彼、そして彼の子宮

③

彼の部屋とこのバスルーム
僕ら二人にとって特別な場所。

壁を隔てて彼のお母さんがいる。

僕の憧れの女性でもある彼のお母さん
そのお母さんの最も大切な人を
壁を隔てて汚す快楽。
それはまるであなたを汚しているようで
僕はたまらない気持ちになるのです。


あなたの大切な人は今
僕の手でこんな風に悶えています。
そしてあらゆるところを硬くして
僕の体で果てるのです。

こんな切ない目をして
こんな声を出して
僕にお願いするんです。
でも時には
凶暴な目をして
無理矢理力ずくで
僕をおもちゃにするんです。


あなたの知らない彼を
僕だけが知っている。

バスルームで
二人の体に絡みついた
汗と体液とが流れて行きます。
僕の手が石鹸だらけの
彼の体の隅々まで這い回ります。

柔らかい肉と
尖った場所
引き締まった肉と
脈打つ場所
体にある開いた入口と
体にある絞られた出口

その全てに僕の指が触れ
侵入するのです。
その時の彼の顔を
彼のお母さんも知りません。


その日も彼は
すりガラスの向こうの　
お母さんを見つめながら
僕の手の中で
もう一度
果てるのでした。

つづく