恋愛ゲームのモブに転生した俺!~ヒロインキャラが全員好感度MAXなのは気のせいでしょうか?

美鈴

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第一部

通学途中

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幸子と深雪に手を引かれながら学校へと向かう。朝から告白されて、挙げ句キス迄されてしまった。しかも唇にだ。今も唇には艶かしい感触が唇にやけに残っている。

「…ちゃん、もぅ~!豊ちゃん!」

「…っ!?」

「豊和ちゃんと聞いてた?」

「…悪ぃ、聞いてなかった。ちょっと待っててくれ。コーヒーでも飲んでシャキッとするからさ!」

 俺は自動販売機でコーヒーを買い少しでも心を落ち着ける事にした。そんな簡単に落ち着く訳は無いけど考える時間が少しでも欲しいからだ。

カシュッ!ゴクッゴクッ…

「もぅ~!ちゃんと聞いててよね?」

「ねぇねぇ、豊和!」
(ピキィーン!そうだ、良い事思い付いた!)

「?」

「私の唇の感触どうだった?」
「ブゥ────!ゲホッゲホッ!お、おま…えは…ゲホッ」

「あっ、それならついでに私の唇の感想もお願いね」

「…お前等なぁ~、ゲホッゲホッ!…」

─「大丈夫豊和君?」

「「あっ…中野さん」」

「!?(遥だとぉー!)」

 俺に駆け寄り可愛い熊のハンカチを取り出して優しく拭いてくれてるのは遥だった。参ったな。昨日の事もあり気まずい…。

「あっ、こっちにも掛かってるよ。染みになるからジッしててね!」

「…ああ、うん」

「ところで豊和君に聞いておきたい事があるんだけど良いかな?」

「…何を?」

「唇の感触って何かな?…かな?」

 幸子と深雪の方へ視線を向けると2人は知らんぷりしてやがるぅ!くぅ~!お前等のせいだからな、この状況!遥から何か圧を感じて目を合わせられない。ハァ~、どうすっかなぁ~!

「いや…遥、あのな、その何でも…わっ…」

チュッ♡チュッチュッ♡ンチュッ♡

 ネクタイを不意に引っ張られ視界には目を瞑る遥の綺麗な小顔。重なる唇。またかよぉー!腕は俺の首の後ろに回しガッチリロック!何度も唇が重なり啄まれる。

「「…中野さん、やり過ぎぃ!!??」」

「んっ…豊和君…私達キスしちゃったね?フフッ…」

「…あ、あのなぁ…」

「それで私達の唇の感触どうだった?」
「「流石ね、中野さん!!」」

「遥でいいよ!2人共。それでどうなのかな?豊和君♡」
「「どうなの??」」

「…3人共凄く柔らかくて…瑞々しくて…ドキドキしてる」

「「「そ、そうなんだ/////」」」

「…照れるんなら聞くんじゃない。全く、俺の方が恥ずかしいわ/////」


「ボクも仲間に加えてくれるかい?」

視線を声がした方へと向けるとそこには唯が立っている。相変わらずのイケメン女子。立っている姿がやけに様になっている。

それにしても幸子も深雪も遥ももう少し自分を大事にして欲しいと切に願う。と同時にそれだけ本気という事も感じていた…。


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