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まつろわぬ番・But still, let's live together A視点
4 But still, let's live together
しおりを挟む夕食を食べ終わるまで我慢しろと言ったのに、ヴィクトールは我慢できなかったらしい。
ヴィクトールのフラットの部屋の中に入ったとたん、抱きすくめられて、キスされた。
「アーサー、ごめん、我慢できない・・・」
グイっと押し付けられたヴィクトールの股間はすでに固くなっていた。
「ここで立ちっぱなしでヤル気か? 俺はベッドがいい。」
「うん。」
部屋の作りはスタジオタイプだったから、ベッドまでの距離は短かった。
靴を脱ぎ棄てて、ベッドに座ると、すぐに押し倒された。
「アーサー、愛してる。」
ヴィクトールは深いキスをしながら自分と俺のGパンのベルトやシャツのボタンを器用に外していった。
俺のセックスの経験は10年前のあの日だけで、ヴィクトールとしか経験がない。
だから、ヴィクトールがしたいように身を任せようと思った。
下着とGパンを一緒に脱がされて、自分の下半身があらわになった。
俺のペニスをヴィクトールが食い入るように見つめ、そっと指先で触れてきた。
「アーサー、もしかして、誰ともしてないの?」
俺のペニスの色は肌の色と同じで変色していない。
つまり、誰にも入れたことが無い。
「・・・もともと、そんなに性欲は無い方だから・・・誘われて触られたこともあったけど、起たないし、結局誰ともしてない。」
「自分では、してる?」
「いや・・・たまに夢精ぐらいで、自分では滅多にしない。多分、EDなんじゃないかな。でも、入れるのはお前なんだし、俺のは別に勃起する必要ないよな?」
「ふーん・・・」
ヴィクトールは舌で唇をなめると、俺のペニスの先端をぱくりと咥えた。
「ばか、何して・・・あっ・・・」
ヴィクトールの舌が先端の割れ目をなぞるように動いた。
それから、根本から先端に向かってなめられたり、陰嚢を手で揉まれたり、口に含まれたりを繰り返された。
「はぁ・・・あ・・・」
「アーサー、気持ちいい?」
「うん・・・あ、あ・・・」
「見て、アーサーのペニス、凄く元気になったよ。」
「うそ・・・」
ヴィクトールに言われて、自分のペニスに視線を向けると、確かに勃起していた。
今まで色んな人に誘われて、触られて、咥えられたこともあったけれど、勃起したことは無かった。
家族以外とは、キスも気持ち悪くてできなかった。
それなのに、ヴィクトールのキスは全然気持ち悪くなかったし、こうして反応もしている。
解除されたとはいえ、「番」だった影響なんだろうか。
「アーサー、俺の口の中に出していいからね。」
「え? ああー! ヴィクトール、やだ!」
ビクトールの口が俺のペニスを根本まで咥え込んだ。
ヴィクトールの頭が上下に動く様を、俺は見下ろしながら喘ぎ声をあげた。
「ああ、あ、いい・・・イク・・・」
ヴィクトールの頭を押さえつけて思いっきり突き上げたい、そんな衝動を抑え、俺は上半身をベッドの上に沈めた。
「は・・・あ・・・」
ヴィクトールに吸い上げられ、俺のペニスはドクドクと脈打った。
ヴィクトールの口の中に射精してしまった。
「ヴィクトール・・・吐き出して・・・」
「全部飲んだよ。」
「え、何で?」
「だって、美味しいよ。」
「え?」
ヴィクトールは恍惚とした表情で俺を見下ろした。
「だって、たった一回のビッチングでアーサーは俺の番になった程、相性が良かったんだよ。」
「相性がいいと体液が美味しく感じるって、本当なのか?」
「そうだよ。アーサー、俺の唾液、美味しくなかった?」
「ああ、唾液も体液か・・・キスした時、甘い感じはしたけど飴でもなめたのかと思ってたから、気にしなかった。」
「・・・じゃあ、試しに俺のペニス、なめてみる?」
「え!」
自分は口でしてもらっておいてなんだが、他人のペニスを口に入れるのには抵抗がある・・・
けれど、そんな俺の様子を気にすることなく、ヴィクトールは妖艶に微笑んだ。
「ふふ、いいよ、無理しなくて。代わりに手で触ってくれる?」
「うん、手なら・・・」
俺はそっとヴィクトールのバキバキに反り返ったペニスに手を伸ばした。
ヴィクトールのペニスは俺のとは違って、太くて長くて、色は赤黒い、いかにも経験豊富な、立派な見た目だった。
そして、先端からは透明なヌルヌルした先走りが溢れていた。
「アーサーの手で扱いて・・・」
「こう?」
「うん、上手だよ。アーサー・・・はぁはぁ・・・もっと強く握って、早く動かして・・・」
俺はヴィクトールの言う通りに手を動かした。
「アーサー・・・イクっ!」
ヴィクトールは俺の手の中で果てた。
白い精液が俺の手と俺の腹の上に降りかかった。
ヴィクトールの精液が付いた手をなんとなく、鼻に近づけて匂いを嗅いだ。
「・・・うそだろ・・・」
信じられないほど、とても香しい、いい匂いがした。
「アーサー、美味しい?」
「・・・あ・・・」
いつの間にか、手に着いたヴィクトールの精液を無意識になめている自分がいた。
「美味しい?」
「・・・美味しい・・・」
「下の口の中にもいっぱい出してあげるね。」
「あぁ・・・」
ヴィクトールは腹の上にある自分の精液を指につけて俺のアナルの中に入れた。
「良かった、アーサーの体、俺のことちゃんと覚えてる。」
ヴィクトールの精液を口にした瞬間から、俺の体は熱く火照り、アナルの奥から愛液がにじみでてきていた。
オメガがヒートの時にアルファを受け入れるために出す愛液だ。
番を解消して、完全にアルファに戻ったと思っていたのに、どうして?
もしかして、未完成の子宮と卵巣が残っているせいなんだろうか?
切れて無くなっているはずの運命の糸先が、必死にヴィクトールの方へ戻ろうとしている。
そんな錯覚を覚えた。
「あ・・・あ・・・ああ・・・」
ヴィクトールは俺の乳首を吸ったり舐めたりしながら指で俺の中を愛撫し、愛液の助けもあってゆっくりと本数を増やして中を広げていった。
「アーサー、俺の唯一、俺の、俺だけの番・・・」
「ヴィクトール・・・どうして・・・? 俺の体・・・おかしいよ・・・」
「運命だからだよ。」
「運命・・・?」
「だから、精液も美味しいし、気持ちいいでしょう? 余計なことは考えないで、俺に集中して、俺だけを見て。」
いつの間にか、指ではなく、ヴィクトールのペニスが根本まで埋まっていた。
大きくて、長くて、かたくて、気持ちいい。
ぐちゅっぐちゅっ、という水音と、肌と肌がぶつかり合う、パンパンパンという音が交じり合って、ヴィクトールの先端が俺の中の未完成の子宮を刺激する。
きもちいい
きもちいい
ヴィクトールの動きに、10年前と同じように、体が歓喜している。
でも10年前と違って、今は心も一緒にヴィクトールが与えてくれる快楽に酔っている。
「ヴィクトール、好きだよ・・・」
「アーサー!」
ガツンと、強く突き上げられた。
きつく抱きしめられ、キスされた。
腹の奥に放たれるヴィクトールの熱を全部受け止めながら、俺も抱きしめ返した。
ヴィクトールのキスはとてもとても甘かったけれど、涙の塩辛い味も混じっていた。
ヴィクトールを受け入れて、一つに溶け合った後、俺はヴィクトールに乞われてヴィクトールのうなじを咬んだ。
その後、ヴィクトールも俺のうなじを咬んだ。
「時間がかかるけれど、これでまた番になれるよ。」
本当にそれで再び番になれるのかどうかはわからない。
けれど、ヴィクトールはなれると信じているようだった。
再び番になれても、なれなくても、
それでも、一緒に生きていこう
そう心から思った。
**まつろわぬ番・終**
まつろわぬ番は今話で完結ですが、V視点の蛇足(超短め)と「番外編 番解除した僕らの末路・裏」の更新もあります。
もう少しお付き合いください。
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