙女ゲームをやりこんでいて、覚えている限りではその時点で女性達のほとんどが好感度MAXだった。
 そしてエレナのいじめを乗り越え、攻略対象の好感度をあげ…リリアナは最後はみんなと仲良くレモスティレスの学校を卒業。卒業式の最後に、リリアナの靴箱にラブレターが置いてあり、指定された場所に行くと、好感度が1番高い攻略対象に呼ばれ、告白される。もしくは、攻略対象の好感度を全員MAXにすると、最後はみんなで記念写真を撮り、終わるハーレムエンド。そしてその後、魔法使いとしてリリアナは名を馳せる。という物語で、このゲームは終わるのだが…今の私にとって重要なのは、悪役エレナについてだ。
 悪役エレナは、リリアナのエンドによって、その生涯も変わる。もし、リリアナがハーレムエンドを迎えた場合。エレナは、卒業の日に、リリアナに「エレナちゃんとも、仲良くしたかった。ごめんね、寂しかったよね」と天使なリリアナのその言葉に、エレナはこれまでの事を悔やみ、リリアナに謝るという最高のエンドを迎える。 そして、ハッピーエンドを迎えた場合。エレナは卒業の日に、リリアナが攻略対象に告白をされる所を見て、自分が片思いをしていた人物がリリアナのことを好きだった事に絶望し、自殺してしまう。そしてエレナは、リリアナが選んだ攻略対象に片思いをしているという設定な為、どの攻略対象だったとしても、最後は自殺をする。このエンドは避けなければならない。更には、リリアナがバットエンドで死んでしまった場合。エレナはその後、魔法の暴発で事故死してしまう。これも避けないと!

「絶対、絶対!死んだりなんかしないんだから!!!!」

 覚えてる限りの全てを書き終わり、2年前の私は決意した。



そして2年後…



「エレナ、おはよう!」

 背後から私を呼ぶ声が聞こえた。聞きなれたその声に、私は振り返る。

「リリアナ、おはよう」

 肩までのふんわりとした桃色の髪を揺らし、乙女ゲームのヒロインリリアナが瑠璃色の瞳で私を見つめていた。

「あれ?リリアナ…寝癖がついてるよ」
「ふぇ?どこどこ?」
「わたしが直してあげるよ、おいで」

 私は、鞄から櫛を取り出し、リリアナの髪を梳かす。周りから見たら2人は、仲の良い友達同士に見えるだろう。

「うん、もう大丈夫」
「ありがとう、エレナ!」

 リリアナの寝癖を直してあげると、彼女は嬉しそうに笑う。

 もう、2年経ったんだ…

 2年前の私は、悪役に転生してしまった事に混乱し、自分が死ぬエンドを避けるために必死なっていた。だがそれも、杞憂に終わる。私は、乙女ゲームの悪役エレナだが…自分自身の意思があって行動出来るのだ。リリアナに対して嫉妬も怒りも無いので、ゲームのように毛嫌いなどしていない。

 もう、バットエンドもハッピーエンドもハーレムエンドも無いようだ。ゲームの強制力なども一切なく、私達は平穏に暮らしている。リリアナに私が接触した事により、ゲームとは全く違う展開ばかり起きる。

「リリアナ、エレナ。2人ともおはよう」

 仲良くイチャつく私と、リリアナに話しかける1人の男子。前世に居たら、1日にどれほどナンパをされるのか気になるくらいに整った顔立ちの男…彼は、攻略対象のゼッティス・カルバー。優しくて、頼れるお兄さん的存在で、実はリリアナの恋人だったりする。

「おはよう」
「ゼッティス!おはよう!」

 リリアナはゼッティスに抱きつき、満面の笑みを見せた。それを見た私は、ゼッティスをニヤニヤとした目で見る。それを見たゼッティスは私から目をそらした。実は、彼がリリアナが好きお近付きになりたいと言っていたのを聞いて、お近付きさせてあげたのは私だった。いつか、お礼はたっぷり貰うつもり。

「はぁ…朝から、ラブラブね~邪魔者は消えますよ」

 私は、その場から退散。リア充め…幸せになれよ…

 本来は卒業式の日に下駄箱の中にラブレターがあるっていうベタな展開だけど、もう既にリリアナとゼッティスは付き合ってるわけだし、もうエンドとか気にしないでいいはず。

「エレナ」

 考え事をしていた私にまたも聞きなれた声が聞こえた。

「おはよう。シュルス」

 私に話しかけたのは、シュルス・ウェルド。シュルスは私の隣の家に住む少年で、幼馴染という関係だ。いつも眠たげで、マイペース。だけど、見た目は良く、意外と頭はいい。

「エレナ、昨日の傷…リリアナに、治してもらった、ら?」

 シュルスが心配そうに私の顔を覗き込む。

「ううん、いいよ…リリアナには知られたくない」

 私は、傷がある右腕を制服の上から掴む。乙女ゲームはレモスティレス学校に入学してから始まり、エレナの過去や家庭についてはハーレムエンドしか触れることは無い。エレナとして生まれた私は、生まれて間もない時に母を病で失い。そして父は、母を失ったことで錯乱し、酒に溺れ…家から出ていってしまった。厳しい環境で育った私は、殆ど自力で生きてきた。偶に、母の兄である叔父が様子を見に来てくれるのだが…親の愛を与えられたことがない。そして、この右腕の傷は、父が急に昨日の夜中帰ってきて、家で暴れたことによって受けた傷だった。私の叫び声で異変に気づいたシュルスが魔法で父を追い払ってくれなければ、私はもしかしたら…

「そっか…俺は、エレナの味方…守るから…いつでも頼って、ね」

 シュルスは珍しくも、真面目な顔で私言った。

「うん、ありがとう」

 彼は、見た目はいい。元モブ…元、というのは彼が攻略対象というのがゲームが発売された後に発覚したからだ。私が唯一生き残るハーレムエンド…そのエンドにたどり着くには、公式から攻略対象として発表されていなかった、シュルスの好感度を他の攻略対象達と同じく、MAXにしないといけない。彼はゲーム内でも、エレナと会話しているシーンがある唯一の人物で、彼の好感度をMAXにすると…イベントが起こり、彼はエレナの家庭事情と過去をリリアナに話してくれるのだ。
 ハーレムエンドでリリアナが「寂しかったよね」と、エレナに話しかけたのはその話を聞いたから。唯一生き残るために、シュルスは必要な存在。それをわかっていた私は、彼との仲を深めた。その結果…

「エレナ、今日も可愛い。大好き」

 シュルスの私に対する好感度を上げすぎたらしい。彼は、毎日のように私を口説いてくる。

「はぁ、ありがとうシュルス。もうホームルーム始まるよ、早く行こ!」
「うん」

 もう大丈夫。私は大丈夫。皆が私を友だと認めてくれているから…



 私は、前世の分も幸せになると決めたんだ。



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説明文多すぎましてすみません(^ω^;);););)

息抜きに書いてたので全然ちゃんと書けてないです( ´・ω・`)








 





 
 





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