異世界でスローライフを満喫する為に

美鈴

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プロローグ

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「昨日話題になってた、新人Vチューバーの初配信観たか?」 

「観た観たっ♪めっちゃ良かったわぁ」 

「…俺は昨日は部活で疲れてたから家に帰ってから爆睡してたわ。アーカイブがどうせあるだろうから今日観るつもりではいるけどな。まあ、そんな事よりも次の授業は家庭科だろ?家庭科室にそろそろ移動しようぜ」 

「もっと話に食いついてこようぜ!?」 

「いやいや…まずは家庭科室に向かおうぜ」 

「…仕方ねぇな」 

「…ちぇっ」 

 クラスメイトのある者達はそんな会話を口にしながら学校の家庭科室へと向かう。 またある者達は── 


「──昨日すれ違った男子ヤバくねっ?」 

「それね?マジでカッコ良かったよね!」 

「そう?私はそう思わなかったけど…」 

「嘘でしょっ!?」

「えっ…と…逆に聞くけど…どこがカッコ良かったの?」 

「「はぁーっ!?」」 

「二人してそんなに驚く事なのっ!?私がおかしいっ!?おかしいのっ!?」 

 昨日偶然出会ったか見かけたか出会ったかしたであろうカッコいい男子?についての話をしながら家庭科室へと向かっている。 

 それは普段の…中学生の日常の光景じゃないだろうか?休憩時間におしゃべりしたり、次の授業の準備をしたり…。授業によっては理科室だったり、技術室だったり、美術室、後は体育館等へと移動して授業を受けるのが普通だと思う。 

 そう…それはいつもの日常の一コマだ…。家庭科室へと集まった俺達三年二組は後は先生が来るのを待つだけ…。先生が来たらみんなおしゃべりを止めて授業が始まる筈だったんだ…。 


 ところが…何が起こったのか詳しい事は分からない。突然シュボッと火を着けたようなそんな音が聞こえて… 直後、大きな爆音とともに目の前が真っ暗になったんだ── 





 そして…俺は…いや…俺達の意識はそこで一度途切れてしまう事になったんだ。 





♢ 


「──改めて…よくぞこの世界に来てくれた!異なる世界から来た者達よっ!」 

 映画に出てくるような立派なお城。そんなお城の王の間と呼ばれるような場所に厳格な声が響き渡る。この城の…いや、この国の王様の声だ。その声は当然俺達三年二組の面々へと向けられている。  

「──先程も話した通りだっ!」 

 この国の王様が今言った通りを聞かせてもらったんだ。 


 まあ、当然だけど意識を取り戻した当初、クラスメイトの面々は軽いパニック状態におちいっていた。俺もその一人だ。勿論こんな状況になっている事に対して泣いている面々も数多くいた。意識が戻ると同時に知らない場所にいて、剣やら槍やらを構えた屈強な兵士の人達や豪華な服を着込んだいわゆる貴族の人達に囲まれていたのだからそうなるのは必然といえるだろう。 

 まあ、そんな感じだったんだけど、時間が経過するとともに少しだけみんな落ち着いて…内心は絶対に落ち着けるわけがないのだが… とにかくだ。話を聞ける状態になると同時に聞かされた話によると、まずこの国はグレンガルドという名の国で王様はグレンガルド十一世という事が分かったんだ。 

 そしてこの世界にはゲームでおなじみの魔法やらモンスター、果ては職業ジョブ等が存在している事も聞いた。   
 
 他にも聞いた話によると、俺達はこの国の人達に召喚されたわけではなくて、この世界を司る女神様により召喚されたのではないかとの事だった…。王様達もそのあたりは分からないらしい。なんせいきなり眩い光と共に俺達が現れたらしいしな。 

 それが本当かどうかは俺達には分からないし、今の俺達には現状それを確かめる手段はない。まあ、とにかくそういう事らしい…。 

「魔物との戦いを強制したりはせん。生活も我々が出来うる限り保証する事を約束しよう!」 

 グレンガルドの王様はそこで一度言葉をきり、こう言葉を紡いだ。 

「…まずはステータスと念じてみてくれぬか?それでそなた達のジョブやスキルが我々と同じように確認出来る…筈だ。それが分からんとそなた達も答えは出せんだろうからな」 

 ゲームやん…。まるっきりゲームの世界じゃねぇーか!?と、いう言葉を呑み込む。流石にこの国の王様に対してそんな事を言ったらどうなるか分からんしな。でも…クラスメイトの半数はそう思ったんじゃないか? 

 そう思っているのも束の間、ジョブが判明した男子の反応ときたら… 

「お、俺が勇者っ!?」 

 クラス一のイケメン男子である池面いけづらがビックリしたように声をあげる。勇者はイケメンっていうのが定番なのか?羨ましいとは思わないけど…。 ホントだぞ? 

「…僕が魔法使いっ!?」 

「俺は戦士かぁ」 

「…えっ…剣士ってマジかっ!?」 

「傭兵って…どうなんだ?」 

「私が…聖女…」 

「俺は僧侶っ!?」 

 様々な声が上がっている。今声に出したクラスメイトはジョブとしては当たりなんじゃないか?ジョブとしては…。王様は戦いを強制しないとは言っていたけども、そういうジョブなら戦いやらなんやらで結局駆り出されそうだけどなと俺は思ってしまう。それを表すかのように…すでにこの場にいる貴族やら兵士の一部の偉い人と思わしき人達の目線は声をあげた者に注がられているしな。 



「しょ…商人…」 

「私は…遊び人…!?ちょっとどういう事っ!?」 

「ボクは…錬金術師…?当たり…?」 

 当然戦闘職ではないジョブもあるか…。都合のいい物語みたいに選べたりはできないか。女神様やら神様にも会わなかったしな。 まあ、とにもかくにも俺も心の中でステータスと念じてみるとするか。 


『ステータス』 



❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 

名前∶隼 豊和 (はやぶさ とよかず) 

年齢∶14 
職業∶ガイド 
レベル∶1 
体力∶10 
魔力∶1 
力∶3 
俊敏∶3 
器用∶5 
知力∶5 
運∶3 

装備∶学生服 

スキル∶ガイド 

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 



 ──目の前にモニターみたいなものが現れる。本人以外には視えないんだろう…。 ええと…なになに…んっ…?見間違いか? はっ…はははっ…流石に見間違いだろ?見間違いだよな?そうであってくれよ…?一度目を瞑りステータスは消えろと念じる。目を開けると念じたようにモニターみたいなものは消えている…。 

 よし…もう一度… 

『…ステータス』 


❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 

名前∶隼 豊和 (はやぶさ とよかず) 

年齢∶14 
職業∶ガイド 
レベル∶1 
体力∶10 
魔力∶1 
力∶3 
俊敏∶3 
器用∶5 
知力∶5 
運∶3 

装備∶学生服 

スキル∶ガイド 

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 



 ──うわぁ………

 何度念じてみても目の前に視えるモニターに書かれているのはガイドという職業…。街の案内でもしろという事だろうか?いや、まあ…せっかくの異世界だし?田舎でのんびりしたいとかスローライフしたいとか思った事あったし?それを考えると適したジョブ…だよな? 強がりなんかじゃないんだからねっ!?本当にそう思ってるからなっ!?これは神様からのお告げみたいなもんなんだよ…。異世界にきたんだし、せっかくだからのんびりすればいいじゃんっていう…。 

「…異なる世界の者達よ!各々ジョブの確認は出来たであろうか?」 

暫し口を閉ざしていたこの国の王様の声が再び王の間に響いた…。俺はというと王様の言葉に耳を傾けるもののスキル欄にあるガイドという言葉がやけに気になってしまう。 

『…スキル欄にもガイドと言葉があるって事は…このスキルを使えば色々分かるんじゃないか?このスキルを使っても害はないだろうし…?』 


 ないよな? 

 よし…使ってみるか?多分だけどこのテのスキルもステータスと同じように心の中で念じれば使えるよな? 

『ガイド!』 


 さて…どうなる…?
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