トゥルルルル……!

羽黒

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終わりの始まり

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「うっわ、キモイなぁコレ……」

 電話マークのアイコン部分。

 アイコン右上に表示された電話の着信履歴が、見たこともない数字を叩きだしていた。

 その数、3桁に及ぶ。

 一目で血の気がサァと引く。
 部屋の中もとても静かになった気がした。

「留守電入ってるな。36件も……」

「どうすんの?」

「こんなもん見せられて確認しないわけにはいかないだろ」

「まだ見るの? もうやめとけよ」

 隣でカンタが嫌な顔を浮かべてる。
 窓の隙間から部屋へ侵入してきた蜘蛛でも見つけた時の、恐ろしさや気持ち悪さが入り混じった表情だ。


「ちょっとなら平気だろ」

 俺はカンタを言い包め、1番古いメッセージを再生させた。




 6月19日 16時15分。
 メッセージを再生します。

 録音されたメッセージは、軽薄な男の声であった。

 さっき電話をかけてきた男のものだ。

『あ、もしもし? 俺だ、タカシだ』

「こっちもタカシかよ」
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