異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第7章 新たな暮らし篇

第75話 新しい体

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 目を覚ますとそこは知らない天井だった。俺はベッドに寝ていて隣の椅子にクリアが座っている。

 「リュート。起きた?」

 「あぁ。ここはどこだクリア」

 「ここはムガ王国の城の中だよ」

 俺は気を失った後、王城に運ばれ、あれから一日が経過したようだ。
 この世界にも病院は存在する。ただし、医学ではなく魔法で治す。
 俺はなぜ倒れたのか調べるために、病院ではなく城に運ばれたようだ。

 そんなことを考えていると、ズキン!と目が痛む。

 「うぅ…目が痛む」

 「やはりまだ体がなじんでいないようですね」

 部屋にマギが入ってくる。

 「昇華はランクやレベルが限界になると起こる現象のようで、急激に体が変化するので体への負荷が凄いようです」

 「なるほど」

 「こちらを」

 マギは俺に眼鏡を差し出した。

 「これは?」

 「私が開発した、『魔力軽減眼鏡』です。これをかけていれば、魔力の使用が制限されますが、体は楽になるはずです」

 スチャッ。眼鏡をかける。現実世界にいた頃はかけていたので、特に抵抗はない。眼鏡をかけると、体がすっと楽になるのを感じた。

 「ありがとうマギ。助かったよ。それにクリアもありがとなずっと一緒にいてくれたんだろ?」

 「リュートが心配だったから」

 「迷惑かけたな。俺はもう大丈夫だ」

 「それではリュート様。王がお会いしたがっています。向かいましょう」

 三人で王の間に向かう。

 「よくやってくれたリュートよ」

 「いやいや、みんなのおかげさ」

 「報酬は先に帰還した三人に渡したぞ」

 「わかった」

 「本当に助かった。この国の平和を守ってくれて心から感謝する」

 「あぁ。また何かあったら呼んでくれ」

 王の間を後にする。

 「では私はこれで、また研究の時に協力して頂ければ幸いです」

 「あぁマギも頑張ってな」

 マギと別かれ、自宅に帰省する。

 「リュート様!」

 「リュート!」

 「リュートさん!」

 三人にいきなり抱きつかれた。

 「すまない。みんな迷惑かけた」

 さて、こうして子供の体になった訳だが、魔法などが使えるかどうか試してみた。結果は使えることには使える。しかし、眼鏡があるので、火力は下がっている。眼鏡を外せば本気が出せるのだろうが、しばらくはこのままで行こうと思う。修行みたいなものだろう。この体に慣れるまで無理は禁物だ。しばらくは手頃なモンスターでランクを上げるようにしよう。

 すぐにモンスター狩りに出かけてみた。スライムやゴブリンに魔法をあて、倒す。しかし、ランクが上がらない。
 どうやら昇華後のランク上げは相当難しいようだ。あまり実感はないのだが、多分今の俺はランク1でもだいぶ強い方に入るのだろう。

 なので、俺はランクアップすることを目標に依頼などをこなすことにした。

 こうして、見た目は子供頭脳は大人な生活が始まるのだった。
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