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朝食を終えて向かった図書室。
私はそこでノアナが好きそうな本を選びながらのんびりとした時間を過ごしていた。
すると、その最中にふと図書室の入口の方から聞こえたのはウルラの自身を呼ぶ声で、それを聞いた私は慌ててウルラに返事を返しつつ近くに置いてあったノアナに貸す本を腕に抱いてそちらへ歩き出す。
「待たせてごめんなさい。ミリアーナ叔母様が来たのね」
「はい、つい先程屋敷の方に到着して旦那様方と応接間の方にいらっしゃいます!」
「分かったわ、ありがとう」
「いえ!」
ウルラ最後にそう言って軽く私に頭を下げると私の手に持っていた本を見て「お嬢様、そちらの本をお嬢様の部屋までお運びしましょうか……?」と言ってくれたので、私はそれに笑顔で頷いて彼女に本を預けることにした。
「ならお願い。適当に私の部屋のベッドかテーブルの上にでも置いといてちょうだい」
「分かりました、ならテーブルに置いておきますね!」
そして、彼女は私から本を受け取るとそのまま私に一礼するとその場から走り去って行く。
それと同時に彼女が消えた方の廊下から聞こえたのはメイド長であるバナルの「ウルラ、廊下は走らないといつも言ってるでしょう!」という怒鳴り声。
私はそんな怒鳴り声に『全くもう……』と目元を抑えながらクスクスと笑うと、父たちが待っているであろう応接間へと向かう。
そして、応接間に辿り着くなり私の方へ寄ってきたのはフェリナ。
彼女は少し不機嫌そうに両頬を膨らませながら私にこう問い掛けてきた。
「……フォリナ、さっきまでどこにいたの?」
「図書室にいたわよ?」
「私ずっとフォリナのこと探してたのに!」
「ふふっ、ごめんごめん。今度からは声を掛けるようにするわ」
「約束ね!」
「はいはい、約束約束」
私達はお互いに小指を出し合うとそれを絡ませて指を切りをする。
すると、それを黙って見ていたミリアーナ叔母さんがあからさまに目を見開いてこちらを見ているではないか。
私はそれに内心で苦笑いをしながらも彼女へ声を掛けた。
「お久し振りです、ミリアーナ叔母様」
「え、えぇ。久し振りねフォリナ」
何だかんだで前までの自分は叔母さんに挨拶なんてしなかったから驚いたのだろう、少し吃りながら返事を返してくれた叔母さん。
だが、ふと彼女は私の隣で私の腕に自身の腕を絡めるフェリナを見た瞬間に父たちの方に向き直ったかと思うとこんな事を言った。
「……フォリナもいい意味で成長したみたいでよかったですね。前の性格のまま大人になったらどうしようかと思ってたんですよ」
チラリと隣を見ればニコニコと笑うフェリナ、そしてその正面では心底安堵した様子でこちらへ顔を向けながら微笑むミリアーナ叔母さん、更に更にそんな叔母さんの正面には叔母さん同様にこちらに顔を向けて微笑む父と母。
私は父と母が叔母さんに向けて「フォリナもフェリナも私達の自慢の娘だよ」という言葉を告げたのを聞くなり、フェリナと顔を見合わせて笑い合う。
すると、先程まで正面にいた叔母さんが私達の目の前にやって来たと思うと優しく私達の頭を撫でながらこう口を開いた。
「……フォリナ、フェリナ。昔から何度も言っていますが二人共他人を思いやれる優しい子になるんですよ?自分も大切ですが周りの人達も大切にしなさい」
ああ、そう言えば叔母さんに会う度にこんな事を言われていたような気がする。
でもこの言葉を告げられる度に内心で『なんで他人の事なんて思いやらないとダメなのよ。私は私が一番なのに』なんて自己中心的な事を考えて鼻で笑っていた。
私は叔母さんの言葉にフェリナと一緒に頷きながら「ならいいの」と言った叔母さんにそれぞれ軽くハグし合うと、父からの「フォリナ、フェリナ。これから父さん達は大人の話があるから席を外してくれないかい?」という有無を言わせる気のない問い掛けに頷く。
「分かりました」
そして、私達はそれぞれこちらに手を振るう叔母さんに手を振り返しながらそのまま二人で手を繋ぎながらその場を後にした。
私はそこでノアナが好きそうな本を選びながらのんびりとした時間を過ごしていた。
すると、その最中にふと図書室の入口の方から聞こえたのはウルラの自身を呼ぶ声で、それを聞いた私は慌ててウルラに返事を返しつつ近くに置いてあったノアナに貸す本を腕に抱いてそちらへ歩き出す。
「待たせてごめんなさい。ミリアーナ叔母様が来たのね」
「はい、つい先程屋敷の方に到着して旦那様方と応接間の方にいらっしゃいます!」
「分かったわ、ありがとう」
「いえ!」
ウルラ最後にそう言って軽く私に頭を下げると私の手に持っていた本を見て「お嬢様、そちらの本をお嬢様の部屋までお運びしましょうか……?」と言ってくれたので、私はそれに笑顔で頷いて彼女に本を預けることにした。
「ならお願い。適当に私の部屋のベッドかテーブルの上にでも置いといてちょうだい」
「分かりました、ならテーブルに置いておきますね!」
そして、彼女は私から本を受け取るとそのまま私に一礼するとその場から走り去って行く。
それと同時に彼女が消えた方の廊下から聞こえたのはメイド長であるバナルの「ウルラ、廊下は走らないといつも言ってるでしょう!」という怒鳴り声。
私はそんな怒鳴り声に『全くもう……』と目元を抑えながらクスクスと笑うと、父たちが待っているであろう応接間へと向かう。
そして、応接間に辿り着くなり私の方へ寄ってきたのはフェリナ。
彼女は少し不機嫌そうに両頬を膨らませながら私にこう問い掛けてきた。
「……フォリナ、さっきまでどこにいたの?」
「図書室にいたわよ?」
「私ずっとフォリナのこと探してたのに!」
「ふふっ、ごめんごめん。今度からは声を掛けるようにするわ」
「約束ね!」
「はいはい、約束約束」
私達はお互いに小指を出し合うとそれを絡ませて指を切りをする。
すると、それを黙って見ていたミリアーナ叔母さんがあからさまに目を見開いてこちらを見ているではないか。
私はそれに内心で苦笑いをしながらも彼女へ声を掛けた。
「お久し振りです、ミリアーナ叔母様」
「え、えぇ。久し振りねフォリナ」
何だかんだで前までの自分は叔母さんに挨拶なんてしなかったから驚いたのだろう、少し吃りながら返事を返してくれた叔母さん。
だが、ふと彼女は私の隣で私の腕に自身の腕を絡めるフェリナを見た瞬間に父たちの方に向き直ったかと思うとこんな事を言った。
「……フォリナもいい意味で成長したみたいでよかったですね。前の性格のまま大人になったらどうしようかと思ってたんですよ」
チラリと隣を見ればニコニコと笑うフェリナ、そしてその正面では心底安堵した様子でこちらへ顔を向けながら微笑むミリアーナ叔母さん、更に更にそんな叔母さんの正面には叔母さん同様にこちらに顔を向けて微笑む父と母。
私は父と母が叔母さんに向けて「フォリナもフェリナも私達の自慢の娘だよ」という言葉を告げたのを聞くなり、フェリナと顔を見合わせて笑い合う。
すると、先程まで正面にいた叔母さんが私達の目の前にやって来たと思うと優しく私達の頭を撫でながらこう口を開いた。
「……フォリナ、フェリナ。昔から何度も言っていますが二人共他人を思いやれる優しい子になるんですよ?自分も大切ですが周りの人達も大切にしなさい」
ああ、そう言えば叔母さんに会う度にこんな事を言われていたような気がする。
でもこの言葉を告げられる度に内心で『なんで他人の事なんて思いやらないとダメなのよ。私は私が一番なのに』なんて自己中心的な事を考えて鼻で笑っていた。
私は叔母さんの言葉にフェリナと一緒に頷きながら「ならいいの」と言った叔母さんにそれぞれ軽くハグし合うと、父からの「フォリナ、フェリナ。これから父さん達は大人の話があるから席を外してくれないかい?」という有無を言わせる気のない問い掛けに頷く。
「分かりました」
そして、私達はそれぞれこちらに手を振るう叔母さんに手を振り返しながらそのまま二人で手を繋ぎながらその場を後にした。
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