トゥルルルル……！

事件と警察

「タカシがやったかはわかんないけど、実は一昨日に近所で事件があったんだよね。警察の人も結構集まって騒ぎになってた」

「警察が？」

「近くのラブホテルで人が殺されたらしくてさ。これ、木村さんって人なんじゃないかって」

「ラブホテルって……。いや、男だけでラブホテルって」

「男だけとは限らないじゃん。それにラブホテルなら、少々大きな音立ててもバレないでしょ。人目にもつかないし、何より現実として、実際にラブホテルで事件が起きてるんだよ？」

　カンタは検索結果をパソコンの画面に表示させ、俺に見やすいよう角度を調整してくれた。

　ディスプレには、２０日の深夜に発生した殺人事件に書かれていた。

　被害者は２０代の男性３人組。３人とも刃渡り１５センチほどのナイフで刺され、病院へ搬送されたが間もなく死亡した。

　記事には防犯カメラの映像を元に、現在捜査中であるとの旨が書かれていた。

　記事の情報が正しければ、現在も犯人は捕まってない。

「それとね、もう１つタカシが言ってた言葉と繋がる点があるんだ」

「まだなんかあるのかよ」

　嫌な予感がしたが、聞かずにはいられない。
　恐る恐る尋ねると、カンタは神妙な面持ちでこう言った。