5 / 13
第1章:剣と風、二人の旅路
05.討伐、そして信頼への一歩
しおりを挟む
随分と空が遠い。疲れ果てて仰向けに倒れながら俺はそんなことを考えた。隣ではエルフィーナが寝息を立てながらぐっすりと眠って……いやこれはほとんど気絶しているな。
今から一時間ほど遡ると、俺は謎に覚醒した聖剣を使ってオークゴブリンの大軍を薙ぎ払った。数える暇もなかったので戦績はわからないが、優に百は超えるだろう。
援軍を呼ばれて危機一髪!という状況でエルフィーナが立ち上がり、再びシルフレイドを放った。魔法による爆風──爆発要素は無くほとんど風だが──は援軍の本隊を大将ごと吹っ飛ばした。
恐れを生したオークたちはそのまま退散し、俺たち二人は無事に村を守りきった。満身創痍ではあったが。
「無事か?エルフィーナ」
「べ、別に?それにアンタこそ怪我してたら許さないわよ!」
エルフィーナの尊大な態度とは裏腹に、声には申し訳なさがあった。
なんだいつも通りか、と思いながら空を見上げる。もう日が暮れて辺りは常闇に包まれそうだ。
「アンタ、少しは見直したわよ」
「俺が何か?」
特にエルフィーナに認められるようなことをした覚えはないが、まぁ聞いてみるくらいならいいか。
「あのオークゴブリン達、今日はボスを連れてきたの」
ボス……多分デカイ甲冑つけてたあれだな。他は比較的軽装だったのに対して、一回りデカイボスだけ鎧で固めていた。大将が防具で固めるのは当たり前だが、ろくな防具すらも味方に着せないのはどうかと思う。
「アンタが大将を討ち取った」
恐らくだが適当に剣を振り回してた、もしくは剣に操作されるがままにしていたら大将の首を刎ねただけであって決して俺の実力じゃない。
しかしまぁ、人間というのは不思議なもので、偶然だとしても手柄を挙げたら少なからずそれをひけらかしたいものだ。当然俺も例外ではなく、チャンスだと悟った。
「俺は剣に選ばれた勇者候補だ。この程度の魔物、いつだって討伐してやるぜ」
我ながら中々カッコイイ決めゼリフじゃないだろうか。これでツンツンしてばかりのエルフィーナも少しはデレデレしてくれるんじゃないだろうか?
あわよくばベストパートナーになって冒険者みたいになってもいいな。
「勇者様……先程のお誘い、快く引き受けます」
先程のお誘い……仲間の勧誘の話か、確かに返事を聞く前に魔物を討伐しに行ったからな。こうやって改めて仲間になれて良かったと思うよ。
「私と共に、魔王軍の討伐をお願いします!」
覚悟が決まった目で語りかける。無論俺は首を縦に振った。ここから俺たちの冒険が始まる───!
いや待てよ、今魔王軍の討伐って言ったか?
スローライフな冒険じゃなくて命懸けの魔王軍討伐?
「ま、任せろよ……」
もう引き返せないことが確定した。
*
「エルフィーナ様、貴方様がいなくなると村が寂しくなります」
翌朝──熟睡したのでほとんど正午──俺たちは村を旅立つことになり、村の人達からお別れの挨拶をされた。
一度ならず二度も村を救ってくれた英雄は僅か二日で村を離れてしまう。村民たちは阿鼻叫喚だったが、暖かく送り出してくれそうだ。
「タクミさん、あんたがいなかったら俺たちは不安定な橋をずっと使っていたところだ」
「本当にありがとう」
職人達が俺を囲んで感謝の言葉を述べてくれた。ここまで感謝されると、俺が十数年間勉強してきたこともどうやら無駄にはならなかったようだと改めて実感する。
スキンヘッドの彼が俺の前に立つと、袋にいくつかの木の実を入れてくれた。ビー玉とほとんど同じ大きさで、紫や赤など色とりどりで美味しそうな木の実だ。
「この木の実、アンタらが戦っていた時に俺たちが栄養源としてかき集めたものだ。少ししか取れなかったが栄養満点だ。旅の途中、俺たちの顔を思い浮かべながら食ってくれると嬉しい」
いや可愛いかよ。
いい歳したおじさん達が森の中で木の実採取とかギャップ萌えにも程がある。SNSでおじさん可愛い~ってやってた人達の心情がようやく理解出来そうだよ……
「有難く頂戴するよ。魔王を倒した暁には、また頂きにくるとしようか」
「はっはっは!言ってくれるじゃないかタクミ、必ず待っているからな。次来る時はもっと立派な橋を作っておくとしよう」
俺とスキンヘッドのおじさんは腕組みをして約束をした。男同士の約束はこうすることで結束力が強まる。次来る時はどんな橋が出来上がっているのか、期待に胸を膨らませながら俺は彼らと別れた。
「別にアンタたちのことなんて気にしてないんだからね!」
「元気そうだな」
「誰かが村を出る時はいつもああしてる。ただの照れ隠しさ」
一体何が入っているのか気になる巨大なバッグ、それを背負ったエルフィーナは手を振りながら必死に叫ぶ。生まれてから三百年もこの村にいたのだ。別れがどれほど悲しいものか。
「一週間に一回しか手紙送らないからねー!」
律儀なおば……娘だな。いややっぱり娘ではないな。いくら長命ということを考慮してもジェネレーションギャップが起こるほどだ。おじさんとおばあさんの二人組でいくとしよう。
「それじゃあ村長、二日間でしたがお世話になりました」
「宴でもやろうと思ったのですが、もう発たれるのですね」
「まぁ……俺達には『魔王を倒す』っていう目的があるので」
魔王討伐、世界の命運をかけた過酷な旅になるだろう。その旅の中で無数の強力なライバルと出会い、頼りになる仲間を集めて、いずれは大きな別れも経験することになるだろう。
「では勇者様、こちら……我々が勇者様のために用意したものになります。旅の途中できっと役に立つでしょう」
「いえ……気持ちだけでも」
俺は村長が渡してきた袋を受け取ることを拒否した。こういうのは大抵、村中からかき集めた金貨だったりで、勇者様のためなら~とか言うんだ。いくら俺が村を二度救ったからといって、受け取る訳にはいかない。
「こちら、私達が二百年近くかけて完成させた……『エルフィーナ取り扱い説明書』になります。あの方が気づかれないように持ち歩いているツンドラ語録ノートの写しも抜粋してあります」
「どう感謝すればいいかわかりません」
手のひら返しが滑稽なほどに早すぎる。
しかしそうしてでも受け取る価値はあるはずだ。
「タクミ!速く来ないと置いていくわよ!!」
なんだかもうこの世界が懐かしく感じる。不思議な感覚だが、体が異世界に順応してきたからだろう。草の香り、木の隙間から吹く風、どれもが昔から傍にあったように思える。
俺たちはこのまま前へと進む。駆け出しの勇者と、どこか遅れてる魔法使いの二人組、中々に癖のあるパーティーじゃないか。
「今行く」
今から一時間ほど遡ると、俺は謎に覚醒した聖剣を使ってオークゴブリンの大軍を薙ぎ払った。数える暇もなかったので戦績はわからないが、優に百は超えるだろう。
援軍を呼ばれて危機一髪!という状況でエルフィーナが立ち上がり、再びシルフレイドを放った。魔法による爆風──爆発要素は無くほとんど風だが──は援軍の本隊を大将ごと吹っ飛ばした。
恐れを生したオークたちはそのまま退散し、俺たち二人は無事に村を守りきった。満身創痍ではあったが。
「無事か?エルフィーナ」
「べ、別に?それにアンタこそ怪我してたら許さないわよ!」
エルフィーナの尊大な態度とは裏腹に、声には申し訳なさがあった。
なんだいつも通りか、と思いながら空を見上げる。もう日が暮れて辺りは常闇に包まれそうだ。
「アンタ、少しは見直したわよ」
「俺が何か?」
特にエルフィーナに認められるようなことをした覚えはないが、まぁ聞いてみるくらいならいいか。
「あのオークゴブリン達、今日はボスを連れてきたの」
ボス……多分デカイ甲冑つけてたあれだな。他は比較的軽装だったのに対して、一回りデカイボスだけ鎧で固めていた。大将が防具で固めるのは当たり前だが、ろくな防具すらも味方に着せないのはどうかと思う。
「アンタが大将を討ち取った」
恐らくだが適当に剣を振り回してた、もしくは剣に操作されるがままにしていたら大将の首を刎ねただけであって決して俺の実力じゃない。
しかしまぁ、人間というのは不思議なもので、偶然だとしても手柄を挙げたら少なからずそれをひけらかしたいものだ。当然俺も例外ではなく、チャンスだと悟った。
「俺は剣に選ばれた勇者候補だ。この程度の魔物、いつだって討伐してやるぜ」
我ながら中々カッコイイ決めゼリフじゃないだろうか。これでツンツンしてばかりのエルフィーナも少しはデレデレしてくれるんじゃないだろうか?
あわよくばベストパートナーになって冒険者みたいになってもいいな。
「勇者様……先程のお誘い、快く引き受けます」
先程のお誘い……仲間の勧誘の話か、確かに返事を聞く前に魔物を討伐しに行ったからな。こうやって改めて仲間になれて良かったと思うよ。
「私と共に、魔王軍の討伐をお願いします!」
覚悟が決まった目で語りかける。無論俺は首を縦に振った。ここから俺たちの冒険が始まる───!
いや待てよ、今魔王軍の討伐って言ったか?
スローライフな冒険じゃなくて命懸けの魔王軍討伐?
「ま、任せろよ……」
もう引き返せないことが確定した。
*
「エルフィーナ様、貴方様がいなくなると村が寂しくなります」
翌朝──熟睡したのでほとんど正午──俺たちは村を旅立つことになり、村の人達からお別れの挨拶をされた。
一度ならず二度も村を救ってくれた英雄は僅か二日で村を離れてしまう。村民たちは阿鼻叫喚だったが、暖かく送り出してくれそうだ。
「タクミさん、あんたがいなかったら俺たちは不安定な橋をずっと使っていたところだ」
「本当にありがとう」
職人達が俺を囲んで感謝の言葉を述べてくれた。ここまで感謝されると、俺が十数年間勉強してきたこともどうやら無駄にはならなかったようだと改めて実感する。
スキンヘッドの彼が俺の前に立つと、袋にいくつかの木の実を入れてくれた。ビー玉とほとんど同じ大きさで、紫や赤など色とりどりで美味しそうな木の実だ。
「この木の実、アンタらが戦っていた時に俺たちが栄養源としてかき集めたものだ。少ししか取れなかったが栄養満点だ。旅の途中、俺たちの顔を思い浮かべながら食ってくれると嬉しい」
いや可愛いかよ。
いい歳したおじさん達が森の中で木の実採取とかギャップ萌えにも程がある。SNSでおじさん可愛い~ってやってた人達の心情がようやく理解出来そうだよ……
「有難く頂戴するよ。魔王を倒した暁には、また頂きにくるとしようか」
「はっはっは!言ってくれるじゃないかタクミ、必ず待っているからな。次来る時はもっと立派な橋を作っておくとしよう」
俺とスキンヘッドのおじさんは腕組みをして約束をした。男同士の約束はこうすることで結束力が強まる。次来る時はどんな橋が出来上がっているのか、期待に胸を膨らませながら俺は彼らと別れた。
「別にアンタたちのことなんて気にしてないんだからね!」
「元気そうだな」
「誰かが村を出る時はいつもああしてる。ただの照れ隠しさ」
一体何が入っているのか気になる巨大なバッグ、それを背負ったエルフィーナは手を振りながら必死に叫ぶ。生まれてから三百年もこの村にいたのだ。別れがどれほど悲しいものか。
「一週間に一回しか手紙送らないからねー!」
律儀なおば……娘だな。いややっぱり娘ではないな。いくら長命ということを考慮してもジェネレーションギャップが起こるほどだ。おじさんとおばあさんの二人組でいくとしよう。
「それじゃあ村長、二日間でしたがお世話になりました」
「宴でもやろうと思ったのですが、もう発たれるのですね」
「まぁ……俺達には『魔王を倒す』っていう目的があるので」
魔王討伐、世界の命運をかけた過酷な旅になるだろう。その旅の中で無数の強力なライバルと出会い、頼りになる仲間を集めて、いずれは大きな別れも経験することになるだろう。
「では勇者様、こちら……我々が勇者様のために用意したものになります。旅の途中できっと役に立つでしょう」
「いえ……気持ちだけでも」
俺は村長が渡してきた袋を受け取ることを拒否した。こういうのは大抵、村中からかき集めた金貨だったりで、勇者様のためなら~とか言うんだ。いくら俺が村を二度救ったからといって、受け取る訳にはいかない。
「こちら、私達が二百年近くかけて完成させた……『エルフィーナ取り扱い説明書』になります。あの方が気づかれないように持ち歩いているツンドラ語録ノートの写しも抜粋してあります」
「どう感謝すればいいかわかりません」
手のひら返しが滑稽なほどに早すぎる。
しかしそうしてでも受け取る価値はあるはずだ。
「タクミ!速く来ないと置いていくわよ!!」
なんだかもうこの世界が懐かしく感じる。不思議な感覚だが、体が異世界に順応してきたからだろう。草の香り、木の隙間から吹く風、どれもが昔から傍にあったように思える。
俺たちはこのまま前へと進む。駆け出しの勇者と、どこか遅れてる魔法使いの二人組、中々に癖のあるパーティーじゃないか。
「今行く」
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
追放された【鑑定士】の俺、ゴミスキルのはずが『神の眼』で成り上がる〜今更戻ってこいと言われても、もう遅い〜
☆ほしい
ファンタジー
Sランクパーティ『紅蓮の剣』に所属する鑑定士のカイは、ある日突然、リーダーのアレックスから役立たずの烙印を押され、追放を宣告される。
「お前のスキルはゴミだ」――そう蔑まれ、長年貢献してきたパーティを追い出されたカイ。
しかし、絶望の中でたった一人、自らのスキル【鑑定】と向き合った時、彼はその能力に隠された真の力に気づく。
それは、万物の本質と未来すら見通す【神の眼】だった。
これまでパーティの成功のために尽くしてきた力を、これからは自分のためだけに行使する。
価値の分からなかった元仲間たちが後悔した頃には、カイは既に新たな仲間と富、そして名声を手に入れ、遥か高みへと駆け上がっているだろう。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた男が、世界で唯一の神眼使いとして成り上がる物語。
――今更戻ってこいと言われても、もう遅い。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる