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第一部
自室にて
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俺 | 渚 | 幸子| 深雪| 遥| 空き部屋
二階廊下─────────────
真冬| 美麗| 愛美| 茜 | 唯| 空き部屋
─大体の間取りはこんな感じで俺の部屋は二階の廊下の突き当たりになっている。高校生活始まって2日目なのに色々あったもんだなとベッドに腰掛けて物思いにふけていた。時刻は深夜2時を過ぎている。流石に真冬先輩を始め今日は皆寝ている事だろう。そう思っていると…
─トントン!
「豊和君起きてる?」
皆を起こさない様に小声で問い掛けて来るのは声からすると遥かな?俺はベッドから立ち上がりドアを開ける。夜中に女の子を部屋に連れ込みたくは無いのだが他の人を起こす訳にも行かない為、それにこんな時間に俺の部屋に来たという事で妙に気になる為、部屋へと招き入れる。もう寝るだけだったのだろう。遥は可愛い猫の絵がプリントされた寝間着に着替え髪も下ろしていた。
「…起きてるよ、どうぞ?」
「ありがとう。入れてくれて…」
まだ片付けしてないので仕方無くベッドに距離をとって俺と遥は腰掛けて話始める。
「まぁ、皆寝てるみたいだから起こす訳にはいかないしね。でもこんな時間に本当は男の部屋を訪れるのは駄目だからな?」
「うん。分かっているよ」
「ったく、男はケダモノという言葉があるんだから気を付けてくれよ?」
「だったら豊和君も狼さんに変身して私を食べるつもりなのかな?かな?」
「俺だって男だからな?」
「うん…そうだね」
「…で、何かあったんだろ?」
「!?」
「…分かるの?」
「そりゃあ、分かるだろ」
「ふふふ、恋には鈍感なのに?」
「…それを言われると何とも言えなくなるけどな。困り事か?」
「うん…一種の呪縛とも言えるかも…」
「よくある話だよ。家が隣同士。親同士が仲が良い。幼い頃から何時も一緒。幼馴染みあるあるだね…」
「…俺と幸子も幼馴染みだし、家は隣同士では無いけどそんな感じだな」
「違う!違うよ!豊和君と幸子ちゃんとは全然違う!そんな素敵な関係では無いの!…だって私の場合は何度も最初から決められていたんだから!」
悲壮な表情をして辛そうな、それでいて怒りにも憎しみにも似た感情を交え話す遥が見ていられなくなり近付きそっと右手で抱き締める。
「あっ…」
「落ち着け遥。ずっと1人で思い詰めていたのか?」
「だ…って私には…どうする事も…でぎなぐで…うええぇぇ…」
暫く遥は泣いていた。そして…
「ごめんね!急に泣いちゃって…」
「良いよ。これ位。なぁ、遥…言いたく無いなら言わなくても良いけど…遥は幼馴染みの事がその~なんて言えばいいのか…」
「嫌いだよ!大嫌い!豊和君に軽蔑されるかも知れないけど殺したい位嫌いなの…」
「そうか…」
「…こんな私を軽蔑する?」
「いや、それは無いよ…」
「そっか、良かった!豊和君に話を聞いて貰ったら楽になったよ」
「そりゃあ役に立てた様で良かったよ」
「…ねぇ」
「うん?」
「お願いがあるの」
「良いよ!聞くよ!」
「ふふっ、まだ何も言ってないのに?」
「ああ、良いよ」
「そっかぁ、じゃあ、幼馴染みの前では彼氏になって欲しいの…駄目?」
「分かった」
「ホントに?」
「ああ、約束するよ」
「うん、約束!」
人には分からない余程辛い事を経験したのだろう。少しでも遥の力になれれば良いけどな。そう思っていた。
二階廊下─────────────
真冬| 美麗| 愛美| 茜 | 唯| 空き部屋
─大体の間取りはこんな感じで俺の部屋は二階の廊下の突き当たりになっている。高校生活始まって2日目なのに色々あったもんだなとベッドに腰掛けて物思いにふけていた。時刻は深夜2時を過ぎている。流石に真冬先輩を始め今日は皆寝ている事だろう。そう思っていると…
─トントン!
「豊和君起きてる?」
皆を起こさない様に小声で問い掛けて来るのは声からすると遥かな?俺はベッドから立ち上がりドアを開ける。夜中に女の子を部屋に連れ込みたくは無いのだが他の人を起こす訳にも行かない為、それにこんな時間に俺の部屋に来たという事で妙に気になる為、部屋へと招き入れる。もう寝るだけだったのだろう。遥は可愛い猫の絵がプリントされた寝間着に着替え髪も下ろしていた。
「…起きてるよ、どうぞ?」
「ありがとう。入れてくれて…」
まだ片付けしてないので仕方無くベッドに距離をとって俺と遥は腰掛けて話始める。
「まぁ、皆寝てるみたいだから起こす訳にはいかないしね。でもこんな時間に本当は男の部屋を訪れるのは駄目だからな?」
「うん。分かっているよ」
「ったく、男はケダモノという言葉があるんだから気を付けてくれよ?」
「だったら豊和君も狼さんに変身して私を食べるつもりなのかな?かな?」
「俺だって男だからな?」
「うん…そうだね」
「…で、何かあったんだろ?」
「!?」
「…分かるの?」
「そりゃあ、分かるだろ」
「ふふふ、恋には鈍感なのに?」
「…それを言われると何とも言えなくなるけどな。困り事か?」
「うん…一種の呪縛とも言えるかも…」
「よくある話だよ。家が隣同士。親同士が仲が良い。幼い頃から何時も一緒。幼馴染みあるあるだね…」
「…俺と幸子も幼馴染みだし、家は隣同士では無いけどそんな感じだな」
「違う!違うよ!豊和君と幸子ちゃんとは全然違う!そんな素敵な関係では無いの!…だって私の場合は何度も最初から決められていたんだから!」
悲壮な表情をして辛そうな、それでいて怒りにも憎しみにも似た感情を交え話す遥が見ていられなくなり近付きそっと右手で抱き締める。
「あっ…」
「落ち着け遥。ずっと1人で思い詰めていたのか?」
「だ…って私には…どうする事も…でぎなぐで…うええぇぇ…」
暫く遥は泣いていた。そして…
「ごめんね!急に泣いちゃって…」
「良いよ。これ位。なぁ、遥…言いたく無いなら言わなくても良いけど…遥は幼馴染みの事がその~なんて言えばいいのか…」
「嫌いだよ!大嫌い!豊和君に軽蔑されるかも知れないけど殺したい位嫌いなの…」
「そうか…」
「…こんな私を軽蔑する?」
「いや、それは無いよ…」
「そっか、良かった!豊和君に話を聞いて貰ったら楽になったよ」
「そりゃあ役に立てた様で良かったよ」
「…ねぇ」
「うん?」
「お願いがあるの」
「良いよ!聞くよ!」
「ふふっ、まだ何も言ってないのに?」
「ああ、良いよ」
「そっかぁ、じゃあ、幼馴染みの前では彼氏になって欲しいの…駄目?」
「分かった」
「ホントに?」
「ああ、約束するよ」
「うん、約束!」
人には分からない余程辛い事を経験したのだろう。少しでも遥の力になれれば良いけどな。そう思っていた。
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