彼、そして彼の子宮

②

放課後に僕らはよく
二人で軟式野球の練習をしました。
彼はピッチャーで
僕は(この時だけ)キャッチーです。
チームでは僕はファーストでした。

彼の手から放たれる
力強い球を受けるのが
そしてミットが鳴らす音が
好きでした。

僕の要求する場所に
僕の要求する球種で投げさせる度に
彼を征服している悦びを
感じていたのかもしれません。

そして別のところでは
手のひらの痛みすらまるで
鞭打たれるように
快感だったのです。

満足できる球を
投げられた時
嬉しそうに笑う
彼の顔が好きでした。

汗だくになった僕らは
彼の家でシャワーを浴びることが
日常になっていました。

きっとその日も日常のはずでした。

もういつからかは覚えていません。
シャワーを浴びる前に彼の部屋で
彼のお母さんの目を盗み僕らは
汗だくの体を重ねていました。

汗でヌルヌルな体は妙に
僕らの気持ちを昂らせ
より淫質さを助長しました。
そして擦れ合う音が
僕らをさらに狂わせるのでした。

つづく