異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第3章 竜人の暮らし篇

第28話 変身

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 ボス部屋の奥にあるポータルから俺たちは外に出た。

 「リュート?人型になったけど帰りどうするの?」

 「私が乗って来た船も傭兵たちが乗って行ったので在りませんわ」

 「ちょっと待ってて」

 早速、変身を使ってみよう。変身は本人がイメージしたものならなんでもなれる。ドラゴンを想像して…、

 「変身トランスフォーム・ドラゴン!」 

 そう唱えると。体が発光し、ドラゴンに変身した。大きさも自由自在なので進化前の姿より少し大きくした。

 「さあ、二人とも乗ってくれ。これなら帰れる」

 初めて変身した感動で、結構テンションが上がった。

 「相変わらず凄いねリュートは」

 「本当ですわ」

 二人を背中にのせた俺はムガ王国の方ではなく、ダール王国の方へ向かった。せっかくだから行ったことない都市に行きたい。

 「リュート?どこに向かうの?」

 「ダール王国だ」
 
 「ダール王国なら私、何度か行ったことがありますわ」

 「おお、そうか。じゃあ案内はサレナに任せるよ」

 「任せてくださいませ」 

 数時間飛ぶと、ダール王国にたどり着いた。

 「変身解除と」 

 人間体に戻った俺と二人は、街の南門へと向かった。もちろん門を通る際に、検問はあったが、なんの問題もなく通れた。
 
 ダール王国は大陸の中心にあるので、とてもにぎわっている。お腹がすいていたので、屋台がならんでいた場所で夕食を済ませた。

 「上手い」

 「美味しい」

 「私、これ初めて食べましたわ」

 やはり食事は良いものだ。これからはきちんと食事することにしよう。
 
 「さて、そろそろ日も暮れるし、最高級の宿屋にでも泊まろうか」

 「う、うん。そうだね」

 「わ、わかりましたわ」

 なんか二人とも緊張しているみたいだ。どうやらこの後何をするか察したようだ。俺は楽しみで仕方ないがな。

 宿に向かって街中を歩いていると、ヒソヒソと話し声が聞こえる。どうやら街の人たちが俺たちの噂をしているようだ。聞き耳を立ててみる。

 「うわー。あの亜人さん、めっちゃイケメン」

 「うわー。カッコイイわぁ…」

 「あの二人とはどういう関係なのかな」

 うん、やはりな。薄々勘づいてはいたが、どうやら俺は滅茶苦茶イケメンになったようだ。すれ違う女性たちから物凄い視線を感じる。前の世界ではこんな体験、絶対出来なかっただろう。異世界に感謝である。
 そんなことを考えながら歩いていると、二人が動いた。どうやら周りの女性に気を使っている俺に嫉妬しているようだ。 

 「リュートには私がいるもん」

 そう言うと、腕を組んできた。

 「そうですわ。私もいますわ」

 サレナは左側の腕だ。

 美女二人と密着しながら歩いているので、めっちゃ目立つ。周りの男性陣からの嫉妬の目が痛い痛い。

 こうして最高級の宿屋に到着した。現代で言う高級ホテルのような内装をしている。

 部屋はもちろん三人一緒にしてもらった。しかも一番高いスイートルームだ。部屋の中には三人以上でも寝れる巨大なベッドや、風呂などがあった。なかなかいい設備だ。

 さてと、俺は亜人に進化した。亜人になったということは、もちろん生殖器も付いている。部屋には三人。やることは一つだろう。

 俺はベッドに腰掛けた。右にクリア、左にサレナが座った。そして、

 「よ、よろしくね。リュート」

 「よ、よろしくお願いしますわリュート様」

 こうして俺は一人前の男となる時が来たのだった。
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