断罪される悪役で当て馬な仔ブタ令息に転生した僕の日常 R版

藍生らぱん

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第一部

第7話 冒険者登録!

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僕が11歳になった年に、兄たちはBランクになった!!
だから僕が冒険者登録する日に、兄たちと叔父上とのパーティは解消されることになったんだ。

子守を卒業した叔父上は速攻でゾンビドラゴンの討伐レイドに旅立った。
「ヒャッハー!」
と叫びながら・・・

「「叔父上からお墨付きを貰ったから、ルルの指導は僕たちがするね!」」

兄たちに連れられて、僕はフルール王国の冒険者ギルドで冒険者登録したんだよ。
鑑定用の石板に手を置くとステータスが自動的に読み取られて、冒険者の証となる金属製のドッグタグを配布された。
このドッグタグは魔道具で、個人情報の管理とギルドの銀行のカードの役割を持っているんだ。

そうそう、ギルドに置いてある鑑定用の石板は、全てのステータスを読み取るわけではないんだ。
最初は身分詐称を防ぐために名前と年齢、魔力の識別をする。
魔力は人によって違いがあるから、前世の世界にあった顔認証とか指紋認証みたいな感じかな。

魔力属性やスキルとか称号は個人のレベルアップの際にドッグタグから直にギルド本部のデータベースに記録され、一般のギルドでは本人以外は照合も照会もできない仕組みになっているんだ。
昔、個人情報《ステータス》の取り扱いが甘かった時代、希少な属性とかスキル持ちを狙った誘拐とか人身売買とかがあったので、それを防ぐために情報の開示は最小限になったんだ。

通常は鑑定スキルが無いと自分のステータスって確認できないんだけれど、ドッグタグを持った冒険者は自分のステータスをドッグタグに自分の魔力を通すことで確認できるようになったんだ。
僕は鑑定の上位互換の神眼スキルがあるから見れたけど、一般の人は自分のスキルとか魔力量を知らずに生活している人が殆どらしい。

あ、魔力詰まりだったのに自分のステータスが見れたのはね、外に魔力を出すんじゃなくて、内側っていうか、自分の中だけの消費で、魔力を外に流す必要がなかったかららしいよ。
だから先代の教皇さまも、魔力詰まりでも自分のステータス画面だけは自由に見れたんだってカドケウスが教えてくれたんだ。

鑑定スキルが無い、冒険者でもない人たちはね、教会で自分のステータスを確認できるんだよ。
子供は1回だけ無料だけど、2回目からは有料になるんだ。
教会がない地域は年に一回、教会の司祭が巡回で10歳以上の希望者のみ鑑定するんだよ。
もしも治癒とか浄化ができる属性やスキルが見つかれば、教会が運営している神学系の寄宿舎学校に入って奨学金をもらうことができるんだ。
だから奨学金目当てで鑑定を受ける一般家庭の子供は多いんだよ。
治癒と浄化の力が一定のレベルを超えると、聖女か聖者の称号が出現する可能性が高まるんだ。
でもその称号は一生ものではなくて、他の人を貶めたり、犯罪を犯せば称号は消滅するし、その後慌てて改心してもよほど頑張らないと称号は戻らないんだ。
聖女も聖者も、生半可な気持ちで続けられる仕事ではないんだ。
でも聖者や聖女の称号を持つことができたら、お給料は高級官僚並みに貰えるし、定年で引退した後は恩給もでるんだ。

僕は予定よりも早く魔力詰まりが治ったんだ。
僕が気付いていなかっただけで、毎日家族が魔力詰まりを治すために治療をしてくれていたんだ!
触れ合いが多い家族だなって、思ってたんだけど、その触れ合いを通してこまめに外から魔力を流して、詰まりを解していたんだって。
カドケウスのおかげでそれを知ることができたんだ。
家族は僕が負担に思わないように、さりげなく治療をしてくれてたんだ。

カドケウスが僕の体の中の魔力詰まりの場所を特定して、内側から削ってくれたから、治療は今までにないハイペースで進んだよ。
お陰で魔石がいっぱいできた。
僕はその魔石に祝福と加護を付与して家族に御守りとしてプレゼントしたんだ。
前世の世界の神社で売ってたお守り袋を真似て、自分で家紋の刺繍とかもして、完全手作り!
家族みんなが泣いて喜んでくれたのにはびっくりした。
特に、祖父!
研究三昧で、いつも難しい顔してたんだけど、どうも僕の魔力詰まりを安全に早く治す方法を模索してたらしい。
カドケウスが来てからはその研究もはかどってたから、そのおかげもあるね。

そうそう、先代の教皇さま、激痛で一週間寝込んだっていう・・・子供の頃の祖父、その現場を目撃したらしいよ。
先代の教皇さまは祖父の実の父親で、「教皇」になる前は冒険者しながら三人の子供を男手一つで育ててたんだ。
でも、魔力詰まりで体調崩して、それでも頑張って依頼をこなしてたんだけど、限界を迎えて、もうダメだ・・・ってなった時に急にステータス画面が目の前に現れて「教皇」の称号が出たんだって。

教会に行って称号の確認をしてもらったら、急に倒れて、激痛にのたうち回って、小さかった祖父と、祖父の兄と姉も、たった一人の父親のそんな姿を見てパニックになって大泣きしてしまって大変だったんだって。
だから、あんな痛くて苦しい思いを僕にさせたくなくて研究頑張ったんだって。

先代の教皇さまは幼馴染の勇者召喚に巻き込まれた異世界人で、ものすごく珍しい特殊スキルの持ち主だったみたい。
詳しいことは教えてもらえなかったけれど、その特殊スキルのせいで冒険者をしながら子連れで各地を転々と旅してたんだって。

それでね、僕の魔力詰まりが治ったのは良かったんだけど、今度は定期的に一定量の魔力を体から出さないと、また詰まってしまうんだ。
本当は僕の事、冒険者登録させるつもりはなかった過保護な家族たち。
毎日空の魔石に魔力を貯めるか、魔石自体を作ればこと足りるらしいんだけど、同じ年ごろの子たちよりも小さな体では体力に限界もあるから、運動して体力つけようってなって、冒険者することになったんだ。
冒険者なら僕の体力とかを見ながら、スローペースで、できることから始められるし、魔法の鍛錬も体力作りもできるしね。

でも、魔法使ったり、魔石に魔力貯めたり、魔石作ったりに体力がいるとは知らなかったよ。
そう言えば賢者をしてる魔法伯の祖父ってば、脱いだら凄いんだよ!
50代後半なんだけど、腹筋が割れてるの!!
僕も鍛えたら祖父みたいに腹筋が割れるかな?
将来的には、父上みたいなカッコいい細マッチョになりたいな。

そうだ、冒険者のランクはね、一番下のF級から始まって、ベテランと呼ばれる中級冒険者はC級で、上級冒険者のランクはB級とA級、そして更にその上はS級になるんだ。
もちろん初心者の僕は一番下のF級だよ。
冒険者登録の後は、兄たちのパーティの所属になったんだけど、ランク差が大きいよね。
パーティメンバーには兄たちの他に聖騎士団から年の近い見習い騎士が僕の護衛としてローテーションで派遣されることになっているんだよ。

聖騎士は聖具に選ばれたら無条件で入団できるけれど、それ以外は厳しい選抜試験があるんだ。
僕は魔力詰まりが治った時点で約束通りカドケウスと契約したから、聖騎士になる資格は持っているんだよね。
でも、「教皇」の称号があるから聖騎士団の最優先の庇護対象になってて、聖騎士にはなれないんだ。
とりあえず、「教皇」を正式に継ぐまでの期間は冒険者をしつつ、「聖者」としても活動することになったんだ。
魔法が使えるようになったばかりだから、浄化も治癒もまだ上手にできないけれど、早く一人前になって巡礼の旅をしたいな。
その話を家族や聖騎士団の人たちにしたら、みんな一緒に行ってくれるって!
でも、大人は国のお仕事もあるから、今からローテーション組むって張り切ってた。
くれぐれもオーバーワークにならないようにしてほしいな。
教会本部がブラックな職場になったら嫌だもん。

さて、僕の初仕事は何だろう?

初仕事の前にステータス、確認確認!

***
シャルル・ド・ブランシュール
(本名 アマデウス・シャルル・ド・フォーティス)
11歳 転生者
アステリア教皇国フォーティス大公家三男
フルール王国・ブランシュール魔法伯の孫

冒険者レベル1
冒険者ランクF

聖者レベル99(上限に達しています)

称号 次期教皇(88代目)アマデウス13世
   女神の愛し子
   精霊王の愛し子

特殊スキル 神眼 加護 祝福 無詠唱 転移 亜空間収納
スキル 付与 結界 治癒 浄化 錬金術 隠蔽 認識阻害
属性 聖 無
体力 110
魔力 4015/4015

装備 認識阻害の腕輪
***

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