その結末は俺が許さない!!

ツバサ

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1章 運命改変の力

7.託される想いと新たに生まれる力

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 「これが冒険者の登録証である腕輪だ。魔導具として価値が高い物では無いが、破損させれば当然新しい物を用意する必要がある、その時は有料になるから壊さないでくれよ?」

 俺は受付の水晶に腕輪を近づけると、腕輪と水晶が反応して青く光った。

 「これで登録完了です。腕輪には、モンスターの討伐履歴・依頼の達成状況・犯罪履歴等が記録されます。また、街や関所で提示する身分証明書にもなります。」
  
 依頼を受けた事に感謝しているのか、彼女の表情は笑顔だった。

 「ボーイ、絶対に死ぬなよ?最悪失敗しても、次に成功すればいい、命を粗末にするな、無謀と蛮勇は死を招く。死ぬまで何件依頼を受けるのかは分からないが、受けた数だけ誰かの役に立つ事ができる」

 諭すように、緊張を解すようにアインが語りかけてくる。

 「やって見せるさ!俺は死なないよ、約束したんだ、思いっきり幸せになるってな。それにはこんな所で失敗していられない。」

 「ならばこれは餞別だ、受け取りたまえ。ストライクエッジという魔導具だが、私が現役の頃、切り札にしていた二振の魔剣を砕かれた時、破片を触媒に作り上げた生涯最高傑作だ。威力は保証するよ?断言するが、SSランク程度のモンスターならば、瞬殺してくれるだろう。」

 僅かに漏れるオーラが、60センチ程度のサイズしか無いにも関わらず、圧倒的な存在感を漂わせる二本の短剣の力を証明している。
 秘められた莫大な魔力を封じ込める為、巻かれている布ですら向けられたら死を覚悟する、それほどの力を込められていることが、素人でも分かる。

 「ダンナ!それは」「分かっている、だが守を見ていて決めたんだよ、復讐は何も生まない、終わりにしよう。」

 二本の短剣、紅蓮(ぐれん)と永遠(とわ)には20年に渡って毎日込め続けた魔力が蓄えてあり、各々2回までSSS規模の刻印魔術が使用できるらしい、投擲専用だが狙う必要は無い、相手の敵意と持ち主の意志を感じ取り、目標地点に転移するので、発動した瞬間命中しているチート性能らしい。

「ただし、魔力を使い切ったらただの良く切れる短剣になってしまうからな、使い所は誤るなよ?ただし、命の危険があれば躊躇うな、効果範囲の修正は短剣自身が自動で行ってくれる」

「じゃあ仕方ないな、坊や・・・・いや,マモル!俺からもとっておきをくれてやる」

 そう言うと、マイクは机の引き出しから小さな木箱を取り出した。

 「スキルカードだ、鑑定LV5と回復魔法LV3を覚える事が出来る。使用する場合は【インストール】と唱えれば良い。」


 箱の中から2枚のカードを出したマイクは、俺に向かってカードを差し出した。

「ありがとう、使わせてもらうよ。」
 
 カードを受け取ると、満足げに微笑むアインが前に進み出た。

 「では、最速最短で送って上げよう!君の初めての冒険にハッピーさまの加護がありますように」

 アインがパチンと指を鳴らすと、景色が切り替わった。

 【運命改変】所持者の一段階覚醒を感知しました。 空間を一時凍結、覚醒処理を行います。
 【運命改変】復讐者の未来、復讐者の相棒を達成しました。
 固有スキル???が解放されます。 ???→【業(カルマ)吸収】
 【運命改変】スキル発動条件閲覧が一部開放されます
 

 【運命改変】(発動条件)スキル所持者と一定以上関わりを持つ事 
 対象が持つ業(カルマ)を吸収・浄化して、スキル所持者に蓄積する。
 
 運命改変(権)スキル所持者に関わる事で、過去・現在・未来において発生する、発生した負の事象に介入する権限を得る。
 介入条件はスキル所持者が???を取得する事で提示される。
 
 運命改変(護)対象の寿命以外に因る破損を絶対回避する権利を得る
 回避条件はスキル所持者は???と???を所持する事で提示される。
 
 運命改変(時)対象の介入条件・回避条件を満たす事で発動可能
 改変する事象が発生する以前の、もっとも都合が良いタイミングに移動する
  
 運命改変(斬)蓄積した業によって対象を断罪する
 発動条件はスキル所持者が???を所持した状態で、対象者が条件に合致する業を重ねた場合???に対応する場に送り込み、内部時間(設定可能範囲1日~100年)後の状態で開放する。対象の精神的・肉体的破損の許否は、スキル所持者が設定する

 運命改変(破)任意の対象に発動可能 【絶対の破滅】を齎す、発動した時点で回避不能、どのような手段を用いても、発動時出現するカウントが0になると破滅が執行される
 破滅の執行は肉体・精神・魂魄に及ぶ為、完全に消滅する 
 発動条件 *******************************

 
 【業(カルマ)吸収】運命改変スキル対象が本来背負うはずだった業を吸収・変換して様々な形でスキル所持者の力として還元する
 対象者の業が深い程、吸収した業が多い程に還元される力は大きい
 還元される形は対象者によって変動する為、常に一定ではない、スキル所持者は還元の形を選択する事はできない。

 ・・・・・・・条件に左右されるけど、極悪なスキルが俺にくっついている

 『そのスキルは守の前世が影響して発露したモノだから、ハッピー様の所為ではございませんので悪しからずとだけ伝えておくよ』 

 まぁ、どんなスキルがあろうと俺は俺だし、なるようにしかなるまい。

 空間凍結を解除します・・・・※エラー発生※空間凍結を一時中断します。
  称号 神殺しの権能が付与されます 称号 業を統べし者が付与されます 称号 運命の解放者が付与されます 称号 時を渡る者が付与されます 称号 ???の理に触れし者が付与されます。 称号 破滅を齎す者が付与されます。
 ※エラー発生※付与対象の階梯が低すぎます ※エラー発生※付与対象の業が不足しています ※エラー発生※付与対象のスキル行使回数が不足しています ※エラー発生※付与対象の???が覚醒していません
※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※※エラー発生※付与を一時凍結します。
【付与対象に発生している、能力不足の一部を世界が補完します】続いて過去・未来の記憶を対象に付与・・・・・世界神からの介入を確認・・・・三神の権能【幸福】【法・理】【怠惰】を確認・・・・・処理を凍結します。
 他世界からの干渉に障壁を作成・・・完了しました。 空間凍結を解除します。


 何やらやばそうな雰囲気のメッセージがずらっと出たが、三女神様が何とかしてくれた模様、ありがとうございました。
 俺の冒険はまだまだ始まったばかりだ!
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