私って悪役令嬢じゃなかったの!?

花咲千之汰

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あれからすぐに用を足し終えてお茶を入れて戻った部屋の中。

そこにはやはりギノはいる訳で、私は平然を装いながら彼の目の前にお茶を置きながら部屋の真ん中にある椅子に腰掛けた。

「で、未来予知に関してだったわよね」

すると、私の問い掛けに小さく頷く目の前の彼。

私はそれを確認するとどう彼にその内容を話すか考えながらも口を開く。

「私の知ってる未来では貴方はとある少女と出会う」

ここで敢えて私は人物名や事細かな出来事は黙って更に話を続ける。

「そして、貴方はその少女と軽い交流を重ねるうちに彼女に恋をする。そこから貴方は色んな障害にぶつかりながらも少女を求めて手を伸ばすんだけど、最終的にはその少女は自分とは別の男に取られてしまうって感じかしら。あと付け加えるならその後も貴方はその少女の側で彼女を守ってるわ」

「嘘だ」

「まあ確実な未来とは言わないけど嘘ではないわよ」

ギノは私の目を真っ直ぐ見詰め、私が目を逸らすこともせずに紅茶を啜るのを見てそのまま窓の方へと向かう。

そして彼は窓を開けたかと思うと月を背にこんなことを言い始めた。

「正直、君の話は信じられない。でも……」

ちらりとこちらを振り返った彼はなんだか私がゲーム内で見ていた無表情で何に対しても無感情だった彼とは違い、少しだけ穏やかな顔をしていて、私はやはりここは現実なんだなと再確認しながら彼に頷いてみせる。

「別に掛けてみてもいいんじゃない?それに未来なんて自分で掴むものだし」

「自分で掴む……」

「誰かに敷かれたレールの上を歩くなんてつまらないし嫌だと思うでしょ?ならそのレールから一歩踏み出すにはどうすればいいかって考えて自分で道を作るなりその決められたレールから飛び降りるなりしたらいいのよ」

「……変な考え方」

「そうかもしれないわね。でも私も自分のこれからを考えると新しいレールを作るなり飛び降りるなりしないと生き残る方法がないから仕方ないのよ」

「これ、あげる」

彼は私の言葉を黙って聞いたかと思うとそっとこちらに何かを投げてきたと同時に、窓の外へ飛び出して行った。

そして、私は先程彼に投げられた物を見るためにゆっくりと自身の手な平にある物を見て思わず目を見開く。

「ちょっと、これって……」

私は手の平の上に乗る銀色の細く長い細かい装飾のされた笛。

これってあれじゃん、ゲーム内でギノがフェリナに手渡すギノを呼ぶための笛じゃん。

なんでこれを私に渡す。

てか使い方も何も言わずに投げて来るな。

私はそんなことを考えながら思わぬ彼からのアイテムに溜め息をつくと、それをベッドの隣にある小物入れに直し込むと、机の上にある紅茶を飲み干してそのまま再びベッドの中へ戻った。
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