ある面倒くさがりな勇者が珍しく頑張るしかなくなった話

文字の大きさ
22 / 46
本気を出し始める頃かもしれない

初めての拒絶

しおりを挟む
 リオンによる魔法実技の訓練のためにシーアラが用意してくれた部屋は、本当に村にある軍の施設なのかと疑う様な造りだった。
 普段見る、真っ赤な絨毯が敷かれた黒の大理石の造りとは違い、白い壁で一面覆われた部屋は、軍の敷地の見た目どころか、村とも随分不釣り合いだ。
 特殊な材質で壁が作られているのか、どれだけ魔法を打っても壁が吸い込んでしまうという不思議な構造である。
 おかげでリオンが盛大に放った、桁違いの威力を見せつけた魔法が建物を破壊する事はなかった。
 この部屋が不思議な構造で出来ていなければ、危うく建物が倒壊するところだったかもしれない。

 勢いのいい魔法を間近で見せられた翌日から、実技の稽古は始まった。
 真っ白一色の空間でリオンと向かい合う様に立つと、手のひらに、赤く燃える様な力を集めるイメージをし始める。
 その次に、真っ赤な魔法陣が手のひらに浮かび上がる。
 魔法陣から勢い良く業火が吹き荒れるのをイメージして、腹の底から思い切り叫んだ。

リック!」

ぼんっ…

 細く、弱々しい炎が一瞬吹き出しただけで終わってしまった。
 お鍋もびっくり、全然温まらねーじゃねえかと、そこにありもしない喋るお鍋から文句を言われそうなほどである。

「あんるぇ~…?」

 威力のなさとは反対に、口から出てきた声の大きさに恥ずかしくなってそっぽを向きたくなる。
 誤魔化すように首を傾げる私の前で、リオンは、じっと紅い目をこらし、表情を変えずに口を開いた。

「詠唱と、発射のタイミングだ。それが、問題」
「ほうほう…?」

 首を傾げ続ける私の反応に、リオンの瞼が、ぱちくりと不思議そうに動く。

「タイミング…意味、分かるか」
「うーん、タイミングの意味はわかるけど、リオンが言ってる事がイメージつかないんだなー!」

 どうやら『タイミング』の意味合いがわからないと誤解されたらしい。
 リオンの中の私のイメージって、つまり、そういう事の様だ。

「オマエ、魔力、発射、詠唱の後。タイミング、一緒にしてみると、いい。見てろ」

 そう言った次に、リオンは自分の手を前方へと掲げる。
 またたく間に手のひらに赤い魔法陣を作り上げた。
 私の何倍もの大きさの魔法陣だ。そしてぼんやりと、口を開く。

リック

 唱えると同時に、声に似合わない業火が放たれ室内の温度が一気に上昇する。
 ごうごうと唸りを上げる炎は勢い良く私とリオンを包んだ。
 一瞬にして火災でも起こったかのような、熱い、オレンジ色の部屋へと姿を変える。
 部屋の壁の吸収が間に合わない様だが、リオンが手を降ろすと、次第に部屋の炎が消えていき、温度も下がっていった。

「タイミング、合わせる、大事だ」
「や、やってみる…はは…」

 ぼんやりとしている印象のリオンからこんなに激しい魔法が繰り出されるなんて、誰も想像しないだろう。私もしない。
 人は見た目で判断できないし、侮ってはならないと教えられている様な気がしてしまった。
 口元を引きつらせたままだったが、リオンに、「やってみろ」と促されたため、まずは呼吸を整える。
 息をゆっくりと吐き出してから、手を前方へと掲げる。
 先ほどと同じように魔力が手のひらに集まるのをイメージすると、手のひらを中心に真っ赤な魔法陣が浮かび上がる。
 空気を一気に吸い込み、叫ぶと同時に集まった魔力を放出する。

リック!」

 目の前がオレンジ色に染まる。
 勢い良く吹き荒れた炎が渦を巻き、波のようにうねる。
 灼熱が身を包み、一瞬にして汗が噴き出した。
 あまりの勢いに私が口をあんぐりと開け、燃え上がる炎をただ眺めていると、段々と炎が小さくなっていき、やがて、何事もなかったかの様なつるんつるんの白い壁や床がお目見えした。
 向かい側に立ったリオンは、この部屋の壁と同じように先ほどと変わらない表情をしていた。

「一発だ。すごい」

 親指をあげ私にサインを送るリオンの目が一瞬、輝いた様に思う。

「あ、あはは、ビビった…」

 言われたとおりにやった次に、どかんと一発大花火とでも言うか。
 そう、兎に角勢いが良すぎた。
 心臓がばっくんばっくんいってる。まじでびびった。

「コントロール、大事だ」

 あの業火をコントロールしろと言うのだろうか。
 いや、言うのだろうかではなくのだ、リオンは。ぐっと親指を上げたまま、目を輝かせて。
 あの業火を思うように操り、出力を調整しろと言う事なのか。
 すでに挫けそうである。

「出力、イメージと、直結してる」

 サムズアップのあと、今度は人差し指をぴんと立てるリオンの言葉に、ほうほう、なるほど、と耳を傾ける。
 つまりイメージの中の炎がデカすぎたがために、これだけの火力が放出されたという事なんだろうか。
 やってみなければ始まらないと、リオンに見てもらいながら、実技の稽古を進めることにした。



   ***



 魔法基礎の実技が終わったあとというのは、剣術の稽古のあととは違った疲労感に襲われることを知った。
 体全体がだるく、神経を尖らせたせいで、もう、クタクタで注意散漫だ。
 今だったら、目の前に街灯があってもぶつかりに行く自信がある。
 村長の家を目指し、よたよたと歩みを進め、夕焼けに染まった広場へと差し掛る。
 ベンチに、一人腰をおろすメイが視界に入った。

「メ──」

 一歩踏み出して、すぐ後に、足を止めることになった。
 メイはぐっと下唇を噛み、俯いて緑色のエプロンを両手で握りしめていた。
 いつもの、薬品作りに失敗したと言っているメイとは何かが違う。

「メイ」

 改めてメイの名前を呼びながら、広場のベンチへ向かい、隣に腰掛ける。
 私に視線を向けるメイは、どこか、迷った様な顔をしていた。

「ハイシア…」
「どうしたの?」

 いつもと違って、声が沈んでいる。
 ぱっと咲いていた花が、今は、しぼんで頭を垂れている様に。

「…ううん、何でもない」
「悩みごと?」
「な、何でもないよ、本当に!」

 勢い良く首を横に振るメイはベンチから立ち上がる。

「ごめんね、もうご飯だから帰るね!」
「あ、ちょっと、メイ?!」

 何かを振り切るようにして、メイは走って家へと向かってしまった。
 取り残された私は、首を傾げるしかなかった。
 思いつめるほど悩んでいる様だったけど、私には話してくれないということなんだろうか。
 そう考えると、胸の奥にモヤモヤとした灰色の霧のようなものが広がっていく。
 なんだろう、この感じは。
 もやもやの正体がよくわからないまま、私も、座ったばかりのベンチから立ち上がり帰路についた。

 その翌日は、朝からメイの事が気がかりだった。
 礼儀作法の先生から怒られるのは毎度のことだけど、午後の、シーアラから受ける剣術の稽古では氷柱ではなく氷風の様な一撃と視線を浴びることになってしまった。
 木製の訓練用の剣をくるくると回しながら訓練所の休憩スペースにあるベンチで、ぼんやりと遠くを眺める。
 メイが何かに悩んでいる。
 けど、何を悩んでいるのか話してくれなかったのは、なぜだろうか。
 兵士たちが剣を振り上げ、避け、盾で受け止める姿が視界の右から左へ、ただ、流れていく。

「どうした」

 シーアラが水の入ったピューターのマグを二つ持って隣に腰かけると、私に一つ、差し出した。

「メイがさ、悩んでるみたいだったから。けど、昨日声掛けたら何でもないって、逃げるみたいに帰っちゃったからさ」

 差し出されたマグを受け取って、水を一気に飲み干した。
 動き回った後の水というのは、体にしみわたっていく感覚だ。
 全身が潤されていく様な気がする。

「喧嘩でもしたのか」
「ええ~…そんな事ない、はず。なんかしちゃったのかな~…」

 深いため息をついて、空になったマグの底に視線を向けた。
 メイに、あんな風に逃げられたことは一度もない。
 思い返すと呆れられてしまうようなこともたくさんしてきたが、メイは、呆れながらも私に話しかけてくれて、励ましてくれた。
 そんなメイが、理由もなく私を避ける様な事をするというのは、考えたくない事だ。

「わかんない」
「そうか。しかし、訓練所に私情を持ち込むな。怪我の原因になりかねん」

 勤務時間外モードではないため、シーアラの声は、氷点下だと錯覚するような冷たさだ。
 怪我をしないか心配はしてくれている様だけど。

「はぁーい…」

 気のない返事をして、ベンチの空いたスペースにマグを置き、稽古を続けている兵士たちの動きに視線を向けた。
 ただ、いつもと違って、やっぱりぼんやりとしか認識が出来なかった。



   ***



 それから数日、メイはことあるごとに私を避ける様になった。
 広場でたまたま見かけて声をかけても、何かと理由をつけて家に帰ってしまったり、教会で最新の鑑定用紙を貰いに行こうと誘っても、薬の調合があるから一人で行ってほしいと言われたり。
 メイは、決まって私にそう告げる。
 お母さんの日記帳を見せた兵士が私に向けた表情と、ランが私に向けた表情と、同じだと気が付いた。

――メイは私に嘘をついている。

 気が付いたら後は早かった。
 いつもと同じように朝食をとり、村長の家を出る前にぺちんと両頬を軽く叩いて気合を入れてから、外へと踏み出した。
 今日は珍しく午前の座学はお休みで、午後からはリオンによる魔法基礎の実技の稽古だ。
 広場へと続く道を、いつもより大股で歩いて向かう。途中、メイが広場にいた場合と、いなかった場合の動きをイメージした。

 広場はいつもと変わらず村の大人たちが数人、集まって話し込んでいた。
 他にも、パン屋のお母さんと子供による魔法の攻防が今日も行われていたり、噴水のそばで子供たちが遊んでいた。
 メイはいないのかと、広場にいくつかあるベンチに視線を向け、順に目を凝らして確認していく。
 奥のベンチに緑色のエプロンをかけたメイが座っているのが見えた。
 日に日にメイの表情が曇っていってる。
 咲いた花が、冬になるにつれて次第にしぼんで枯れていく様に、メイの表情も、しぼんで枯れていってる気がしてならない。

「メイ!」

 まるで大勝負に出るかの様に、ずかずかと、大股でメイのもとへ向かって行く。
 私に呼ばれたメイは目をまん丸に見開いて、慌ただしく両手を宙に浮かせたりエプロンを握ったりを繰り返した。
 お構いなしにメイの前まで行き彼女を見下ろすと、今度は視線を合わせようとしてくれず、あっちへきょろきょろ、こっちへきょろきょろとし出す状態だ。

「メイ。あのさ、なんで嘘つくの?」
「え?あ、あの、何の話?」
「最近のメイ、変だよ。話しかけても、薬品の調合があるからって言ったり、必要な薬草を買わなきゃいけないからって言ったりして、私の事、避けてるでしょ」
「そ、そんなことないよ?」

 メイは私を見上げて、

「ほら、それ。大人が私に嘘ついた時と同じ顔してる。私には話せない事?」
「ほ、ほんとに、その、お薬の調合の練習とか、その、薬草とか、必要で…嘘なんかついてないよ?」

 泣きそうな顔をしだすメイの視線は、やっぱり宙を彷徨って、どこを見て良いのかわからない様だった。

「別に、私に言えない事ならそれでも良いんだけどさ。私には薬品の事とか、薬草の事とかわからないし。だけど、悩んでるならちゃんと誰かに言った方が良いよ?最近のメイ、ずっと悩んでるみたいだし」
「べ、別に…そんな事…」
「そう?じゃあ何で、そんな辛そうなの?」
「そ、それは…その…」

 もごもごとメイの口が動く。ただ、それは音になっていない様で私の耳には届かなかった。
 もしかしたら音にしようとしてないのかもしれないけど。
 俯いてエプロンをぎゅっと握るメイの手に、私の手を伸ばした。

ぱしんっ

 乾いた音と同時に、伸ばした手に痛みが走る。
 いつの間にか伸びた手は方向を変え、メイの手には届かない。

「え」

 一瞬、何が起きたのか分からなくて、目を見開いてメイを見つめる事しか出来なかった。
 あ、手を払われたんだ、と気付いた時には、メイのはっとした表情が目の前にあった。

「あ、ご、ごめ…っ、ごめんなさいっ!」

 メイは勢いよく立ち上がって、駆けて行った。
 何があったのかわからず、私は暫くの間、そこに立ち尽くしている事しか出来なかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

処理中です...